2016年度工学院大学 建築学部

幾何学I(Geometry I)[2N10]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
微分積分T・Uでは時間の制約があり幾何学への応用まで至らないようである。本科目はそれを補い、微分積分の理解を深めることが目標である。主な授業のねらいは
  1. 曲線の長さ、面積、体積を積分で計算する。
  2. 直交座標だけでなく極座標や媒介変数に対応する公式も使える。

<受講にあたっての前提条件>
微分積分T・Uを単位取得または履修中である。

<具体的な到達目標>
  1. 直交座標と極座標による面積や体積の計算ができる。
  2. 曲線の特性を測る曲率の計算ができる。
  3. 回転体の体積や回転面の面積が積分で計算できる。
  4. 曲面積を重積分で計算できる。

<授業計画及び準備学習>
  1. 直交座標と極座標:
    平面において直交する2本の直線を座標軸にすれば点の位置を表す座標が定まるが、これを直交座標と呼ぶ。座標の定め方は他にもあり、よく利用されるものとして極座標を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントは事前に配布できないので微分積分Iで習った微分積分の復習をしておく。
  2. 曲線と極方程式:
    曲線上の点の座標がみたす等式は曲線の方程式であるが、座標が極座標の場合は極方程式と呼ぶ。直交座標の方程式と極方程式の関係を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントを読んでおく。
  3. 極座標による面積の計算:
    平面の領域の面積は定積分で計算できるが、極座標で面積を計算するための積分公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 曲線の長さ(直交座標):
    直交座標で媒介変数表示された曲線の長さを定積分で計算するための公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 曲線の長さ(極座標):
    曲線が関数のグラフのときや極方程式で表されているときは、曲線の長さを計算する別の公式がある。それを使って長さを計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 曲線の曲率:
    曲線の曲がり具合を数値で表したものを曲率である。曲率の定義や公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 曲率円:
    曲線に接する円で半径が曲率の逆数のときこの円を曲率円と呼ぶ。曲線の方程式から曲率円の中心と半径である曲率中心と曲率半径を求める公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 回転体の体積(関数のグラフ):
    立体でも回転体の体積は1変数の積分で計算できる。回転させる平面の領域の境界が関数のグラフのときの積分公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 回転体の体積(媒介変数表示):
    回転させる平面の領域の境界が媒介変数表示された曲線、特に極方程式で表された場合の回転体の体積の公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 回転面の面積(関数のグラフ):
    関数のグラフである平面の曲線を回転してできる曲面である回転面の面積の積分公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 回転面の面積(媒介変数表示):
    回転させる曲線が媒介変数表示された曲線、特に極方程式で表された場合の回転面の面積の公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. 曲面の媒介変数表示:
    一般的な曲面は2つの媒介変数で表示できる。球面のような2変数関数のグラフにならない曲面の媒介変数表示の例を紹介する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. 重積分と曲面積:
    曲面を媒介変数で細分することにより重積分による曲面積の公式が導ける。これを用いて曲面の面積を計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(試験前最終授業なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 学習内容の振り返り:
    準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。

<成績評価方法>
試験期間で実施する定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点Xとする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、X=(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしabは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後であるが、他人の答案を写すだけの解答が多い場合は平常点を考慮しない(基準点を一律60点)で試験のみで成績評価することがある。2015年以降入学者についてはXが90以上であればA+、80〜89であればA、70〜79であればBとしてXが60〜69で試験の得点が50以上がC、50未満をDとする。2014年以前入学者はXが60以上で単位を与える。

<教科書>
  • 指定教科書なし
  • プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
  • 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部 実・佐々木 右左 編 共立出版
    担当者が学生のときに微分積分の教科書として指定されたものであるが、幾何への応用については時間がないので飛ばされてしまった。古い微分積分の本には本科目に関係することが書いてあることが多い。
  • 古典的難問に学ぶ微分積分 高瀬 正仁 著 共立出版
    著者は歴史に名を残している有名な数学者の原著を基に数学史を研究している人で、古い文献から見つけた微分積分の問題と解説が載っている。本科目で紹介する例を別の方法で計算したものがある。

<オフィスアワー>
火曜日13:30〜15:00(1E-313数学研究室)


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