○構造力学Ｉ（Structural Mechanics I）[5111]

＜学位授与の方針＞

○	1. 基礎知識の習得
◎	2. 専門分野知識の習得
○	3. 汎用的問題解決技能
	4. 道徳的態度と社会性
	5. 創成能力

＜授業のねらい＞

構造力学は、建築が重力や地震・風などの荷重・外力に耐えて建っているしくみを理解し、建物の安全・安心を確保する上で最も重要な分野である。建築構造の入門として、様々な建物に作用する力と変形のしくみを学び、その理論的な根拠である　構造力学の基礎（静定構造の解法、断面の性質など）を習得する。建築で扱う構造力学は、高校の力学と数学の知識さえあれば、誰にでも理解できる分野である。但し、積み重ねの学問であるため、途切れることなく一歩一歩、着実に理解し、演習を積み重ねることが必要である。

＜受講にあたっての前提条件＞

数学の基礎的な知識（三角関数や微積分など）が必要にある。自信の無い学生は「Ａ群 自然科学系科目」の１年前期「基礎数学」を習得すべきである。一方、将来、構造や安全安全分野の技術系専門分野を希望する可能性ある学生は、より高度な数学的な知識が必要になる。１年前期では、後のコンピュータ解析で使用する理論である「Ｂ群 専門科目」の１年前期「線形代数学�T」の習得しておくと良い。

＜具体的な到達目標＞

建築物の構造、構造部材、力のつりあい、外力・反力、静定ラーメン・トラスの応力の求め方を理解できる。

＜授業計画及び準備学習＞

1 ガイダンス、力の表示法・合成と分解、力のモーメントを理解する
準備学習：教科書１章を熟読し、例題、類題を解く。
2 構造物と荷重のモデル化、安定・不安定を理解する
準備学習：教科書２章を熟読し、例題、類題を解く。
3 構造物に作用する荷重と反力など力のつり合いを理解する
準備学習：教科書3.1節を熟読し、例題、類題を解く。
　→1回目の課題：力の合成・分解・つりあいについて理解する。
4 荷重と反力１（集中荷重と力のつり合い、単純梁・片持ち梁の反力の求め方を理解する
準備学習：教科書3.1節を熟読し、例題、類題を解く。
5 荷重と反力２（特殊な荷重・架構）、等分布・モーメント荷重、３ヒンジラーメンと反力の求め方を理解する
準備学習：教科書3.1節を熟読し、例題、類題を解く。
　→２回目の課題：外力と反力、次回に提出後に解説
6 応力（曲げモーメント・せん断力・軸方向力）と切断法による解法の基礎を学ぶ
準備学習：教科書3.2節を熟読し、例題、類題を解く。
7 静定梁の解法１（集中荷重）、単純梁・片持ち梁の応力の求め方を学ぶ
準備学習：教科書3.3節を熟読し、例題、類題を解く。
8 静定梁の解法２（等分布荷重）、等分布荷重・モーメント荷重と応力の求め方を学ぶ
準備学習：教科書3.4〜3.6節を熟読し、例題、類題を解く。
　→３回目の課題：静定梁の応力と、体験学習教材の作製
9 静定ラーメンの解法１、片持ち梁・片持ちラーメン構造の応力の求め方を学ぶ
準備学習：教科書4.1節を熟読し、例題、類題を解く。
10静定ラーメンの解法２、単純ラーメン・３ヒンジラーメンの応力の求め方を学ぶ
準備学習：教科書4.2節を熟読し、例題、類題を解く。
　→４回目の課題：静定ラーメンと応力、次回に提出後に解説
11 トラスの解法１、節点法による応力の求め方を理解する
準備学習：教科書5.1節を熟読し、例題、類題を解く。
12 トラスの解法２、切断法による応力の求め方を理解する
準備学習：教科書5.2節を熟読し、例題、類題を解く。
13 トラスの解法３、図式解法による応力の求め方を理解する
準備学習：教科書5.3節を熟読し、例題、類題を解く。
　→５回目の課題：静定トラスと応力、次回に提出後に解説
14 学習成果の振り返り 準備学習：前回までの総復習を行う。

＜成績評価方法＞

出題する課題と期末試験により、１００点評価で６０点以上で合格とする。
（ウェイトは、期末試験が８０％、レポート１５％、出席が５％）
注意：遅刻すると授業について来られなくなるので、厳禁である（出席扱いはしない）。

＜教科書＞

書名「考えるプロセスがわかる 力のつり合いを理解する構造力学」
著者：小野里憲一、西村彰敏著
出版社：彰国社

＜参考書＞

はじめての建築構造力学、＜建築のテキスト＞編集委員会編、学芸出版社
図説構造力学入門、豊田正俊・島村和夫 共著、東洋書店
図解 建築構造力学の学び方、槙谷栄次・永坂具也 共著、オーム社

＜オフィスアワー＞

木曜日　12：40〜13：30 （新宿校舎２５階久田研究室）
授業前後に簡単な質問は受け付けます

＜学生へのメッセージ＞

構造力学は建築が安全に建っているしくみを理解する上で最も重要な分野で、専門家の社会的需要がますます大きくなっている。しかしながら構造力学の習得過程で挫折する学生が多いのは残念なことである。構造力学は高校の知識で誰でも理解できる分野であり、授業に休まず着実に理解と演習を繰り返せば、誰でも習得できるので、諦めずに学習して欲しい。

＜備 考＞

将来、構造や安全安全分野の技術系専門分野を希望する可能性のある学生は、より高度な数学・物理を学ぶ必要があります。「Ａ群 自然科学系科目」の「微分積分」や「物理学概論」、「Ｂ群 専門科目」の「線形代数学」や「微分方程式」などを履修することが望ましい。「線形代数学」はコンピュータ解析に、「微分方程式」は構造解析などで利用する。

＜参考ホームページアドレス＞

http://kouzou.cc.kogakuin.ac.jp/