2016年度工学院大学 建築学部
まちづくり論(Theory of Urban Design and Planning)[2414]
2単位 星 卓志 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- まち、都市、地区は、どのような要素で構成され、どのように組み立てられているのか。そしてどのように計画して作っていくものなのかを理解することで、建築の集合体でもある都市空間についての関心を持つようになる。後年時に都市計画やまちづくりについて学ぶうえで、また単体の建築の緒側面を学ぶうえでも必要となる基礎的な知識、認識を習得する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 都市デザインを受講していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- ●都市空間がどのような要素によって構成されているかを理解する。
●都市、地区は人間活動の場であり、それを良好な状態になることを促すことが建築の重要な役割であることを自覚する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス
2.東日本大震災から、まちを考える 東日本大震災による被害と復興の現状から、「人が集まって住む」まちについて、その本質はどうあるべきかについて考える。 準備学習:東日本大震災の被災状況や復興計画について調べてみる。 3.生活の場としての都市、まち、地区 「都市」、「まち」、「地区」とは何かについて、身近な生活感覚に即して理解する。 準備学習:自分自身や身近な大人の日々の生活の内容とまちとの関係を考えてみる。 4.まちの構成要素−1(基盤施設と建築) 道路、公園、上下水道、電気・ガスといった都市基盤施設がどのように整備されているかを知る。また、まちを構成する中心要素である建物について、敷地との関係を含め、その集合の仕方が多様にあることを理解する。 準備学習:まちを観察し、都市基盤施設がどのようになっているかを調べてみる。 5.まちの構成要素−2(人) まちを構成しているもう一つの重要な要素は人である。人びとが集まり、組織ができて活動が生まれる、それによって何が実現されるのかを理解する。 準備学習:自分の出身地の町内会活動について、詳しく調べてみる。 6.ヨーロッパのさまざまな都市、地区 地球上には極めて多様な都市や地区が存在する。その多様な姿について知るための導入としてヨーロッパを取り上げ、まちの魅力や環境について考える。 準備学習:図書館やインターネットを活用して、ヨーロッパのまちの写真をできるだけ多く確認する。 7.人の営みを豊かにする都市空間 都市の中心部において人びとの多様な活動を可能にし、豊かな時間を過ごすことのできる都市空間のあり方について学ぶ。 事前学習:札幌市役所のホームページから「都心のまちづくり」について調べておく。 8.まちの魅力 どのようなまちが人びとにとって魅力的なのか、について多様な側面から評価しなければならないことを学ぶ。 準備学習:都市における日々の生活から、まちが魅力的であるということについて、どのような観点から見ることができるか考えてみる。 9. 都市計画とまちづくり 「都市計画」と「まちづくり」はどのような事であるのかについて、相互の関係も含め基本的な概念を理解する。 準備学習:この2つの用語について、書籍、インターネットなどでどのように説明されているかを調べる。 10.まちづくりの領域と事例 地区まちづくりに関わるさまざまな課題やテーマについて、実際のまちの姿に対応させた事例を通して理解する。 準備学習:前回までの授業を振り返り、地区のまちづくり課題について整理して考える。 11.まちと建築 地区の特徴やまちづくりの目標と個々の建築との関係について学ぶ。 準備学習:まちの中での建築のあり方について、実際のまちを観察して考えてみる。 12. まちづくり市民運動 小樽運河と石造倉庫群の保存運動ほかの市民運動の経緯から、人びとにとって「まち」とはどのような場であるべきかについての理解を深める。 準備学習:小樽のまちづくりについて調べる。 13.まちと建築 建築物の大半は都市において建てられる。一つ一つの建築の積み重ねのあり方によって、まちが良くも悪くもなるということを理解する。 準備学習:まちなかで建築物を計画する際に、周辺との関係をどのように考慮すべきなのかを考える。 14.学習成果の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 授業ごとのコメントシート等の平常点と期末レポートにより評価する。平常点と期末レポートの評価割合はおおむね4:6とし、A+〜Fの6段階評価でeD以上の者を合格とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- 指定参考書なし。
- <オフィスアワー>
- 火曜日 15:00〜15:30 (八王子校舎建築系設計準備室 03-301)
- <学生へのメッセージ>
- 建築を学ぶうえで、その集合である都市、まち、地区についての理解は必要不可欠です。この授業は、建築の集合だけではなく、道路・公園といった基盤施設や人々によるコミュニティ活動にも焦点をあてて、さまざまなな角度からまちを理解することの手助けとなります。
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