2016年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科
住環境心理(Environmental Psycology)[1F01]
2単位 赤木 徹也 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 現在、社会の様々な場面で「生活の質」という言葉が叫ばれている。そして、「生活の質」の向上とは、人間の生活において物理的側面のみならず、満足感や心の豊かさなどの心理的側面をさらに充実させることを示す。そのため「生活の質」を向上させうる住環境をデザインするためには、多様な人間の行動や心の動きを理解し、デザインに応用しうる技術を身に付けておかなければならない。よって、本講義では「生活の質」を向上させうる住環境をデザインするための手がかりとして、住環境とそこで生活する多様な人々との関係性を環境行動・心理学的な視点から解明することを目的とする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特になし。
- <具体的な到達目標>
- 学習者は、「生活の質」を向上させうる住環境デザインのための環境行動・心理学的知識の体系的理解を通して、実際の建築設計作業に対する応用的能力を身につけることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 下記の内容に加え、講義内容の理解に必要な、一般教養や社会常識、あるいは、時事問題などを説明する時間を、毎回の授業に設ける。
第1週:ガイダンス 第2週:住環境の歴史的背景(「量」から「質」への転換) 第3週:住環境の機能と意味、ならびに、住環境心理に関するレポート課題の説明 第4週:住生活の内容 第5週:住環境の構成 第6週:生活の質と環境行動デザイン 第7週:住環境と人間の認知機能 第8週:住環境と環境適応1(人間と環境との適応関係事例) 第9週:住環境と環境適応2(高齢者能力と環境負荷の適応関係モデル) 第10週:住環境と環境適応3(住環境の質的改善手法) 第11週:住環境と環境適応4(認知症の人のための住環境デザイン) 第12週:住環境の分かりやすさ 第13週:住環境と記憶・感情 第14週:授業内容の振り返り
準備学習 第1週〜第13週:授業毎に次週の授業内容の概要説明を行うので、その範囲を十分に予習しておくこと。 第14週:授業の総復習を行っておくこと。
- <成績評価方法>
- 住環境心理に関するレポートの提出によって最終成績の評価を行い、60点以上の者に単位を認める。但し、レポート提出時には各自が授業ごとに作成した授業ノートを同時に提出することを必須とし、授業に対する十分な理解の上でレポートを作成しているか否かの判断を行う。
- <教科書>
- プリント配布(指定教科書なし)。
- <参考書>
- 「建築設計資料集成 拡張編 [人間] 」日本建築学会編(丸善)
「人間−環境系のデザイン」日本建築学会編(彰国社) 「生態学的視覚論 ヒトの知覚世界を探る」J.J.ギブソン著、古崎敬など訳(サイエンス社) 「誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論」D.Aノーマン著、野島久雄訳(新曜社認知科学選書) 「建築・都市計画のための調査・分析方法[改訂版]」日本建築学会編(井上書院)
- <オフィスアワー>
- 月曜日 13:00〜13:30(新宿校舎26階赤木研究室)
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