2016年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科

福祉施設計画(Architectural Planning of Welfare Facilities)[4E13]

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2単位
境野健太郎 准教授  
山崎  敏 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
本講義では、日常の学生の生活では馴染みが薄く内容を理解しにくい福祉施設について、福祉施設のもつ機能と役割を総合的に理解した上で、施設計画の基本的な考え方を修得し、これからの福祉施設計画に必要な提案能力を身につけることを目的とする。

<受講にあたっての前提条件>
既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にないが、「ケアと住環境」を修得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
学習の到達目標は、福祉施設は利用する人の立場や場面によって要求が異なることを踏まえた上で、福祉施設のもつ機能と役割を総合的に理解することである。具体的には、福祉施設における生活や要求の多様化・複雑化に対し、建築空間がつくられるときの生活要求の捉え方を理解し、建築すべき空間の目的や機能を正しく把握することであり、設計上の課題を解決するためにさまざまな知識を総合的に活かす視点の重要性を認識することである。また、それぞれの福祉施設の社会的意義と計画の歴史や時代背景を理解した上で、施設計画の基本的な考え方を理解し、これからの福祉施設計画に必要な提案能力を身につけることである。

<授業計画及び準備学習>
下記の内容に加え、講義内容の理解に必要な一般教養や社会常識、あるいは時事問題などを説明するとともに、講義した内容を理解し、敷衍して考える力を身につけられるよう、講義内容へのコメントを求めたり小課題を課したりすることで、講義内容を理解しているか確認する時間を毎回の授業に設けます。
また、修得した知識を用いて分析や評価をすることで、創造的な提案能力を涵養できるよう、教員と学生が双方向で考えや意見を交わし議論する時間をグループワークの授業時間を中心に設けます。

09/15(木)第01回 境野 ガイダンス
 準備学習:福祉施設の種類と制度について調べておく
09/22(木)第02回 境野 超高齢社会と住空間
 加齢による心身の機能低下(筋力低下・生理機能低下・疾患)と住空間
 準備学習:高齢期の身体特性の変化について調べておく
09/29(木)第03回 境野 バリアフリーとユニバーサルデザイン
 住宅・まちづくりとバリアフリー、ユニバーサルデザイン、住宅内事故と高齢者
 準備学習:バリアフリーとユニバーサルデザインについて調べておく
10/06(木)第04回 山崎敏先生 超高齢社会の状況/制度と地域で支えるシステム
 準備学習:日本の人口構成の推移と加齢に伴う生活環境の選択肢について調べておく
10/13(木)第05回 境野 高齢者福祉施設の種類と建築計画
 福祉施設成立の歴史的経緯と関連法規、日本における高齢者福祉施設の種類と建築計画
 準備学習:高齢者福祉施設の種類と制度について調べておく
10/20(木)第06回 山崎敏先生 地域包括ケアシステム
 高齢者向け集合住宅(スウェーデンとわが国の違い)と介護保険3施設
 準備学習:地域包括ケアシステムについて調べておく
11/03(木)第07回 境野 グループワークによる福祉施設の事例調査
 福祉施設の事例を複数収集し、施設計画の提案内容の違いについて分析考察を行う
 準備学習:福祉施設の事例を収集し、整理してまとめておく
11/10(木)第08回 山崎敏先生 介護施設の事例と運営
 ケーススタディ/老人保健施設、建築と運営(ユニットケア・ブランド・リスクマネジメント)
 準備学習:介護保険制度と介護保険施設の運営について調べておく
11/17(木)第09回 境野 グループワークによる福祉施設の事例発表及び総合討論
 収集した福祉施設についてグループごとに事例報告を行い、計画の基本的な考え方の理解を深める
 準備学習:収集した福祉施設の事例について空間分析を行い、発表資料を作成する
11/24(木)第10回 山崎敏先生 超高齢社会の4つの機能
 リタイアメントコミュニティと日本版CCRC
 準備学習:高齢化に対応した魅力的なまちづくりについて調べておく
12/01(木)第11回 境野 障害者福祉施設とノーマライゼーション
 準備学習:障害者福祉施設の種類と制度について調べておく
12/08(木)第12回 境野 児童福祉法の理念と児童福祉施設の種類
 準備学習:児童福祉施設の種類と制度について調べておく
12/15(木)第13回 境野 グループワークによるこれからの福祉施設の提案
 高齢者・障害者の現状や将来予測を踏まえ、グループごとにこれからの福祉施設計画の発表と講評を行う
 準備学習:これからの福祉施設のあり方について分析を行い、発表資料を作成する
01/12(木)学習成果の確認(試験)
 準備学習:前回までの総復習を行う
01/19(木)第14回 境野 学習内容の振り返り
 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく

<成績評価方法>
評価はレポート、演習(発表)、期末試験により行う。
講義の3分の2以上の出席をもって、期末試験の受験を認める。成績評価は、レポート(20%)、演習発表(30%)、期末試験(50%)を目安に総合的に判断し、60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
指定教科書なし。参考となる文献については、講義の中で適宜紹介する。

<オフィスアワー>
毎週木曜日13:00〜13:30、新宿キャンパス、25階A-2573号室
講義の前後、または事前に sakaino☆cc.kogakuin.ac.jpまで連絡すること。(☆を@に直してください)


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