2016年度工学院大学 建築学部建築学科

応用解析学(Applied Analysis)[5Q02]

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2単位
北原 清志 非常勤講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
フーリエ級数は自然科学や工学の広い範囲で応用されている.この授業では様々な関数に対するフーリエ級数の具体的な計算ができ,無限級数を具体的に理解することを目標とする.また,フーリエ級数の理論の微分方程式への応用についても解説する.フーリエ級数からさらに進んでフーリエ変換の概要に付いて触れ,フーリエ変換の基本的性質を理解することを目ざす.

<受講にあたっての前提条件>
高校数学の三角関数の諸性質と諸公式を使いこなせること.
微分積分Iの内容を理解し使いこなせること.特に部分積分は重要である.
高校数学のベクトルについて理解していること.
線形代数学I,IIについて学習していることが望ましい.

<具体的な到達目標>
(1)与えられた関数のフーリエ級数を計算する手続きを正しく実行できる.
(2)フーリエ級数の性質や数学的な意味を理解する.
(3)微分方程式などのフーリエ級数の応用について理解する.
(4)フーリエ変換の基本的な性質について理解する.

<授業計画及び準備学習>
1. 周期関数・三角関数系
  周期関数とくに三角関数について様々な公式を復習する.
  準備学習:高校数学の三角関数の諸性質と諸公式を復習すること.

2. 内積空間・直交系
  積分を用いる内積,関数の直交性について学習する.
  準備学習:高校数学の三角関数の諸性質と諸公式,数学Iの積分について復習すること.

3. 関数のフーリエ展開
  周期関数をフーリエ展開する手法を学ぶ.
  準備学習:数学Iの積分および第1,2回の授業ノートの復習をすること.

4. フーリエ展開とベクトル空間
  フーリエ展開をベクトル空間の視点から考察する.
  準備学習:線形代数学および第1,2回の授業ノートの復習をすること.

5. フーリエ展開の計算
  様々な関数の特徴がフーリエ展開の性質に反映される様子を理解する.
  準備学習:数学Iの積分および第1,2回の授業ノートの復習をすること.

6. 偶関数と奇関数の性質
  偶関数と奇関数の性質や積分公式について考察する.
  準備学習:数学Iの復習をすること.

7. 半区間展開
  フーリエ級数をより広い関数に適用するための手法を学習する.
  準備学習:数学Iおよび第3,5回の授業ノートの復習をすること.

8. 半区間展開の計算
  様々な関数のフーリエ展開の例を計算する.
  準備学習:第5,6,7回の授業ノートの復習をすること.

9. 複素フーリエ級数
  複素フーリエ級数と実フーリエ級数との関係について学ぶ.
  準備学習:高校数学の複素数と数学Iの復習をすること.

10. 区分的多項式関数のフーリエ展開公式
  区分的多項式関数のフーリエ展開公式の応用について学習する.
  準備学習:数学Iの復習をすること.

11. 常微分方程式への応用
  フーリエ級数を用いて微分方程式を解き,解の挙動について考察する.
  準備学習:数学Iの復習と(可能ならば)微分方程式の復習をすること.

12. フーリエ積分入門
  フーリエ級数の拡張としてのフーリエ積分について学習する.
  準備学習:第3,5回の授業ノートのノートの復習をすること.

13. フーリエ変換の性質
  フーリエ変換の様々な性質を学ぶ.
  準備学習:第12回の授業ノートの復習をすること.

14. 学習内容の振り返り
  準備学習:期末試験で解けなかった問題の解き方を教科書で確認すること。

<成績評価方法>
試験期間に実施する期末試験(100点満点)の得点が60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
フーリエ解析と偏微分方程式(技術者のための高等数学 3)E.クライツィグ著 阿部寛治訳(培風館)

<参考書>
フーリエ解析とその応用 洲之内源一郎著(サイエンス社)

<オフィスアワー>
授業の前後の休み時間、新宿校舎12階講師室で。

<学生へのメッセージ>
フーリエ級数の計算は部分積分法が最も重要な道具である.高校数学或いは大学の数学Iの復習が是非とも必要である.
フーリエ級数の理論を幅広く総合的に理解するには線形代数学の知識が不可欠である.線形代数の復習を十分に行なうことが望ましい.


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