2016年度工学院大学 建築学部建築学科
構造解析(Structure Analysis)[3E15]
2単位 河合 直人 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 主として構造技術者を目指す学生を対象に、構造設計で用いられる高度な構造解析法の理解をねらいとして、振動論と動的解析法、マトリクス法、弾塑性解析法などの基礎的事項を理解し、簡単な例題が解けるようになることを目指す。
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目の受講に当たっては、構造力学I、および構造力学IIの内容を習得していることが前提である。
- <具体的な到達目標>
- 2質点系までの振動理論と時刻歴応答解析の方法について学び、応答スペクトルや弾塑性応答の予測法などを通じて耐震設計法の基本を理解する。一方、平面と立体のマトリクス構造解析の理論と手法を学び、構造物の弾性解の解法および非線形領域の解法を理解する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.構造解析と構造設計
概論として振動論とマトリクス法の概要、および振動方程式の初歩を学ぶ。 準備学習:シラバスを読んで授業の内容を理解しておく。 2.1質点系の振動解析 1質点系の振動モデルと地動が加わる場合の振動方程式、線形加速度法による時刻歴応答解析の方法を学ぶ。 準備学習:演習問題1の振動方程式の立て方をよく理解しておく。 3.2質点系の振動解析 2質点系の振動モデルと振動方程式、固有値解析、応答解析の方法を学ぶ。 準備学習:1質点系の場合の解法を第2回資料および演習問題2で理解しておく。 4.地震応答スペクトル デュアメル積分による応答解析と、応答スペクトルの概念およびその解法を学ぶ。併せて気象庁震度階について学ぶ。 準備学習:第2回資料の1質点の減衰自由振動の理論解を再度よく理解しておく。 5.波形のフーリエ変換・逆変換 フーリエ変換およびフーリエ逆変換の概念と解法を学ぶ。 準備学習:第4回資料の応答スペクトルとフーリエ変換の違いをよく理解しておくこと。 6.実建物の振動測定 起振機や人力による強制振動実験や、常時微動測定から、実建物の振動特性を把握する方法について学ぶ。 準備学習:演習問題2の解答、演習問題5のフーリエスペクトルをよく理解しておく。 7.弾塑性応答解析 線形加速度法による弾塑性応答解析の方法について学ぶ。 準備学習:構造物が塑性域に入った後の荷重変形関係(履歴特性)について調べておく。 8.エネルギー一定則と等価線形化法 弾塑性応答の簡易予測法であるエネルギー一定則と等価線形化法について学ぶ。 準備学習:第4回資料の応答スペクトルについてよく復習しておく。 9.マトリクス法の基本概念 1軸バネ系と平面バネ系を用いてマトリクス法の基本概念を学ぶ。 準備学習:数学で習うマトリクス演算の方法、および回転行列を復習しておく。 10.平面トラスの解析 第9回のバネをトラス部材に置き換えて平面トラスのマトリクス法による解法を学ぶ。 準備学習:第9回資料および演習問題9をよく理解しておく。 11.立体トラスの解析・平面ラーメンの解析(準備) 第10回の平面トラスの解法を3次元に拡張し、立体トラスの解法を学ぶ。また、平面ラーメンの解析に向けて曲げ部材の部材端荷重と部材端変位の関係を復習する 準備学習:第10回資料における座標変換の方法をよく理解しておく。 12.平面ラーメンの解析 平面ラーメンのマトリクス法による解法、またその中で中間荷重の扱い方を学ぶ。 準備学習:第11回資料および演習問題11により、曲げ部材の構成方程式を理解する。 13.立体ラーメンの解析および弾塑性解析 第12回の平面ラーメンの解析にねじれ変形を加えて3次元に拡張し、立体ラーメンの解法について学ぶ。併 せて荷重増分解析における弾塑性解析の方法について学ぶ。 準備学習:第11回資料の立体トラスでの座標変換の方法を復習し理解しておく。 14.学習内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題について解き方を考えておく
毎回、授業時間の最後に演習問題を出すので、解いて提出すること。
- <成績評価方法>
- 成績評価は演習問題の提出状況と定期試験による。定期試験では、振動解析とマトリクス法について基礎知識と解法の習得状況を見る。定期試験の得点A(100点満点)、演習問題の提出状況による得点B(20点満点)とし、Aと(0.8A+B)の大きい方を評価点とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし
授業時に資料を配付する
- <参考書>
- 新・地震動のフーリエ解析入門(大崎順彦、鹿島出版会)
最新耐震構造解析 第3版.(柴田明徳、森北出版)など
- <オフィスアワー>
- 火曜日16:00〜17:00 新宿25階A-2517建築構造研究室4(河合研究室)
- <学生へのメッセージ>
- 毎回、簡単な演習問題を解く時間を設けます。実際に手を動かして問題を解く中で理解を深めるようにして下さい。理解が不十分な場合は、遠慮無く質問し、次回までに復習してきて下さい。
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