2016年度工学院大学 建築学部建築学科

鋼構造(Steel Structure)[1B13]

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2単位
山下 哲郎 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
鉄骨を用いた建築構造を「鋼構造」とよび、超高層、ドームから戸建住宅まで幅広く建築の構造に用いられている。ここではまず構造設計の基礎となる塑性崩壊や座屈に関する基礎的な理論を学んだ後、重層構造の耐震設計法と、鋼構造が本来有する優れた耐震性能を発揮するためのディテール、施工法を、写真、映像、模型なども用いて感覚的にも理解する。免震や制振、構造デザインなどの最新の技術についてもその概要を学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にないが、「構造力学T、U、構造解析」を修得していることが望ましい。構造設計、特に耐震設計に興味を持つ学生向き。

<具体的な到達目標>
・鋼構造の構造設計、特に耐震設計の概要を体系的に理解する。
・簡単な塑性崩壊荷重や座屈荷重の計算ができるようになる。
・耐震設計で期待する性能を発揮するための詳細設計、施工の留意点を理解する。
以上を目標とする。

<授業計画及び準備学習>
下記の内容に加え,講義した内容について,仕組みを理解し,敷衍して考える力を身につけられるよう,講義内容へのコメントを求めたり,小課題を課したりすることで,講義内容を理解しているか確認する時間を,毎回の授業に設けます。
1. ガイダンス、鋼構造の技術と建築
準備学習:新宿近辺の建築で鋼構造を探し、骨組を観察する。
2. 鋼材の特徴と種類
   準備学習:事前配布する資料の精読。
3. 鋼構造の形式
   準備学習:事前配布する資料の精読。
4. 構造設計の枠組
   準備学習:事前配布する資料の精読。
5. 部材の許容応力度設計1 圧縮材と引張材
   準備学習:事前配布する資料の精読および三角関数の復習。
6. 部材の許容応力度設計2 曲げ材
   準備学習:事前配布する資料の精読および曲げ材の応力度の算出方法を復習。
7. 終局強度設計1 全塑性モーメント
   準備学習:事前配布する資料の精読および曲げ材の応力度の算出方法を復習。
8. 終局強度設計2 塑性崩壊
   準備学習:事前配布する資料の精読および仕事の概念を復習。
9. 終局強度設計3 ビルの崩壊と保有水平耐力
   準備学習:事前配布する資料の精読および仕事の概念を復習。
10.接合部の施工と設計1 高力ボルト接合
   準備学習:事前配布する資料の精読。
11.接合部の施工と設計2 溶接の原理と方法
   準備学習:事前配布する資料の精読。
12.接合部の設計と保有耐力接合
   準備学習:事前配布する資料の精読。
13.ブレース構造と制振
   準備学習:事前配布する資料の精読。
14.学習内容の振り返り
   準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
(順序は変更する可能性あり)

<成績評価方法>
期末試験(80%)、授業後の小課題(20%)を合計し、60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。
キューポートでプリントを配布する。プリントの空欄、余白に講義の解説を書き込むことでオリジナルの教科書が完成する。

<参考書>
日本建築学会関東支部「鉄骨構造の設計 学びやすい構造設計」
日本建築学会「構造用教材」

<オフィスアワー>
毎週月曜18:00-18:30(新宿2514室)。授業終了後の質問も可。

<学生へのメッセージ>
建築構造は理論と実物の接点にあり、力学や解析だけで実際の構造物は建たない。ここでは基礎的な構造理論も勉強するが、演習、卓上実験、映像なども用い、実際の鋼構造がどう荷重に耐えるのか、どう壊れるのか、また現場でどう作るのか、感覚的にも理解できるよう説明する。


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