2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科
環境生態学(Environmental Ecology)[3C01]
2単位 篠沢 健太 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- ・植物生態学の考え方を学び、土地を見、風景を読み解く術を学ぶ。
・生態学を元に土地の自然環境や履歴を明らかにし、建築、敷地「環境」の視点や方法論を学ぶ。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし
- <具体的な到達目標>
- ・敷地の特徴を読み取ることができるようになる。
・建築計画や建築完成後の管理・プログラムなど、将来の姿を思い描く術を身につける
- <授業計画及び準備学習>
- ■1 植物群落に関する基礎知識
1.個体ー個体群ー群集、植物群落 生態学を学ぶための基礎的な用語について理解する。 準備学習:植物群落と植栽がどう違うか?を調べ、自分の「植物群落」を決めておく(内容については授業で説明)。 2.植物群落ができるまで 植物群落形成の「外因」「内因」や「環境傾度」について理解する。 準備学習:植物群落を構成する樹木の形と配置を調べ、そこに潜む規則性と空間との関係を考える。 3.日本列島の植生をとらえる―温量指数と植生分布― 「暖かさの指数」「寒さの指数」を理解し、日本列島の植生分布と植栽可能域について理解する。 準備学習:ある都市の「月平均気温」を12か月分調べておく。 4.地域の植物群落を調べるー植物社会学的植生調査ー 植物群落を調べる調査方法について、基本的な流れを理解する。 準備学習:表計算ソフト(excel等)で、行列を入れ替えられるように準備しておく。 5.樹を見て森も見るー植生調査が教えてくれることー さまざまな植生調査の結果を理解しつつ、内業における作業を体験する。 準備学習:表計算ソフトを用いて「行列の対角化」を試してみる。
-------------------------------------------- ■2 植生遷移について学ぶ 6.うつろいゆく森ー植生遷移ー 森が変化するプロセスについて理解する。 準備学習:絵本「森は誰がつくったのだろう?」を読み、植生遷移の流れを把握する。 7.ヒトと植物群落の関わりの歴史 森の変化と人間の関わりの歴史について、理解する。 準備学習:身近な風景の中に見られる植生遷移の例を1つ見つける。 8.植生遷移を意識して身近な風景を見直す 身近な風景のなかに植生遷移が表れていることに気づく。 準備学習:身近な風景の中に見られる植生遷移の例を2つ以上見つけ、それが遷移のどのような段階か?考える。 9.都市に森をつくるー植生遷移と植生管理ー 明治神宮の森を「生態学的」な視点から見る。 準備学習:明治神宮の森がどのようにして作られたか?植生遷移との関わりから調べる。
-------------------------------------------- ■3 土地利用計画と「地域の生態学」 10.私たちの身のまわりの自然と開発―都市近郊の大規模土地改変― 都市近郊の大規模土地改変が生態系に及ぼした影響について理解する。 準備学習:身のまわりの「大規模土地改変」の事例について、等高線が記載された図を入手しておく。 11.土地自然から未来を学ぶ―植物社会学と自然立地的土地利用計画― 土地利用計画の基本を理解し、立地の自然との関係について考える。 準備学習:現存植生図と「潜在自然植生図」を入手しておく。 12.地域を見つめる視野―地域の生態学とビオトープ― 「地域の生態学」についての基礎的な知識を理解する。 準備学習:パッチ―コリドー―マトリクスの言葉を調べ、それを表す空中写真を準備しておく。 13.生態学とランドスケープデザイン―卒業制作のなかの「生態学」― 生態学を応用したランドスケープデザインの例について理解する。 準備学習:建築学部優秀作品集のなかから、生態学に関係する卒業制作を見つけておく。 14.学習成果の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 時間中に回答・提出するレポート課題を3回出す(1回20点満点x3回)。どの回にレポートを課すかは明らかにしない。きちんと出席すること。3回以上欠席した学生は履修放棄とみなし成績評価を行わない。最終レポート課題をは30点満点とする。残りの10点は適宜行う授業に対するアンケート、コメントに対する評価点である。合計60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 特になし。要な資料等は授業中に配布する
- <参考書>
- 特になし。要な資料等は授業中に配布する
- <オフィスアワー>
- 毎週金曜日1100-1250の間、新宿校舎25F八王子共同研究室にて。
- <学生へのメッセージ>
- 生態学の考え方を学び、制作・研究へのヒント、アイディアを掴むことを目的としています。教員の講義を一方的に聞くだけでなく、関連するテーマについて調べたり、自分の実習論やフィールドワークと関連付けて理解するようにしてください。受講者が本授業の成果を積極的に活用することを期待しています。
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