2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

都市空間論(Theory of Urban Space)[5C01]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
遠藤 新 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
野澤  康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
星 卓志 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
下田 明宏 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
篠沢 健太 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
現代都市空間に見られる今日的な現象とその背景にある諸問題について、計画行政、都市計画、環境計画、ランドスケープデザイン、アーバンデザインといった多角的視点から理解する。

<受講にあたっての前提条件>
1〜3年次の都市デザイン系、ランドスケープ系科目を幅広く履修しておくこと。

<具体的な到達目標>
各自の現地調査等を通じて講義から得た知見に対する理解を深め、授業内の議論とレポート作成作業から、都市空間を読み解く視点と論考力を養う。

<授業計画及び準備学習>
第1回目 ガイダンス
・担当:遠藤、下田、野澤、星、篠沢
・各回の授業の概要を聞き、都市空間を読み解く視点を理解する。
・準備学習:過去に履修した都市・ランドスケープ分野の授業ノートを振り返り、要点を再確認しておく。

第2回目 計画行政の視点から1:行政の計画体系と法律体系
・担当:星
・地方自治体の行政が都市空間の構成にどのように関係しているか、計画体系と個別法制度を総括的に理解する。
・準備学習:いずれかの市役所のホームページから、自治体のさまざまな計画を調べてみる。

第3回目 計画行政の視点から2:土地利用計画制度と都市空間
・担当:星
・都市計画法が都市空間の形成にどのように関係しているか、土地利用計画制度を中心に体系的に把握する。また、コンパクトシティの推進のために昨年創設された立地適正化計画制度の内容と課題を理解する。
・準備学習:過去に受けた都市計画関係の授業内容を確認して都市計画法の土地利用関連制度について復習しておく。

第4回目 環境計画の視点から1:空間スケールと環境1
・担当:篠沢
・Charles & Ray イームズの「Powers of Ten」とIan マクハーグ「Design with Nature」を題材に、都市空間をとらえる空間スケールと環境要素の関わりについて理解する。
・準備学習:自分の馴染みの深い「都市空間」について、スケールの異なる航空写真を複数枚用意しておくこと。

第5回目 環境計画の視点から2:空間スケールと環境2
・担当:篠沢
・建築学部における実習課題を題材に、「敷地」「地区」「地域」の自然・社会環境の把握の仕方と立地特性のまとめ方、建築、都市計画への展開の方法を学ぶ。
・準備学習:現在までの実習課題を観直しておくこと。

第6回目 都市計画の視点から1:建築基準法・都市計画法と都市空間1
・担当:野澤
・建築基準法の形態規制が建築物の形態を規定し、それが連担して街を形づくっている。形態規制の内容を理解するとともに、それが街に及ぼしている効果・影響について、実際の街の姿を通して理解する。
・準備学習:街を歩いて、形態規制の影響と思われる、不思議な形態の都市空間の写真を各自3枚(3カ所)程度、用意してくる。

第7回目 都市計画の視点から2:建築基準法・都市計画法と都市空間2
・担当:野澤
・現状の法制度では、都市空間が一義的に決まるわけではない。すなわち、一般的な理解を超えた予期せぬ建築が建つ可能性を否定しきれない。それを事前に考え、地域で共有し、予め上乗せのルールをつくっておくための地区計画制度、まちづくり条例などについて理解する。
・準備学習:身近なまちで適用されている地区計画の事例、まちづくり条例によるまちづくり計画の事例を探して持ち寄るとともに、それを読み込んで分析してみる。

第8回目 ランドスケープデザインの視点から:緑地空間と都市空間1
・担当:下田
・内容:都市の主要な緑地空間が、都市空間のイメージ形成や、市民の生活の質の向上にどのように寄与しているか、海外や国内の多様な事例を見ながら考察する。第1回目は、海外の事例として、New Yorkの「Central Park」と、Bostonの「Emerald Necklace」を取り上げる。
・準備学習:「皇居」の緑が東京の都市空間の中心にあるのは明らかであるが、実際には、どのような機能や効果があるのだろうか、各自考察してみる。

第9回目  ランドスケープデザインの視点から:緑地空間と都市空間2
・担当:下田
・内容:第2回目は、国内の事例として、つくば市の「つくば豊里の杜」と、東京都の「大手町景観デザインガイドライン」を取り上げる。
・準備学習:東京都の河川空間には、具体的にどのようなものがあるか、また、我々の生活の質とどのように関わっているか、各自考察してみる。

第10回目 アーバンデザインの視点から1:良好な都市景観の形成にむけた事前協議
・担当:遠藤
・内容:景観法の成立により各自治体において良好な都市景観の形成にむけて、事業者との事前協議が頻繁に行われるようになった。東京都区部における景観事前協議の事例を読み解き、その成果と課題について理解する。さらに、都市における普通の市街地の景観はどうあるべきかを考察する。
・準備学習:東京都区部(渋谷区、新宿区、千代田区、板橋区、等)における景観計画と事前協議のプロセスについて、インターネットや文献等から調べてみる。

第11回目 アーバンデザインの視点から2:都市空間のデザインマネジメント
・担当:遠藤
・内容:都市空間とは、多様な主体の意思や行動が複雑に絡み合った結果としての存在である。地域の計画において目指す方向へと都市空間をデザインするためには、そこに関わるデザイン意思やデザイン行為の適切なマネジメントが必要である。都市デザインをマネジメントするための理論を学び、アーバンデザインセンターが取り組む幾つかの事例をもとにその実践のあり方について考察する。
・準備学習:アーバンデザインセンター研究会編著(2012)「アーバンデザインセンター:開かれたまちづくりの場」理工図書、を読んでおく。

第12回目 期末レポート課題の出題
・担当:遠藤
・レポート課題の内容とその論点を理解する。
・授業内で示された調査対象地の中から、各自がスタディ対象とする対象地を選ぶ。

第13回目 都市空間にまつわる今日的な議論
・担当:遠藤、下田、野澤、星、篠沢
・内容:受講者はレポート課題の企画内容を発表する。前回までの授業内容を振り返りつつ、レポート課題として示された論点に関して、5人の教員とともに様々な議論を試みる。
・準備学習:レポート課題の企画書を作成する。

第14回目 授業内容の振り返り

<成績評価方法>
期末レポート課題100%、60点以上を合格とする。
ただし、講義内でミニレポート等の追加課題が出題される場合には、それら全てを提出しなければ、単位を認定しない。

<教科書>
指定しない。授業の参考になる情報はキューポートにて随時配信する。

<参考書>
指定しない。授業時間中に適宜紹介する。授業の参考になる情報はキューポートにて随時配信する。

<オフィスアワー>
火曜日の6限、新宿A2673室。簡単な質問は授業後の教室でも受け付ける。
その他時間の面談を希望する学生は遠藤までメール等で連絡ください。
arata@cc.kogakuin.ac.jp


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.