2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

都市再生論(Theory of Urban Regeneration)[3B12]

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2単位
星 卓志 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
都市の再生とは、特に20世紀後半に形成された都市、地域が時間の経過や社会経済状況の変化により、まちとして何らかの「困った状況」に陥っている状態を改善すること、と捉える。
 21世紀の人口減少・少子高齢化社会においては、我が国の多くの都市で何らかの「困った状況」を抱えており、都市再生は最も今日的なまちづくりのテーマと言える。
 この授業では、平行して開講する「現代まちづくり論」の内容を補足、強化、さらに深化させる内容を含め、我が国都市問題の応用的な知識を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
「現代まちづくり論」を受講していること。

<具体的な到達目標>
●現代の都市再生の諸相を俯瞰的に理解している。

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス
2.「参加」の手法
 現代の都市再生は多くの主体の合意のうえに成り立つものであるが、合意形成にはさまざまな参加手法が必要であることから、その概要を理解する。
 準備学習:市民参加とはどのようなことかについて調べておく。
3.日本における都市再生の動向
 小泉政権の経済政策として展開が加速した我が国の都市再生の枠組みについて理解する。
 準備学習:都市再生特別措置法の概要を調べておく。
4.都市開発事業と都市計画
 都市再生の主要な手法である都市開発事業とそれを可能にする都市計画制度について理解する。
 準備学習:東京における大規模都市開発の複数の事例について、その内容を調べてみること。
5.アメリカの都市再生
 成長管理、ニューアーバニズム等のアメリカの都市再生政策について、具体的事例も含めて理解する。
 準備学習:同政策についてについて調べておくこと。
6.中心市街地問題
 中心市街地問題の発生状況、対処のための法体系、活性化に向けた具体事例等を学び、同問題について体系的に理解する。
 準備学習:中心市街地問題について調べておくこと。
7.都市計画、まちづくり行政
 都市の再生を進めるうえでの行政の役割や職員のあるべき取り組み姿勢について、具体的事例を含めて理解する。
 準備学習:政令指定都市を一つとりあげ、都市計画・まちづくり分野の政策について調べておくこと。
8.エリアマネジメント
 主に都市の中心部の活力や魅力向上を目指して、近年さかんに取り組みが進んでいるエリアマネジメントについて、基本概念や具体的事例について理解する。
 準備学習:さまざまなエリアマネジメント組織のホームページを閲覧し、どのような活動を行っているか調べること。
9.西新宿の都市再生
 本学新宿キャンパスが立地する西新宿地区の再生への取り組みについて、最新の状況を理解する。
 準備学習:西新宿地区の開発経緯について調べておくこと。
10.横浜の都市再生
 横浜市の関内・関外地区では、みなとみらい21地区や横浜駅周辺地区の発展に伴い衰退傾向が続いており、その再生の取り組みが近年活発化していることから、その状況について理解する。
 準備学習:横浜都心部の都市発展の歴史を調べておくこと。
11.ヨーロッパの都市再生
 コペンハーゲン、バルセロナ、ロンドンなどを事例としてヨーロッパの都市における都市再生の取り組みについて理解する。
 準備学習:各都市の概要について調べておくこと。
12.都市のオープンスペース
 近年の都市再生の重要な要素であるオープンスペースの計画論と実践例について理解する。
 準備学習:ヤン・ゲール氏の屋外空間についての考え方を学習しておくこと。
13.これからの都市再生
 我が国都市のこれからの都市再生の重要課題について、その取り組み方を含めて考える。
 準備学習:これまでの授業内容を復習しておくこと。
14.学習成果の振り返り
 準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
毎回の授業に提出を求めるコメントシート、小テスト等の平常点及び学期末レポートにより評価する。平常点と学期末レポートの評価割合は、おおむね5:5とし、合計100点満点のうち60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。
授業の中で必要な資料を配布する。

<参考書>
指定参考書なし。

<オフィスアワー>
水曜日 13:00〜13:30 (新宿校舎A-2616)

<学生へのメッセージ>
この授業は、本年度のみ開講するものです。内容は「現代まちづくり論」を補完、深化するものであり、4年生の受講も推奨します。


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