2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

建築環境計画(Planning of Architectural Environment)[2B09]

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2単位
富樫 英介 准教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
快適で健康な居住環境をできるだけ少ないエネルギーで実現することは建築にとっての重要課題である。この授業では,この重要課題に対して適切な建築環境計画を行うために必要な環境工学的手法について講義を行う。
1/2年次に学習した基礎理論を応用させ、具体的な熱環境の問題について計算を行う技術を修得することを目的とする。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
・熱的な快適性の基礎理論を理解し、定量的な評価ができるようにする。
・壁体の熱流を題材に定常と非定常の概念を理解し、計算がてきるようにする。
・窓面からの日射熱取得や室内での発熱を理解する。
・暖房負荷、冷房負荷の概念、計算法を理解する。

<授業計画及び準備学習>
1. 講義の概要説明
   本講義で扱う項目、全体の流れの説明
2. 熱的快適性(1)
   快適性指標や室内温熱環境要素など、熱的快適性に関する1/2年次の復習を行った後、
   人体熱平衡モデルを示し、各要素について具体的な計算を行う。
   準備学習:教科書 第28章
3. 熱的快適性(2)
   人体熱平衡モデルの要素について具体的な計算を進め、
   PMVおよびPPDを算出できるようにする
   レポート課題1を提示
   準備学習:教科書 第28章
4. 熱的快適性(3)
   Excel VBAで関数を定義する方法を学ぶ。
   PMVの計算を題材にとり簡単な反復収束計算を行い、数値計算の基礎を知る。
   PMV/PPD計算関数を作成する。
   準備学習:教科書 第28章
5. 熱的快適性(4)
   人体と壁面の形態係数の計算法を学ぶ。
   具体的な建物室内において人間に対する平均放射温度を計算する方法を学ぶ。
   レポート課題2を提示
   準備学習:教科書 第28章
6. 壁体熱貫流(1)
   総合熱伝達率、材料物性、定常熱流計算に関して1/2年次の復習を行う
   準備学習:教科書 第24章
7. 壁体熱貫流(2)
   壁体内部の熱移動を微分方程式によって表現し、
   差分化して非定常な熱流を計算する方法を学ぶ。
   準備学習:教科書 第24章
8. 壁体熱貫流(3)
   差分化の時間間隔の違いが計算結果に与える影響を確認し、前進差分と後退差分の概念について知る。
   連立方程式の計算のための逆行列/帯行列について知る。
   レポート課題3を提示
   準備学習:教科書 第24章, 第27章
9. 日射(1)
   太陽高度/太陽方位角、直散分離など、1/2年次の復習を行う。
   傾斜面に入射する日射量の計算方法を学ぶ。
   準備学習:教科書 第6章
10. 日射(2)
   窓面から室内に入射する日射量について年間計算を行う。
   レポート課題4を提示
   準備学習:教科書 第6章
11. 室負荷計算(1)
   室温変動を微分方程式で表現し、差分化して室温変動を解く。
   四周をコンクリートに囲まれた窓なしの箱を解く。
   準備学習:教科書 第28章
12. 室負荷計算(2)
   窓を設け、窓面からの日射熱取得を考慮した計算に発展させる
   準備学習:教科書 第27章
13. 室負荷計算(3)
   熱的快適性モデルと連成させて室の快適性を評価する。
   最終レポート課題提示。
14. 最終レポート課題に関連する環境的な話題について紹介
15. 最終レポート課題講評

<成績評価方法>
授業の進行に合わせて4〜6回、レポートを課する。
レポート内容によって成績評価を行う。
最終課題は提出が必須であり、未提出の場合には不可となる。

<教科書>
準備学習用の資料は講義においてPDFで配布する

<参考書>
「シリーズ建築工学5 建築環境工学 −熱環境と空気環境−」 宇田川、秋元、近藤、長井(朝倉書店)
「最新建築環境工学」田中、武田、岩田、土屋、寺尾共著(井上書院)
「最新建築設備工学」田中、宇田川ほか共著(井上書院)

<オフィスアワー>
月曜日13:00-15:00
新宿校舎 24F 2418 富樫研究室


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