2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

微分積分II(Calculus II)[1H18]

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2単位
鈴木 敏行 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
多変数関数,特に2変数関数の微分積分について学習する.変数の数が増えると数式が複雑になり難しく感じるのは事実である.ただし,微分積分の考え方は1変数の場合と同様である.
この点を理解し,微分積分に対する広い視野を得ることを目指す.

<受講にあたっての前提条件>
1変数関数の微分積分の内容は既知として進める.
また,極座標や行列式などを用いるが,詳しいことは講義内で触れる.

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は以下のとおりである.

(1) 偏微分を理解し,計算ができる.
(2) 偏微分を用いて極値問題が解決できるようになる。
(3) 重積分を理解し,計算ができる.
(4) 重積分を用いて体積などの計算ができるようになる.

<授業計画及び準備学習>
第01回 微分法1:1変数の微分法の復習・2変数関数の偏微分計算
 2変数関数について簡単に紹介し,1変数関数の微分計算をおさらいしながら2変数関数の偏微分の計算を考える.
 
 【事前学習】
 基本的な1変数関数の微分計算ができるようにしておく.
第02回 微分法2:連続性・全微分と接平面の方程式
 2変数関数特有の極限の扱いにくさを紹介し,極限を理解する.
 それに基づき連続性の定義を行う.連続性がわかれば,偏微分の計算にとても有効な道具になる.
 また,接平面を考える.考えられる条件が全微分が決定できる条件である.
 
 【事前学習】
 (1変数関数の)接線の方程式の作り方を思い出しておく.
 極座標を使うので,授業では触れるが,事前に調べておくと理解が進む.
第03回 微分法3:合成関数の偏微分法とその応用
 f(r・cos(θ),r・sin(θ))をrやθで偏微分できるための方法を理解する.
 偏微分法の応用には不可欠なものである.
 
 【事前学習】
 積の微分法の証明法を事前に調べておくと理解が進む.
第04回 微分法4:テイラー展開
 1変数関数のと同じように,2変数関数のテイラー展開を実行する.係数に着目する.
 
 【事前学習】
 1変数関数のテイラー展開を調べておく.具体的な例も知っておくとよい.
第05回 微分法5:ヘッシアンと極値
 1変数関数の極大極小の判定法を振り返り,2変数関数の極大極小の判定法を紹介する.
 
 【事前学習】
 1変数関数の極大極小の判定法をおさらいしておく.2次偏導関数の計算ができるようにしておく.
第06回 微分法6:陰関数と条件付き極値
 陰関数定理を紹介する.
 この応用で,条件付き極値問題の扱い方を紹介する.
 例えば,x^2+y^2=1を満たす(x,y)で3x+4yの極値を考える方法を理解する.
 
 【事前学習】
 合成関数の微分法を思い出す.
第07回 微分法7:偏微分法のまとめ(テスト実施)
 中間試験として実施する.
第08回 積分法1:1変数の積分法の復習
 定積分が面積の計算ということを理解し,具体的な関数の積分公式をおさらいする.
 
 【事前学習】
 1変数関数の積分法について,基本的な公式をおさらいしておく.
第09回 積分法2:重積分と繰り返し積分
 重積分の定義を簡単に紹介し,体積の計算ということを理解する.
 重積分の世界では不定積分がないことにも注意する.
 
 【事前学習】
 1変数関数の定積分が計算できるようにしておく.
 定積分の定義を事前に調べておくと理解が進む.
第10回 積分法3:累次積分と積分順序の交換
 縦線図形と呼ばれる図形上での重積分の計算を理解し,できるようにする.
 その応用で、2回続けて積分する場合に,その順番を変更する方法を紹介する.
 
 【事前学習】
 直線・放物線・円などのグラフが描けるようにしておく.
 文字式の計算を間違えないように復習しておくこと.
第11回 積分法4:広義重積分
 1変数関数の積分で,広義積分をどう実行すればよいかを復習したうえで,広義重積分の計算ができるようにする.
 
 【事前学習】
 1変数関数の広義積分の計算ができるようにしておく.
第12回 積分法5:重積分の変数変換
 平行四辺形や極座標を積分領域とする場合の重積分の計算方法を扱う.
 
 【事前学習】
 極座標については思い出しておく.行列式を用いるので,計算できるようにしておく.
第13回 積分法6:重積分による体積や曲面積などの計算
 重積分を図形の計算に応用する。
 球の体積が(4/3)πR^3、球の表面積が4πR^2であることを計算で確かめる。
 
 【事前学習】
 縦線図形上の重積分や極座標変換を用いた重積分の計算方法をおさらいしておく.
第14回 積分法7:重積分のまとめ(テスト実施)
 期末試験として実施する.

講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.

適宜演習をはさみつつ授業を進行する予定だが,講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す(計12回予定).採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください.
レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.これまでの復習が次につながってくるので,事前学習以上に復習は重要である(事前学習が疎かになっていても,復習を十分にやればカバーできる).
1変数の微分積分とのつながりを意識して授業を進めていく.1変数の内容を復習した上で授業に臨むのがよいと思われる.

<成績評価方法>
試験2回分の点数(7割ほど)
レポート課題の解答状況(3割ほど)

<教科書>
指定教科書なし.プリントを配布する(授業前にプリントをKUPROTに掲載するので,目を通してほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.

<参考書>
授業内で適宜紹介する.

<オフィスアワー>
授業の前後で受け付ける(12階講師室).
念のためにメールアドレスを載せておく. fu41118@ns.kogakuin.ac.jp


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