2016年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

環境植栽学(Landscape Planting and Horticulture)[1E22]

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2単位
篠沢 健太 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
・建築、まちづくりに関わる植物を識別するための基礎知識を身につける
・身近な緑地に生息する植物への理解を深める
・自然環境の特徴を把握するために重要な種を理解する

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
・植物材料の特性を理解し、植栽計画、植栽技術の基礎を習得する

<授業計画及び準備学習>
■植物材料識別のための基礎知識
※各準備学習については、授業中に確認、解説する。

1.植物の分類
 身近な植物の分類方法について概観する。
 準備学習:身近な植物の葉と枝を採取・準備し、その特徴の手がかりがわかるように記録し授業に持参する。
2.植物の名称
 植物の名前のつけられ方を理解し、植物を覚えるきっかけとする。
 準備学習:身近な植物を一つ選び、その和名と学名を調べ、さらに「関連する」和名を5つ、学名を5つ調べ、図鑑でその特徴を把握する。
3.検索のための植物の形態的特徴
 植物を見分けるためのポイントとなる形態的な特徴を理解する。
 準備学習:身近な植物の標本と図鑑に記載されている情報を準備し、検索のための形態的特徴や専門用語について事前に見ておく。
4.植物材料データブックのつくり方
 植物材料データブックの作成の目的、意図を明確にし、その方法を理解する。
 準備学習:データブックに掲載する必要がある項目をチェックし、資料を揃える。
5.樹木のかたち
 樹木の形態的特徴を理解し、植物の樹形を見極められるようになると同時に、その描き方も学ぶ。
 準備学習:形態の異なる樹木3つについて、データシートを完成させ、その違いを整理する。
6.花と果実
 植物のもっとも大きな特徴である花と果実について、基礎知識を学ぶ。
 準備学習:形態の異なる花と果実をもつ樹木それぞれ3つについて、データシートを完成させ、その違いを整理する。
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■身近な緑地に生息する植物への理解
7.植物リスト
 私たちの身近に見られる植物二度のようなものがあるかを概観する。
 準備学習:身近な植物のリストに掲載された植物25種が生育している場所を示し、データブックに使用する写真を撮影する。
8.工学院大学新宿キャンパス+エステックビルの植栽、京王プラザホテルの庭
 新宿キャンパスから歩いていける範囲の西新宿地区でみられる植物について、その特徴を理解する。
 準備学習:新宿キャンパス周辺の植栽を訪れ、植栽を同定し、位置を記録して、植栽図作成の準備をする。
9.新宿御苑と明治神宮の森
 新宿御苑と明治神宮の造営の歴史を理解する。
 準備学習:新宿御苑と明治神宮の森の造営の歴史を比較し、特徴的な樹種についてデータシートを作成する。
10.植生遷移と潜在自然植生
 宮脇昭の「潜在自然植生」を用いた植栽手法を理解し、その優れた点と課題を考える。
 準備学習:「潜在自然植生」による植栽手法で用いられる樹種についてデータシートを作成する。

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■植栽の方法論「10m×10mに植栽するー植物材料パレットを作成する」
※以下の課題では、前週に課題を出し、週末までに課題提出、採点したものを授業で説明する。

11.住宅の庭、移植の方法
 個人住宅の庭における植栽方法、移植の方法等を理解する。
 準備学習:住宅の庭に用いるのに適すると思う樹種についてデータシートを作成する。
12.沿岸部の植栽・工場緑化
 沿岸部の工場緑化を例に、パタンを用いた大規模植栽について理解する
 準備学習:沿岸部や工場緑化に用いるのに適すると思う樹種についてデータシートを作成する。
13.雑木林の植栽・緑化、田んぼ脇の緑化
 雑木林を例に、植えるだけではなく「伐る」ことも含めた植栽方法について理解する。
 準備学習:雑木林や農地周辺の修景に用いるのに適すると思う樹種についてデータシートを作成する。
14.学習成果の振り返り
 準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
・植栽データブックの作成により採点する。最終回の提出を50点満点、2回の中間課題を20点満点(1回10点)、毎回の授業後に提出するコメントを30点満点(1回2〜5点)、で評価し、合計60点以上を合格とする。ただし3回以上欠席した学生は履修放棄とみなし成績評価を行わない。

<教科書>
岩崎哲也「ポケット図鑑 都市の樹木433」文一総合出版
それ以外に必要な資料はku-port上で配布する。

<参考書>
山本紀久「造園植栽術」彰国社
その他適宜授業中に紹介する。

<オフィスアワー>
毎週金曜日1100-1250の間、新宿校舎25F八王子共同研究室にて。

<学生へのメッセージ>
この授業は「面倒くさい」です。作業量が多いですし、フィールドに出てもらうこともあります。
ただ半年間授業に出席し、毎週の課題をこなした後に、あなたたちの手元にはその成果が残ります。
頑張った人は満足のいくものが、そうでない人はそれなりのものが…。
それが、将来各自が課題や仕事で使うことのできる「資産」となるように、
積極的に授業参加し、作業して、発言してください。


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