2016年度工学院大学 第1部情報通信工学科
複素関数論(Elementary Complex Function)[2A08]
2単位 立井 博子 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 複素関数の基本的な性質とその応用について知る。
- <受講にあたっての前提条件>
- 微分積分の基本的知識。
- <具体的な到達目標>
- 複素数を変数とする関数を考える事の意味について知り、実数を変数とする関数との類似点、相違点について
説明ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス
正則関数 2.複素数と極形式 複素数の表し方について解説する。 準備学習:直交座標、極座標について復習しておく。 3.正則関数-(1) 複素関数とは何か、極限、連続の概念について解説する。 準備学習:2変数関数の極限について復習しておく。 4.正則関数-(2) 正則とはどういう事か、微分可能との違いを比較し、解説する。 準備学習:実関数の微分可能性について復習しておく。 5.正則関数-(3) 指数関数、三角関数の定義と、正則性について、またコーシー・リーマンの関係式について解説する。 準備学習:実数関数の指数関数、三角関数について復習しておく。 6.正則関数-(4) 逆関数、多価関数について、具体的な例を用いて解説する。 準備学習:実数関数の対数関数について復習しておく。 7.中間試験 積分 8.複素積分 複素積分とは何か、その計算方法について具体的な例を用いて解説する。 準備学習:定積分、不定積分について復習しておく。 9.コーシーの積分定理 コーシーの積分定理とは何か、その意味するものは何か解説する。 準備学習:複素積分について、復習しておく。 10.コーシーの積分表示 コーシーの積分表示によって何が説明できるのかを解説する。 準備学習:コーシーの積分定理について復習しておく。 11.数列と級数 級数の収束、発散とは何か、収束半径とは何かを解説する。 準備学習:級数をシグマ、一般項を用いて表す事ができるようにしておく。 12.関数の展開 テーラー展開、ローラン展開とは何か、具体的な例を用いて解説する。 準備学習:実関数のテーラー展開、コーシーの積分表示について復習しておく。 13.孤立特異点 ローラン展開を用いて、孤立特異点の分類をし、その違いについて解説する。 準備学習:ローラン展開について復習しておく。 14.留数定理 留数定理とは何か、その意味するものは何かを解説し、実積分に応用させる。 準備学習:複素積分、留数について復習しておく。
毎回の講義内での提出課題を翌週の最初に返却し解説する。
- <成績評価方法>
- 毎回の講義内での確認問題30%。中間試験35%。期末試験35%。期末試験は定期試験期間中に実施する。
総合評価で50%以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし。毎回講義内容をプリントで配布する。
- <参考書>
- 指定参考書なし。
各自が自分に合ったものを見つけてほしい。 例えば「複素関数論の基礎」水本久夫著 培風館
- <オフィスアワー>
- 講義前後教場で。
- <学生へのメッセージ>
- 1変数関数の微積分について復習しておくこと。
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