2016年度工学院大学 第1部電気システム工学科

線形システム(Linear System)[2E15]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
向井 正和 准教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
線形システムを時間領域と周波数領域の両側面から眺めて,それらの性質や振る舞いを理解することが目的です.フーリエ解析やラプラス変換を習得し,線形システムの表現としてインパルス応答,伝達関数,周波数伝達関数,状態方程式などが理解できます.この講義は,システム制御や信号処理などの理解の大きな助けになります.

<受講にあたっての前提条件>
微分・積分ができること,三角関数,複素数の基礎を学んでいることが前提である.

<具体的な到達目標>
・線形システムに関する基礎的事項が説明できる
・たたみこみ積分が計算できる
・フーリエ解析ができる
・ラプラス変換ができる
・様々な表現の線形システムが導出できる

<授業計画及び準備学習>
1 信号とシステムの基礎(教科書§1.1, §1.2)
信号とシステムの基礎として, 基本的な正弦波信号と複素指数信号を習得する.

2 信号とシステムの基礎(教科書§1.2から§1.5)
単位ステップ信号, 単位インパルス信号を理解する.信号の分解, 操作を習得し, システムについて理解する.

3 線形時不変システム(教科書§2.1, §2.2)
インパルス信号による連続時間信号の表現を習得し, インパルス応答によるLTIシステムの特徴づけと, たたみこみ積分の意味を理解する.

4 線形時不変システム(教科書§2.3, §2.4)
たたみこみ積分の計算法を習得し, 線形時不変システムの性質を理解する.

5 フーリエ解析(教科書§3.1)
ベクトルの内積, 直交と対応させて信号空間における正規直交関数系を理解し, フーリエ級数の基本的考え方を習得する.

6 フーリエ解析(教科書§3.2)
フーリエ級数, 複素フーリエ級数を習得し, 周期信号をフーリエ級数展開できるようになる.

7 フーリエ解析(教科書§3.3)
フーリエ変換とフーリエ逆変換を理解し, 基本的な信号のフーリエ変換を計算できるようになる.

8 フーリエ解析(教科書§3.4)
フーリエ変換のさまざまな性質を理解する.

9 ラプラス変換(教科書§4.1から§4.5)
ラプラス変換, ラプラス逆変換を理解し,基本的な信号のラプラス変換を計算できるようになる.

10 ラプラス変換(教科書§4.5)
ラプラス変換のさまざまな性質を理解する.

11 信号のノルム・線形システムの表現(教科書§5.1から§5.4,教科書§6.1)
信号の大きさを定義するためにノルムという数学的概念を理解する.入出力を動的に関係づけるダイナミカルシステムとシステムの線形化の概念を理解する.

12 線形システムの表現(教科書§6.2)
様々なシステムに対する伝達関数の導出方法を習得する.また,伝達関数で表された要素の結合と信号の流れの様子を,ブロック線図により表す方法を習得する.

13 線形システムの表現(教科書§6.3, §6.4)
インパルス応答, ステップ応答, 伝達関数, 周波数伝達関数の間の関係を理解する.状態空間による線形システムの表現を習得する.

14 学習内容の振り返り

<成績評価方法>
2/3以上の出席が必須.
「定期試験期間中の試験」と「講義中に出題する小テスト」から,6:4の比率で評価する.
60点以上の者を合格とする.

<教科書>
足立修一,信号とダイナミカルシステム,コロナ社,1999

<参考書>
杉江,藤田,フィードバック制御入門,コロナ社,1999
足立修一,信号・システム理論の基礎,コロナ社,2014

<オフィスアワー>
日時:月曜日 12:00-13:00
場所:新宿キャンパス A-2216号室

<学生へのメッセージ>
この講義は,システムに関する科目・研究の基礎です.この基礎は今後の学習の強力な道具となります.


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.