2016年度工学院大学 第1部電気システム工学科
ベクトル電磁気学(Vector Analysis in Electromagnetism)[3K02]
2単位 福岡 豊 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 受講生は、電気磁気学の種々の項目を理解するだけでなく、ベクトルを用いた計算法を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 電気磁気学I、IIの内容を理解していることが望まれる。
- <具体的な到達目標>
- 知識に関する目標
1. ベクトルとスカラの演算法を身につけて、自由に計算できる。 2. 電界や磁界をベクトルで表現し、計算することができる。 3. クーロンの法則、ガウスの法則、ビオサバールの法則、アンペアの周回積分の法則を用いた計算ができる。 4. 電気と磁気の関係を理解し、電磁誘導や電磁界に関する計算ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 内容は以下の通りである。基本的に毎回、教科書に沿って説明するので、予習しておくこと。
1. ガイダンスおよびベクトルとスカラーの演算 講義内容や進め方について説明する。また、ベクトルとスカラーの表記法、ベクトルの内積・外積について復習する。 2. クーロンの法則と電界ベクトル(第1章、第2章) 点電荷の間に働く力をクーロンの法則を用いて計算する方法、さらに点電荷による電界を計算する方法を説明する。 3. ガウスの法則(第3章) 電荷、電界と電気力線の関係について解説する。 4. 電界と電位(第4章、第5章) 電界から電位を計算する方法を具体例を用いながら説明する。 5. 電位勾配とベクトルの発散(第6章、第10章) 電位の勾配から電界を計算する方法とガウスの発散定理について解説する。 6. 磁束密度(第14章) 電流によって誘導される磁界(誘磁界あるいは磁束密度)について解説する。 7. ビオサバールの法則(第15章) ビオサバールの法則について解説し、円形ループ状電流や直線状電流による誘磁界を計算する方法について説明する。 8. アンペアの周回積分の法則(第16章) アンペアの周回積分の法則について解説し、無限長ソレノイド内の誘磁界を求める方法などを説明する。 9. 電流に働く力(第17章) 2つの電流間に働く力やフレミングの左手の法則について説明する。 10. ベクトルの回転とストークスの定理(第18章) ベクトルの回転の概念を解説した後、ストークスの定理やその応用について説明する。 11. ファラデーの電磁誘導の法則(第19章) ファラデーの電磁誘導の法則を用いて鎖交磁束と起電力の関係を説明する。 12. 磁界に関するガウスの法則(第20章) 磁界に関するガウスの法則について説明し、スカラーポテンシャルやベクトルポテンシャルの概念について解説する。 13. 電磁誘導とインダクタンス(第23章) 自己誘導や相互誘導について解説し、簡単な計算問題を解く方法を説明する。 14. 学習内容の振り返り 1〜13の内容を振り返り、電磁気学およびベクトルの計算について理解を深める。
毎回の授業の後半に演習を行い、その日の講義内容を理解しているかチェックする。理解不足である場合には、教科書を用いて復習する。翌週の授業の冒頭で演習問題の解法を説明する。
- <成績評価方法>
- 試験(60%)と演習(40%)によって評価する。試験は学習内容に関する計算問題が中心である。到達目標を考慮してA+〜Fの6段階で評価してD以上の者を合格とする。
- <教科書>
- 長嶋秀世、伊藤 稔著、末松安晴監修、電磁気学ノート、サイエンス社
- <参考書>
- 山口昌一郎、基礎電磁気学、電気学会
- <オフィスアワー>
- 水曜 14:20〜14:50 講師室(1N-125)
火曜の昼休み 電気系実験室(5-305) 月曜 11:00〜12:00 新宿校舎A-2312
- <学生へのメッセージ>
- この授業は電気磁気学I、IIの内容を理解していることを前提とするので、これらの授業の内容は十分に復習すること。
- <備 考>
- 教科書は初回の授業から持ってくること。
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