2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

労働法規(Labor Law)[4Q01]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
山本 圭子 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
[労働法規」のねらいは、学生のアルバイトや仕事探しから、就職後の労働条件、退職に至るまでについて、ワークルールを学び、理解することにある。労働法規の基礎に加えて、近年の就業形態の多様化(派遣、パート、契約社員の増加)・労使関係の安定化・景気動向など雇用関係を取り巻く変化に際して、労働法規どのように発展、修正されてきたのか、などを理解することを達成目標としている。

<受講にあたっての前提条件>
労働法規に興味を持っていること。

<具体的な到達目標>
知識面では、(1)労働基準法の基礎が理解でき、労働契約、就業規則、労働時間、賃金、労働条件の終了に関する法律制度を理解すること、(2)労働組合法と労働関係調整法の基本原則が理解できること、応用的能力としては(3)パート、派遣、契約社員、高齢者、障害者に関する雇用政策の基礎が理解できること、スキル面では(4)労働関係における紛争解決制度に関する知識が身についていること。

<授業計画及び準備学習>
第1回 「ガイダンス」 労働法の学び方を理解する。
 準備学習:中学・高校で学習した労働基本権の復習をしておく。
第2回 「労働法規の意義」労働法規とは何か、その構造を理解する。
 準備学習:指定したテキストの労働法の歴史と意義を読み理解する。
第3回「就職活動と労働法」 就職活動を労働法規の視点から分析する。
 準備学習:テキストの就職活動に関する箇所を読み、理解する。
第4回「就業規則と職場のルール」 会社ではどのようなルールに基づいて働くのか、労働契約と就業規則について学ぶ。
 準備学習:テキストの就業規則に関する章を読み、とくに判例について理解する。
第5回 「賃金」 賃金、手当、ボーナス、退職金など賃金の支払いに関する法規を学ぶ。 
 準備学習:テキストの賃金に関する部分を読み、理解する。
第6回 「労働時間、休憩」 労働時間と休憩、時間外労働と割増賃金などを学ぶ。
 準備学習:テキストの労働時間に関する章を読み、理解する。
第7回 「休日・休暇」 休日、年次有給休暇等を学ぶ。
 準備学習:テキストの休日、休暇について読み、理解する。
第8回 「労働基本権」 労働基本権の保障と、不当労働行為制度について学ぶ。
 準備学習:テキストの労働組合法の箇所を読み、理解する。
第9回 「団体交渉・労働協約」 団体交渉の機能と労働協約の効力について学ぶ。
 準備学習:テキストの労働組合法の箇所のうち団体交渉、労働協約に関する判例について理解する。
第10回 「人事異動」 配転・出向・転籍について学ぶ。
 準備学習:テキストの人事異動に関する判例について理解する。
第11回 「労働契約の終了」 定年・退職・解雇・雇止めについて学ぶ。
 準備学習:テキストの労働契約の終了に関する箇所を読み、理解する。 
第12回 「多様な就業形態」 パート、派遣など多様な就業形態で働く労働者の保護について考える。
 準備学習:テキストのパートタイム労働法、労働者派遣法に関する箇所を読み、理解する。
第13回 「労働保険」雇用保険・労働者災害補償保険について学ぶ。
 準備学習:テキストの労働保険の箇所を読み、理解する。
第14回 全体の振り返り。レポートの発表、提出
 準備学習:レポートを作成し、概要の口頭発表の準備をする。
(なお、法改正の動向等に応じて上記授業計画を変更することがある)

<成績評価方法>
最終回に提出するレポートと、講義中に行うミニテスト・宿題の合算による100点評価で行う。配点の内訳は以下の通りである。
(1)レポートは80点満点(14回(7月28日)に提出)。
(2)講義中に行うミニテスト・宿題は4回実施を予定し、各5点として合算する。合算については20点を満点とし超えた分は切り捨てる。
(1)と(2)とを足して60点以上を合格とする。

<教科書>
角田邦重・山田省三編著『労働法解体新書(第4版)』(法律文化社、2015年)

<参考書>
菅野和夫『労働法第11版』(弘文堂、2016年) 労働法の基本書である。通読するようりは、辞書や辞典のような使い方が勧められる。
小畑史子・緒方桂子・竹内(奥野)寿『労働法』(有斐閣ストゥディアシリーズ。有斐閣、2013年) 事例が示され初学者でも読みやすい。
毛塚勝利・米津孝司・脇田滋『アクチュアル労働法』(法律文化社、2014年)参考書として勧められる。

<オフィスアワー>
授業の開始前、終了後に講師控室にて。

<学生へのメッセージ>
働くことに関するルールのあり方を共に考えていきたい。最新の統計資料、裁判例、立法動向などを紹介しながら、講義を進めて行く。受講生も、労働法に関する報道などに常に注意を向け関心をもって欲しい。講義で使うレジュメはkuportで事前配布する。各自プリントアウトして持参すること。


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.