2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

環境安全科学(Environment Safety Science)[6E04]

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2単位
中村 和史 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
現在の豊かな物質文明は様々な化学物質の利用により支えられている。それら化学物質は有益である一方で、過去の事例からも明らかなように、我々の生活環境あるいは自然環境等に様々な悪影響を及ぼす場合がある。今後、人類が持続的発展を遂げるには、それら化学物質の特性を十分に理解し、環境との共生を図りつつ、有効に利用する必要がある。そこで、本講では環境と安全に配慮した化学物質の利用のための基礎知識を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
本講の受講に際しては
 ・既習科目または並行履修科目等の条件はない。
 ・一般に言われる”環境問題”について知識あるいは興味があることが望ましい。

<具体的な到達目標>
今後の人類の持続的発展に向けて、環境との共生を前提とした科学技術の発展に寄与することができる技術者となるための基礎知識を習得することを目標とする。
具体的な目標は以下のとおり。
 ・化学物質と環境の関わりの理解  ・化学物質が生態系に及ぼす影響の理解 
 ・化学物質管理の必要性および方法の理解  ・環境安全に係る既存技術の理解
 ・グローバルな視野での環境安全対策の理解

<授業計画及び準備学習>
1. 環境安全科学とは
 ・本講義の目標や進め方を説明し、環境および環境問題の捉え方を解説する。
 ・準備学習:参考書等により自分なりの環境安全科学をイメージする。
2. 経済発展と環境問題(経済発展に伴う環境破壊)
 ・経済発展の歴史とそれに伴う環境問題を振り返り、循環型社会実現の具体策を探る。
 ・準備学習:参考書等により環境問題の歴史を振り返る。
3. 環境汚染と健康影響および生態系影響(公害)
 ・公害問題の発生からその対策までを解説する。
 ・準備学習:参考書等により公害問題を復習する。
4. 環境汚染と健康影響および生態系影響(廃棄物処理)
 ・廃棄物処理の現状を法規制に基づいて解説する。
 ・準備学習:参考書等により廃棄物の定義やその正しい処理方法等に関する知識を得る。
5. 環境汚染と健康影響および生態系影響(地球温暖化・環境ホルモン)
 ・地球温暖化メカニズムおよび環境ホルモン問題を解説する。
 ・準備学習:参考書等により地球温暖化や環境ホルモン問題に関する知識を得る。
6. 化学物質・廃棄物の安全な取り扱い(化学物質の危険性)
 ・化学物質の功罪を理解し、その中で化学物質の様々な危険性と法規制を解説する。
 ・準備学習:参考書等により化学物質の危険性に関する知識を得る。
7. 化学物質・廃棄物の安全な取り扱い(化学物質の毒性)
 ・化学物質が生態に及ぼす毒性とその発現に至るまでを解説する。
 ・準備学習:参考書等により化学物質の様々な有害性に関する知識を得る。
8. 化学物質・廃棄物の安全な取り扱い(化学物質・廃棄物の安全な取り扱い)
 ・化学物質管理の考え方や代表的な法規制を解説する。
 ・準備学習:参考書等により化学物質管理に関する知識を得る。
9. 持続可能な発展のための環境保全技術(環境保全技術と経済発展-1)
 ・経済発展に伴う国内外での環境保全推進の方向性を解説する。
 ・準備学習:参考書等により企業が取り組んでいる環境保全活動に関する知識を得る。
10.持続可能な発展のための環境保全技術(環境保全技術と経済発展-2)
 ・経済発展に伴う国内外での環境保全推進の方向性を解説する。
 ・準備学習:参考書等により企業が取り組んでいる環境保全活動に関する知識を得る。
11.持続可能な発展のための環境保全技術(環境保全技術の実際)
 ・循環型社会実現に向けた企業活動を踏まえた環境保全技術の現状を解説する。
 ・準備学習:参考書等により環境保全技術に関する知識を得る。
12.環境保全への環境管理の取り組み(環境関連法規の整理-1)
 ・経済発展に伴う環境保全への取組の変化とそれに伴う法規制の状況を解説する。
 ・準備学習:参考書等により環境保全に関する法規制を調査する。
13.環境保全への環境管理の取り組み(環境関連法規の整理-2)
 ・経済発展に伴う環境保全への取組の変化とそれに伴う法規制の状況を解説する。
 ・準備学習:参考書等により環境保全に関する法規制を調査する。
14.学習内容の振り返り

<成績評価方法>
■ 成績評価は定期試験による100点評価とし、60点以上を合格とする。
■ 定期試験の受験資格を、講義への出席率70%以上とする。

<教科書>
・教科書はなし。講義毎にプリントを配布する。
・予習復習には参考書だけでなくインターネット等の様々なメディアを活用すること。

<参考書>
・環境安全科学入門(玉浦ら著:講談社サイエンティフィク編)

<オフィスアワー>
・後期土曜 10:30〜11:00、12:50〜13:20(講師室)。
・メールでの質問や相談はいつでも可。
※e-mail: Kazufumi_nakamura@taiheiyo-c.co.jp および kazufumi.nak@almond.ocn.ne.jp

<学生へのメッセージ>
講義では、研究、進学、卒業論文、就職活動など様々な方面に役立つ内容を盛込みながら、民間企業の研究員として、皆さんの視野を広げるお手伝いをしたいと思います


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