2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科
○物理化学実験(Physical Chemistry Laboratory)[5E13]
2単位 赤松 憲樹 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 田中 理子 非常勤講師 菅原 康里 非常勤講師 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 化学では、物質の状態やその変化を知ることが重要である。しかし物質の状態や変化は目で見てすぐ分かるという訳にはいかない場合が多い。そこで、反応前後の状態から、どのような変化がおきたかを知ることが必要となる。
実験に現れる現象は、生の自然現象そのものではない。実験装置という人為的な枠に切り取られた自然の一断面である。そして実験結果のまとめには、人間の感覚や、分析および総合力が働いている。しかし、実験結果から得られる結論は、装置の性能や、操作方法、および結果の取り扱いによって左右されてはならない。できるだけ客観性が現れるように努力しなければならない。 物理化学実験では、これらの目に見えない状態やその変化を、外部から観測できる測定値によって把握する基本的な手法を学ぶ。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・四則演算,指数・対数の取り扱い,濃度の計算・換算などができること.
・化学基礎実験I,化学基礎実験II,物理化学I,物理化学演習Iを履修していること.
- <具体的な到達目標>
- ・外部から観察できる情報によって,内部の状態や変化を知るための基礎的な知識を習得できる.
・現象を物理化学的に解釈することができる. ・得られた実験データから描いたグラフを用いて必要な物理量を求めることができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 物理化学実験はいくつかのグループに班分けし,6テーマの実験を各班に分かれて実施する.
1.ガイダンス,実験講義 2.濃淡電池の起電力(AgNO3|Ag半電池とAgCl飽和溶液|Ag半電池を塩橋で連結し、起電力からAgClの溶解度を求める) 3.データの整理とレポート指導 4.異相平衡とギブスの相律(Sn-Bi合金の冷却曲線から状態図を作成しギブスの相律を検証する) 5.データの整理とレポート指導 6.液体の粘度(エタノール−水系における濃度と粘度の関係を求め、液体の微視的な構造について考察する) 7.データの整理とレポート指導 8.凝固点降下(ベンゼンにナフタリンを溶解し、その凝固点降下より分子量を決定する) 9.データの整理とレポート指導 10.中和熱(HClとNaOHとの中和熱を求める) 11.データの整理とレポート指導 12.定容条件における気体圧力と温度の関係(状態の概念と気体の状態方程式について理解する) 13.データの整理とレポート指導 14.学習内容の振り返り
<準備学習> ・必ず実験の前までにテキストを熟読し,前講義の内容を復習しておくこと. ・ノートには実験手順をフローチャートにまとめておくこと. ・使用する試薬,機器について調査しておくこと.
- <成績評価方法>
- 各実験のノート・レポート評価,受講態度を踏まえて評価する.60点以上に単位を認める.
- <教科書>
- 工学院大学 先進工学部 化学系学科 編 物理化学実験 (大学生協にて販売,初回授業から使用する)
- <参考書>
- 「アトキンス 物理化学(上)第8版」 東京化学同人 P.W.Atkins著 千原秀昭、中村亘男訳
- <オフィスアワー>
- 火曜日 17時30分〜18時30分 (7号館104号室)
- <学生へのメッセージ>
- ・全時間,無遅刻・無欠席が基本となるため,健康には十分留意すること.
・病欠などやむを得ない理由で欠席する場合は,必ず授業開始までに連絡すること.
- <備 考>
- ・授業計画に記した1〜7の内容は,先進工学部環境化学科科目「物理化学実験(1Q)」で履修することとなる.本科目は開講に先立ち,履修の注意点などを該当者に個別にアナウンスするので,注意すること.
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