2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

固体熱力学(Solid State Thermodynamics)[3E08]

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2単位
矢ケ崎 隆義 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
環境化学関連システム等を構築するのに必要不可欠とされる固体材料の性質を理解しようとするとき、熱力学はその基礎とする仮定が単純であることから有力な手段となる。本授業では、学生諸君に固体物質の基礎的な性質を理解してもらうために、基礎的な固体熱力学の概念を示すと共に、熱力学の諸量に原子論的な像を与えながら解説することに重点をおく。

<受講にあたっての前提条件>
○熱力学第1法則、第2法則を理解していること。
○熱力学に関わる単位系を理解し使うことが出来ること。

<具体的な到達目標>
(1)固体物質に関わる熱力学の基本法則を理解し、説明出来ること。
(2)多成分系の平衡を理解することを通して、簡単な平衡状態図を作成出来ること。
(3)平衡状態図の読み方を習得し、利用出来ること。
(4)固体の組織制御に関わる熱力学的知識を得て、それらを説明出来ること。
(5)新しい相の成長について、予測説明が出来ること。

<授業計画及び準備学習>
第1週 『ガイダンス』熱力学の基本法則について学ぶ。 演習問題1.
     準備学習:固体物質に関わる熱挙動について事前調査する。
第2週 固体物質の熱的性質と物理的性質とについて学ぶ。 演習問題2.
     事前学習:前回の復習をすると共に、熱力学の基本概念を事前調査する。
第3週 相平衡:一成分系相平衡について学ぶ。 演習問題3.
     事前学習:前回の復習をすると共に、水の三態について事前調査する。
第4週 相平衡:多成分系相平衡・不変反応について学ぶ。 演習問題4.
     事前学習:前回の復習をすると共に、平衡状態図について事前調査をする。
第5週 相変態:理想的な相変態について学ぶ。 演習問題5.
     事前学習:前回の復習をすると共に、指定演習問題を解く。
第6週 相変態:非平衡相変態について学ぶ。 演習問題6.
     事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。
第7週 相変化:均質核生成・不均質核生成について学ぶ。 演習問題7.
     事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。
第8週 相変化:新しい相の成長と相変化の運動学について学ぶ。 演習問題8.
     事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。
第9週 組織変化:組織変化:凝固・再結晶について学ぶ。 演習問題9.
     事前学習:前回の復習をすると共に、固体材料の結晶系について事前調査をする。
第10週 組織変化:固体の熱処理操作等を学ぶ。 演習問題10.
      事前学習:前回の復習をすると共に、熱処理に関わる技法を事前調査する。
第11週 組織変化:状態図の作成を通して、組織変化を総合的に学ぶ。 演習問題11.
      事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。 
第12週 拡散:体積拡散・表面拡散について学ぶ。 演習問題12.
      事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。
第13週 拡散:体積拡散の原子論的機構について学ぶ。 演習問題13.
      事前学習:前回の復習をすると共に、指定問題を解く。
第14週 学習成果の振り返り
      準備学習:前回までの総復習を行う。
第15週 学習成果の確認(定期試験)

<成績評価方法>
授業に出席することを成績評価の前提とする。毎週実施する確認テストとレポート提出(随時)、及び定期試験とで成績を評価する。その際、前者を20%、後者を80%として100点満点とし、60点以上の者に単位を認める。尚、定期試験は定期試験期間に実施する。

<教科書>
『材料の科学と工学〔1〕材料の微細構造、〔2〕金属材料の力学的性質』W.D.キャリスター著(培風館)尚、必要に応じてプリントを配布する。

<参考書>
指定参考書なし。授業の進展にあわせ、本学図書館に所蔵されている図書を中心にその都度紹介する。

<オフィスアワー>
水曜日 9:00〜10:55、17:30〜19:15(新宿キャンパスA−1974号室(エコシステム工学研究室))

<学生へのメッセージ>
物理化学系科目で既に教授された基本法則の復習をしてから授業にのぞまれる事を期待しています。是非、皆さんと使える熱力学を学びたいと考えています。

<備 考>
環境保全、省資源、省エネルギー、ものつくり等に関心のある学生諸君の聴講を歓迎する。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1021/


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