2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

粉粒体工学(Powder Technology)[2L04]

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2単位
並木 則和 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
本講義では,重点コア科目である流体の輸送現象と分離工学とも関連しており,機械的単位操作(重力分離,集塵,ろ過)の原理・特徴ならびに粉粒体の力学的特性を理解する。なお,本科目は,2年後期開講の「環境保全工学」とともに,「公害防止管理者」の資格試験の一部の計算問題の解法を網羅している。

<受講にあたっての前提条件>
「環境保全工学」および「流体の輸送現象」を履修していること。

<具体的な到達目標>
・粒度分布の概念を理解し,実際の粒径測定データから対数正規確率紙へのプロットができること。
・粒子の終末沈降速度および重力分離装置の操作条件に関する計算ができること。
・サイクロンおよび電気集塵機の操作条件に関する計算ができること。
・沈降濃縮装置の操作条件に関する計算ができること。
・ケークろ過理論を理解し,定圧ろ過装置の操作条件に関する計算ができること。
・粉粒体層の摩擦特性に関する計算ができること。
・粉粒体を充填した容器の静圧分布の特性を理解し,計算ができること。

<授業計画及び準備学習>
1.単位操作における本講義の位置づけ。分散系からの粒子分離の基本形態。分離の尺度の表し方
準備学習:環境保全工学の授業プリントに目を通して復習しておくこと。
2.粒径および粒径分布とその表し方
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
3.単一粒子の重力下での運動I−流体抵抗と終末沈降速度−
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
4.様々な力の場での粒子の運動(遠心力,静電気力,慣性力,拡散力などによる分離速度)
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
5.重力分離装置の原理(上昇流分離と水平流分離,力の場のみ用いた分離法のモデル)
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
6.各種集塵装置と性能推定法I−サイクロン,電気集塵装置慣性集塵機,エアフィルター,バグフィルター−
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること
7.中間総合演習
準備学習:1週〜7週の小テストの問題を再度解答してみること。
8.液中微粒子の分離装置I−沈降濃縮装置(高濃度の懸濁液での分離法)−
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
9.液中微粒子の分離装置II−遠心分離装置,液体サイクロン(遠心力のみを使用)−
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
10.液中微粒子の分離装置II−濾過装置(ケーク濾過理論,装置構造,濾材濾過との違い)−
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
11.粉粒体層の特性(摩擦特性,クーロンの式,内部摩擦角,安息角)
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
12.粉粒体層の特性U(粉粒体層の静力学,層内の応力状態)
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
13.粉粒体層の特性V(円筒容器および円錐容器内の静圧分布)
準備学習:小テストの問題を再度解答してみること。
14.学習の振り返り
準備学習:8週から13週までの小テストの問題を再度解答してみること。

<成績評価方法>
中間試験(50/184)と定期試験(100/184),小テスト(24/184),ノート点(10/184)の得点を総合して184点満点を100点満点に換算し,60点以上を合格とする。出席回数が半分に満たない場合には,中間試験および定期試験の受験資格を無効とし履修放棄と見なす。なお,「分離工学・粉粒体工学演習」で行う粉粒体工学部分の試験の点数も考慮する。
また,後期に公害防止管理者試験を受験し,合格した科目数に応じて成績を加点修正する。

<教科書>
「基礎化学工学」化学工学会編 培風館
また随時プリントを配付する。

<参考書>
「化学工学概論」水科篤郎・桐栄良三 産業図書
「解説化学工学」竹内雍ほか 培風館
「基礎粉体工学」日高重助・神谷秀博 日刊工業新聞社

<オフィスアワー>
火曜日 19:30〜20:00 新宿校舎 19階1975室
E-mail: nnamiki@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
ノートの提出を学期末に求める予定なので,常にノートを持参して日頃のノートづくりに心がけて下さい。就職活動の有利さからも,「公害防止管理者」の資格試験の受験を大いに推奨します。


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