2016年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

反応工学(Chemical Reaction Engineering)[2H13]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
岡田 文雄 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
化学反応は、有用な物質を合成したり、有害な物質を無害化したり、いろいろな目的で産業に利用されている。こうした化学反応は、フラスコの中で反応物質をただかき混ぜれば起こるわけではなく、例えば高分子合成では、品質が均一になるように混合を良くし、重合反応により生成した熱を速やかに除去する。この講義により、反応装置内で起きている現象を理解して、反応装置の設計や操作ができるようになる。

<受講にあたっての前提条件>
必須ではないが、「物理化学II」を受講していること。受講していない場合には、化学反応速度および化学平衡を勉強しておくこと。

<具体的な到達目標>
反応装置内で起きる化学反応を定量的に解析して、反応装置を設計、操作できるようにすることを目指す。

<授業計画及び準備学習>
1.化学反応装置の種類と設計:
 化学工業や生化学工業で用いられている各種の反応装置を知る。
 準備学習:教科書第1章の予習
2.反応現象の表しかた、反応速度式:
 化学反応の分類と反応現象の定式化を理解する。
 準備学習:物理化学IIの復習、教科書第2,3章の予習
3.反応速度と反応場:
 均一場と不均一場での反応速度の相違と反応パラメータを理解する。
 準備学習:教科書第4,5章の予習
4.反応を含む物質収支
 反応器の物質収支と濃度変化を理解する。
 準備学習:移動現象論の復習、教科書第6,7章の予習
5.流体の流れと反応器
 反応器内の反応流体の流れと反応器操作理解する。
 準備学習:移動現象論の復習、教科書第8章の予習
6.反応器設計−回分式反応器
 回分式反応器の設計方程式を導き、理解する。
 準備学習:微分積分学の復習、教科書第9章の予習
7.反応器設計−管型反応器
 管型反応器の設計方程式を導き、理解する。
 準備学習:微分積分学の復習、教科書第10章の予習
8.反応器設計−連続槽型反応器
 連続槽型反応器の設計方程式を導き、各種反応器を比較する。
 準備学習:教科書第11,12章の予習
9.中間試験
 8回までの内容に関して試験する。
 準備学習:8回までの理解
10.反応速度解析
 反応結果から反応速度式や反応パラメータを求める方法導き、理解する。
 準備学習:教科書第13章の予習
11.反応率と滞留時間
 各種反応器で得られる反応率は反応器内にいる時間に依存することを明らかにする。
 準備学習:微分積分学の復習、教科書第15章の予習
12.複合反応と反応器
 複数の反応が起こっている場合の反応率、選択性を導き、理解する。
 準備学習:教科書第14章の予習
13.反応と物質移動
 反応物の物質移動速度の影響を受ける、気固反応や気液反応の速度解析について導き、理解する。
 準備学習:教科書第17, 18章の予習
14.学習内容の振り返り

<成績評価方法>
講義の後半に行う小テストの成績を20%、中間試験を30%、定期試験を50%の重みとし、100点満点で60点以上であれば、合格とする。ただし5回以上講義を欠席した学生は履修放棄とみなし、成績評価は行わない。

<教科書>
「反応工学」草壁克己、増田隆夫、三共出版

<参考書>
「反応工学」小宮山宏、培風館
「(改訂版)反応工学」橋本健治、培風館

<オフィスアワー>
授業終了後の30分間、新宿校舎19階1918室にて質問等を受けつけます。

<学生へのメッセージ>
数学を使うところも多く大変かもしれませんが、反応工学は理解して使えるようになると、強力なツールになります。頑張ってください。


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.