2016年度工学院大学 第1部応用化学科
免疫化学(Immunochemistry)[4L31]
2単位 水島 純子 特任教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 体はなぜ腐らないのか?生きている間は免疫が働いているからである。免疫系は、身体を外敵から守るための最も大切な防御機構で、細菌、ウイルスなどの病原体を異物として認識し、これを壊し排除する。風邪、インフルエンザ,エイズなどの感染症ばかりでなく、臓器移植、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎、がん、などにおける問題点を正しく把握するためには免疫系に関する理解が不可欠で、その基礎を学習する。一方、免疫系の働きによって作られる抗体はきわめて特異性の高い分析用の試薬としても有用で、広く用いられている。これらのことをふまえて、抗体産生のしくみを中心に免疫系について概説する。アレルギーの治療方法についても最新の知見を交えて紹介する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校で学ぶ生物の基礎知識を習得しておくこと
- <具体的な到達目標>
- (1)液性免疫と細胞性免疫の違いと関連を理解すること。(2)抗体の構造について理解し、多様性、特異性が生じるしくみについて理解すること。(3) クローン選択説について理解すること。(4) アレルギーが起こる仕組みを理解すること。(5)エイズという病気について正しく理解すること。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.免疫とはなにか−自らを護るからだのしくみ
2.液性免疫と細胞性免疫との違い 3.液性免疫とはなにか−抗体とはなにか 授業内容についてレポートを課す。レポートは返却しないが、正解を次回に述べる。 4.抗体の種類と構造 5.抗体の機能−特異性と多様性について 授業内容についてレポートを課す。レポートは返却しないが、正解を次回に述べる。 6.抗体遺伝子と抗体の生合成−抗体の多様性を生み出す巧みなメカニズム 授業内容についてレポートを課す。レポートは返却しないが、正解を次回に述べる。 7.クローン選択説とは何か 8.花粉症などのアレルギーはどうして起こるのかー日本発の画期的治療法の登場 9.自己と非自己−外来進入物を見分ける方法 10.抗体を用いる分析−バイオ研究は抗体ぬきには語れない 11.臓器移植で拒絶反応が起こる仕組み−−万能細胞、再生医療とは何か 12.細胞性免疫とその役割 13.液性免疫と細胞性免疫との関連 14.まとめ 15.学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法>
- 定期試験とレポートで最終成績を評価、60点以上のものに単位を認める。試験の際には自筆ノートおよび配布資料の持ち込み可。(ノートのコピーと参考書は持ち込み不可)
定期試験9割レポート1割で評価を行う。
- <教科書>
- 指定教科書なし。講義資料を配付する。
- <参考書>
- 好きになる免疫学 萩原清文著 講談社サイエンティフィク
- <オフィスアワー>
- 前期木曜日 12時50分〜13時40分 新宿校舎 講師室A-1231にて、相談、質問を受け付けま
す。簡単な質問は授業後の教室でも受け付けます。 メールでの場合は、bt40488@ns.kogakuin.ac.jpで受け付けます。
- <学生へのメッセージ>
- 花粉症、アトピー性皮膚炎など身近な話題をとりあげ、わかりやすい授業を展開します。皆さんも、授業で学んだことについて、自分なりの問題意識をもってさらに深く勉強してみてください。今話題の万能細胞(iPS細胞)についてもとりあげ、この研究を推し進めることで何が変わるのか、について考えていきます。
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