2016年度工学院大学 第1部応用化学科

物理化学IV(Physical Chemistry IV)[3E07]

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2単位
高見 知秀 教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
原子・分子、特に有機分子の結合状態や構造を分光法や回折法で帰属して解析する手法を学び、そのしくみを量子化学に基づいて理解することを目標とする。さらに、これまでに修得した物理化学の基礎と応用問題をおさらいして、卒研や院試など次のステップに進むための知識を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
物理化学I、II、IIIを受講していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
(1)電子分光、赤外分光、ラマン、核磁気共鳴のスペクトルやX線回折パターンが帰属できるようになる。
(2)分光分析スペクトルや回折パターンがなぜ分子の結合状態や構造を反映しているのかを説明できる。
(3)これまでに修得した物理化学の応用問題が解けるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス(必要な数学)
2.光電子分光法とスペクトルの帰属解析I
3.光電子分光法とスペクトルの帰属解析II
4.光電子分光法とスペクトルの帰属解析III
5.赤外吸収・ラマンスペクトルの帰属解析I
6.赤外吸収・ラマンスペクトルの帰属解析II
7.赤外吸収・ラマンスペクトルの帰属解析III
8.いままでに学習したスペクトル帰属解析のまとめ
9.核磁気共鳴分光スペクトルの帰属解析I
10.核磁気共鳴分光スペクトルの帰属解析II
11.X線回折と回折パターンの帰属解析I
12.X線回折と回折パターンの帰属解析II
13.X線回折と回折パターンの帰属解析III
14.学習内容の振り返り

1〜13回において、これまでに学んできた物理化学のおさらいを、演習問題の解説を交えて行う。

<成績評価方法>
定期試験の点数に、各授業で行う演習問題の点数の合計点を30点に規格化した点数を加えた点を評点とする。100点を超えた場合には100点とする。60点以上のものに単位を認める。

<教科書>
マッカーリ・サイモン「物理化学 分子論的アプローチ(上)」東京化学同人 第13版 ISBN: 978-4-8079-0508-9
これまでに習った物理化学の修得を再確認するために、次に挙げる本の演習問題を授業内で解説するので
購入しておくことを推奨します。
齋藤勝裕・川俣純 共著「マンガ+要点整理+演習問題でわかる物理化学」 オーム社 ISBN:978-4-274-21162-1

<参考書>
アトキンス「物理化学(上)」第8版 東京化学同人 ISBN: 978-4-8079-0695-6
アトキンス「物理化学(下)」第8版 東京化学同人 ISBN: 978-4-8079-0696-3
カステラン「物理化学(上)」第3版 東京化学同人 ISBN: 978-4-8079-0259-8
カステラン「物理化学(下)」第3版 東京化学同人 ISBN: 978-4-8079-0260-1

<オフィスアワー>
火曜日12:50−13:40(八王子キャンパス4号館3階04-308号室)。メールで連絡・質問する場合は、ft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで。

<学生へのメッセージ>
分光分析は目に見えない分子の構造を明らかにできる非常に大切な技術であり、有機合成や生物工学の卒業研究でも不可欠なツールである。ただ、そのしくみを理解するには量子化学の知識が欠かせない。この講義で量子化学の考え方をきちんと学び、次のステップ(卒業研究や大学院)に進んでほしい。

<備 考>
教科書や参考書以外の資料(講義スライドなど)はKUPORTと学内ホームページ(http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/)からダウンロードできます。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/index.html


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