2016年度工学院大学 第1部応用化学科

公衆衛生学(Public Health)[2E31]

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2単位
上村  尚 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
学問の到達目標の一つに、我々の生活を良好にする事がある。とりわけ公衆衛生学は、人の健康維持そして増進との関わりが深く、現在の健康目標と将来に向けての重要な課題が多く含まれている。これらの問題の成因を理解し、その具体的な対策について考察する。

<受講にあたっての前提条件>
健康の増進に関して興味を有すること。
疾病や健康障害の予防およびその対策に興味を有すること。
食品事故や事件あるいは環境問題について興味を有すること。

<具体的な到達目標>
人口の動向、人における年齢階級ごとの健康の維持・管理を理解すること。
各種疾患の成因と予防、生活習慣病の予防等を理解すること。
地球環境の保全、環境と健康並びに食品と健康との関連を理解すること。
職業病の成因・予防を理解すること

<授業計画及び準備学習>
1. 公衆衛生学とは(概論)
   公衆衛生の歴史を知るとともに健康・予防・QOLの概念等について解説する。
   準備学習:プリントおよび参考書1〜5ページを熟読し、演習問題を考えておく。
2. 保健統計 人口の動向と年齢階級ごとの健康維持等
   年齢区分別将来人口推計や合計特殊出生率さらには平均寿命と平均余命等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書9〜31ページを熟読し、演習問題を考えておく。
3. 疫学研究および疾病予防
   疫学の意義および疫学的手法、並びにエビデンスに与える誤差やバイアスの調整について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書5〜6ページを熟読し、演習問題を考えておく。
4. 生活習慣病と健康管理
   生活習慣病の成因および関連疾病、並びにメタボリックシンドローム、がん対策等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書78〜79、102〜110ページを熟読し、演習問題を考えておく。
5. 母子保健と妊娠・出産・胎児並びに乳児・幼児の健康
   母子保健の意義、妊娠から出産、乳児幼児の健康と新生児マススクリーニング等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書57〜69ページを熟読し、演習問題を考えておく。
6. 学校保健と保健教育
   学校保健の意義と児童・生徒の健康および学校感染症や学校環境衛生について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書71〜81ページを熟読し、演習問題を考えておく。
7. 青少年の健康並びに薬物乱用防止
   健康増進法と日本人の喫煙および受動喫煙の影響、並びに薬物乱用問題等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書81〜90ページを熟読し、演習問題を考えておく。
8. 成人期・老年期の健康と健康障害
   成人期から老年期の健康およびがんと心身障害並びに職業病の要因等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書91〜134、193〜200ページを熟読し、演習問題を考えておく。
9. 地球規模の環境問題と大気汚染
   地球環境と温暖化現象、紫外線の健康影響、酸性雨等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書135〜142、157〜161ページを熟読し、演習問題を考えておく。
10、水環境
   水道法による水質基準、浄水の問題点、水中微生物および水質汚濁等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書142〜147ページを熟読し、演習問題を考えておく。
11.環境汚染物質の成因と環境汚染問題の変遷および廃棄物処理
   環境問題の解析法、四大公害病、環境基本法等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書149〜157ページを熟読し、演習問題を考えておく。
12.食物と健康@
   健全な食生活と食をめぐる生活環境の変化および微生物による食中毒について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書167〜186ページを熟読し、演習問題を考えておく。
13.食物と健康A
   自然毒による食中毒、放射能汚染食品と照射食品および遺伝子組換え食品等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書186〜191ページを熟読し、演習問題を考えておく。
14.化学物質の管理
   化学物質の生態系への影響と化学物質対策、化審法、POPs条約およびPRTR等について解説する。
   準備学習;プリントおよび参考書201〜208ページを熟読し、演習問題を考えておく。
   学習内容の振り返り;全授業についてのポイントを解説する。
15.学習成果の確認(試験)
   準備学習;前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
授業は、すべて出席することが成績評価の大前提であり、授業内容の確認演習問題を行い平常点を算出するとともに定期試験で評価する。これらの合計評価で到達目標に達したと認められる者を合格とする。成績は平常点と定期試験の割合を2:8で総合評価する。

<教科書>
指定教科書なし
毎回、プリントを使用するので、各自「電子教材」よりダウンロードし、印刷物を持参すること。

<参考書>
「学生のための現代公衆衛生」中村泉・野中浩一・苅田香苗・内山有子著(南山堂)

<オフィスアワー>
火曜日12時50分から13時(講義室)とメールで随時受付(kamimura@my-pharm.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
講義で使用するプリントについては、1週間前にはWebサイト(キューポート内「担当授業の電子教材」)に掲載するので、各自ダウンロード/プリントアウトし授業内容を前もって把握しておくこと。
授業中の質問は大歓迎であり、その日の授業内で大要を理解できるようにすることが望ましい。


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