2016年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△応用プログラミング演習(Applied Exercise in Programming)[5P03]
1単位 松本 宏行 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 科学技術計算のために統合されたソフトウェア環境であるMATLABやMathematicaを用いて,数値処理,2Dおよび3Dグラフィックス,サウンド処理,画像処理,プログラミングなどの技術を学生が習得することをねらいとしている。そして,様々な工学問題を対象として,学生が「エンジニアリングセンス」を身につけられるよう計画している。
- <受講にあたっての前提条件>
- コンピュータ関連機器(マウス、キーボード)などの基本的操作を
身につけていること。ネットワーク、データ処理およびプログラミングに関連する 基本的知識を修得していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- (1)数値計算や数式処理などを学ぶことにより
工学分野における「近似」の意味づけ,その重要性を知識として理解する。 (2)微分方程式をグラフィカルイメージとしてとらえ,初期条件の重要性,解を導き出すことの 本質的な意味を知識として理解する。 (3)行列,ベクトルなどを用いて,自身の手で計算を行うことができる。 (4)グラフィックス(2D,3D),アニメーションを自身の手で体験し理解する (5)サウンド処理および画像処理のポイントを理解する。 (6)最適化問題の枠組みを理解する。
- <授業計画及び準備学習>
- 授業全体の前半から中盤にかけてMATLABの演習を行い、後半はMathematicaの演習を行う。
授業時間内に行う練習問題、理解度確認のための演習問題(宿題の場合あり)を適宜組み込む。 次回(あるいは2週間後)の授業において課題解説を行う計画である。
1.[ガイダンス] MATLABの操作,行列やベクトルの取扱いについて 2.[関数] 関数定義について,グラフィックス作成,プログラミング/演習問題 3.[連立方程式] 線形連立方程式の解法,最小二乗法/演習問題 4.[固有値計算] 固有値計算について/演習問題 5.[非線形方程式] 二分法,ニュートン・ラフソン法/演習問題 6.[応用1] 非線形連立方程式について/演習問題 7.[数値積分] 台形公式についておよびそのほかの積分公式/演習問題 8.[常微分方程式] オイラー法,ルンゲクッタ法について/演習問題 9.[応用2] 演習問題 運動方程式を解く 10.[信号処理] DFTおよびFFTについて/演習問題 11.[数式処理] Mathematicaの初歩,数式処理,関数定義について 12.[グラフィック・サウンド] 2Dグラフ,3Dグラフ,アニメーション,サウンドについて 13. [応用3] 乱数の取り扱い モンテカルロシミュレーション 14.学習成果の振り返り 前回までのまとめおよび補足事項の解説
※理解度に応じて内容を調整する場合もある。
- <成績評価方法>
- 毎回の授業において操作説明,例題の解説,課題演習そして前回課題解説を行う。
授業時の課題演習60%,工学問題演習40%とし,60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 指定教科書なし
授業時に適宜資料を配布する場合あり。
- <参考書>
- MATLABについては下記の書籍をお勧めしたい。
青山 貴伸,藤本 一峰,森口 肇;最新 使える!MATLAB 第2版,講談社. 上坂 吉則;MATLABプログラミング入門,牧野書店.
Mathematicaについて下記の書籍をお勧めしたい。 (ただし,出版時期やVerの違いなどがあるので注意されたい。 出版時期古い順に並べている。)
榊原 進;はやわかりMathematica第3版,共立出版. 日本Mathematicaユーザ会;入門Mathematica,東京電機大学出版局. 川平 友規;レクチャーズオンMathematica,プレアデス出版.
- <オフィスアワー>
- 授業開始前および終了後に相談に応じる。
- <学生へのメッセージ>
- 工学の分野において,数学がどのように関わるのか、
そして,コンピュータがどのように工夫利用されているのかを 実践的に理解していきます。例えば,たった1行で2次元のグラフ,3次元のグラフが描画可能です。 工学問題を解きながらその問題のもつ奥深さ、面白さを体験してもらえればと思います。 「プログラム」と身構えずにぜひ気軽に演習しみてください。 所属ゼミ、卒業研究そして就職後などにも役立つ考え方を少しずつ,無理なく解説致します。
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