2016年度工学院大学 第1部機械システム工学科

応用解析学(Applied Analysis)[4L22]

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2単位
小林 富雄 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
工学の基礎的な法則は微分方程式で表現される。本講では、常微分方程式の復習から始め、偏微分方程式とその解法に必要な数学的手法を理解する。講義の大部分は、基本的でしかも広く現れる二階線形微分方程式(双曲型、放物型、楕円型)の初期値問題・境界値問題にあてられる。また、この解法に関連して、直交関数展開やフーリエ級数展開についても学ぶ。本講では解の存在や級数の収束性に関する詳細な議論は行わず、解を求めることや、その物理的意味に主眼を置く。

<受講にあたっての前提条件>
実数関数の微分、積分の初等的な知識を前提とする。
常微分方程式についても初歩的な知識は仮定する。
三角関数の知識を前提とする。
複素数の知識があると好ましいが、前提とはしない。

<具体的な到達目標>
物理法則が微分方程式で記述されることを理解する。
ラグランジュ偏微分方程式や全微分方程式を解けるようになる。
直交関数展開およびフーリエ級数展開を理解する。
簡単な場合の波動方程式・熱伝導方程式・ラプラス方程式を解けるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 序論と準備(常微分、偏微分、複素数)
2. 常微分方程式の例と解法
3. 理解度の確認(小テストと解説)
4. 偏微分方程式の例と分類
5. ラグランジュ偏微分方程式
6. 全微分方程式
7. 理解度の確認(小テストと解説)
8. 一次元波動方程式の初期値問題・境界値問題
9. 直交関数展開、フーリエ級数展開
10. 波動方程式(双曲型)のフーリエ級数による解法
11. 理解度の確認(小テストと解説)
12. 熱伝導方程式(放物型)のフーリエ級数による解法
13. ラプラス方程式(楕円型)の境界値問題
14. 偏微分方程式のまとめ
15. 学習成果の確認(期末試験)

<成績評価方法>
1)可能な限り頻繁に、それ以前の授業内容を題材に小テストを実施する。小テストの総合点を100点満点で評価し、A点とする。
2)期末試験は、100点満点で評価し、B点とする。
3)最終評価点Fは、F=A*(1-X)+B*Xである。Xは、X>0.5の範囲で総合的に決める全学生に共通の係数である。Fが60点以上を合格とする。

<教科書>
「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也(岩波書店,理工系数学のキーポイント・10)

<参考書>
必要に応じ、講義中に適宜紹介する。

<オフィスアワー>
質問等は、講義中およびその前後にお願いします。また電子メールでも対応します。

<学生へのメッセージ>
講義中わからないことがあれば、すぐ質問してください。単に講義を聴いているだけで、よく理解することは容易ではありません。自ら問題意識をもって、学ぶよう心がけてください。


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