2016年度工学院大学 第1部機械システム工学科
デジタル制御(k)[3L05]
2単位 桐山 善守 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- デジタル回路を介して操作することを念頭におき、現代制御理論の基礎を理解することを目標とする。具体的には、線形代数に基づく自動制御の概念を把握し、その上で、古典制御と現代制御の関連、状態フィードバック、オブザーバの概念を理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目を履修する前に、「工業力学及演習」による機械力学、「工業数学A」による微分方程式を習得し、さらに「制御工学I」による古典制御を理解しておく必要がある。本科目の修得後は、機械およびロボット制御に対する基礎的知識を獲得できる。
- <具体的な到達目標>
- ・アナログ制御とデジタル制御の違いを説明できる。
・システムの状態方程式を構築できる。 ・状態フィードバックによる固有値の変化を計算し、その安定性を評価できる。 ・可制御および可観測の判断に基づき、実システムのモデル化を通じてオブザーバを作成することで状態変数を推定できる。
(JABEE学習・教育到達目標) 「機械システム基礎工学プログラム」:D-2◎
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 古典制御と現代制御の対比、線形代数復習
準備学習:参考書付録、あるいは線形代数を復習する。 2. デジタル制御とアナログ制御の対比 準備学習:これまでに習得した電気・電子系科目の内容について復習する。 3. システムの状態方程式表現1(導出、ブロック線図、等価変換) 準備学習:参考書1.1節、あるいは制御工学の本で状態方程式に関する項目を予習する。 4. システムの状態方程式表現2(伝達関数との関係) 準備学習:参考書1.2&1.3節、あるいは制御工学の本で状態方程式に関する項目を予習する。 5. 可制御性の定義と基本定理 準備学習:参考書2.1節、あるいは制御工学の本で可制御性に関する項目を予習する。 6. 可制御正準形 準備学習:参考書2.5節、あるいは制御工学の本で可制御正準形に関する項目を予習する。 7. 可観測性の定義と基本定理 準備学習:参考書2.2節、あるいは制御工学の本で可観測性に関する項目を予習する。 8. 可観測正準形 準備学習:参考書2.5節、あるいは制御工学の本で可観測正準形に関する項目を予習する。 9. 可制御性と可観測性の双対性 準備学習:参考書2.3節、あるいは制御工学の本で双対性に関する項目を予習する。 10. 線形システムの安定性 準備学習:参考書3.1&3.2&3.3節、あるいは制御工学の本で線形システムの安定性に関する項目を予習する。 11. 状態フィードバック制御と極配置 準備学習:参考書4.1節、あるいは制御工学の本で状態フィードバックに関する項目を予習する。 12. 状態観測器の原理 準備学習:参考書4.3節、あるいは制御工学の本でオブザーバに関する項目を予習する。 13. 状態観測器を用いた状態フィードバック制御(練習問題) 準備学習:前回の講義で扱った例題をよく復習する。 14. 学習成果の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 成績評価は、定期試験 70%、レポートおよび授業時の課題30%とし、60点もしくはGrade D以上の者に単位を認める。「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育到達目標D-2は、上記の評価基準を満たせば達成される。
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- 田中幹也、石川昌明、浪花智英共著 「現代制御の基礎」 森北出版株式会社
- <オフィスアワー>
- ●月曜日12:40〜13:30 新宿キャンパス 高層棟A-1887室(生体計測制御研究室)。
●簡単な質問は、授業後に教室にて受け付ける。 ●あらかじめ予定がわかっている場合には、事前にE-mailで連絡をすることが望ましい(kiriyama@cc.kogakuin.ac.jp)。
- <学生へのメッセージ>
- この授業は、数学の知識(線形代数学と微分方程式論)を必要とすることと数学的なモデルを構築する能力が大切である。1、2年生までの学習および古典制御理論についてきちんと学んでおくことが重要である。
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