2016年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○工業数学A(Engineering Mathematics A)[3B06]
2単位 小寺 哲夫 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 工学の基本となる数学を、微分方程式と数値計算法の2つの観点から理解する.工学のさまざまな局面で現れる微分方程式は、時間とともに変動するシステムの分析に欠かすことのできない分析手法の一つである.その基礎と工学的問題への適用を具体例を用いて学ぶ.また、工学的問題の解析や、コンピュータでの演算に必要な数値計算法の基礎を学び、さらに演習問題を通じて実用・応用能力の習得を図る.
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目を履修する前に「数学I」,「数学II」,「数学演習I」,「数学演習II」を履修しておくこと.また、本科目の内容は、動きのあるものすべてに適用可能なので多くの専門科目の基礎になっている.
- <具体的な到達目標>
- 1.1階常微分方程式の基礎を習得し、実用・応用する能力を養う.
2.1階線形微分方程式の基礎を習得し、実用・応用する能力を養う. 3.計算機による数の表現とその限界(誤差)について理解する。 4.実験値など離散的なデータから、必要なデータを内外挿によって推測する方法を学ぶ。 5.解析的には積分できない関数やデータを数値的に積分する方法を理解し、実用・応用する能力を養う.
「機械システム基礎工学プログラム」:(C)◎
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週
微分方程式の工学的意義と授業の進め方ガイダンス及び微分の基礎・アンケート 準備学習:数学I、数学IIで学習した微分の復習 第2週 1階常微分方程式(変数分離形)・演習 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第3週 1階常微分方程式(その他)・演習 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第4週 1階常微分方程式(1階常微分方程式のまとめ、実応用例)・演習 準備学習:第2週と第3週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第5週 1階線形微分方程式(定数変化法)・演習 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第6週 1階線形微分方程式(その他)・演習 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第7週 1階線形微分方程式(1階線形微分方程式のまとめ、実応用例)・演習 準備学習:第5週と第6週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第8週 数値計算の工学的意義・コンピュータによる演算と誤差・中間アンケート 準備学習:教科書の序章と対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第9週 データ解析(データの内挿補間)・演習 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第10週 データ解析(その他)・演習:ガウス消去法 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第11週 データ解析(データ解析のまとめ、実応用例)・演習 特にガウス消去法部分ピボット選択 準備学習:第9週と第10週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第12週 数値計算(数値積分法の基礎)・演習:中点則、台形則、シンプソン則 準備学習:教科書の対応する節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第13週 数値計算(数値計算のまとめ、実応用例)・演習 準備学習:第12週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第14週 学習内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておくこと.
- <成績評価方法>
- 試験期間に授業内容すべてを範囲とする定期試験を実施する.毎回の演習点(50%程度)、定期試験(50%程度)で成績を総合的に評価し、合計で60点以上の者に単位を認める.「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育到達目標 (D)は、上記の評価基準を満たせば達成される.
- <教科書>
- 「すぐわかる微分方程式」石村園子著(東京図書)
「数値計算の基礎と応用 ― 数値解析学への入門 ―」杉浦 洋 著(サイエンス社) また、講義内容のプリントを適宜配布する.
- <参考書>
- 「計算力をつける微分方程式」藤田育嗣,間田潤著(内田老鶴圃)
- <オフィスアワー>
- 水曜の授業日の8時30分から9時00分の間、11時00分から11時30分の間、講師室にて.
- <学生へのメッセージ>
- 微分方程式および数値計算法は実際の工学問題を解決するための欠かせない手段です.微分方程式は、時間とともに変動するシステムの分析に欠かすことのできない分析手法の一つです.また、コンピュータの進歩に伴い、数値計算は様々な技術分野での応用が益々広がっています.授業と演習問題を通じて微分方程式と数値解法を理解しその応用能力を習得するよう頑張りましょう.
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