2016年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△化学実験(Experiments in Chemistry)[4307]
1単位 徳永 健 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 「予習」→「実験」→「実験結果の記録と整理」→「レポート作成」という一連の作業を通じて、化学実験の操作技術を身に付けるとともに、実験結果を化学的視野から洞察する能力を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・高校レベルの化学の基礎知識を有することが望ましいが、必須ではない。
・高校で化学を履修しなかった人は、学習支援センターの基礎講座を受講し、化学の知識を補うこと。 ・大学生協で販売されているA4実験ノート(オレンジ色の表紙)を購入し、実験の予習を必ず行うこと。 ・実験ノートへの記録用に、黒の油性ボールペン(指定はないが、後から消す機能がないものとする)を用意すること。 ・関数電卓を用意すること。指定はない。普通の電卓でも良いが、携帯電話などの電卓機能の使用は禁止する。
- <具体的な到達目標>
- ・基本的な化学実験器具を使用できる。
・安全と環境に配慮し、化学薬品を取り扱うことができる。 ・実験の予習を行い、実験結果をノートに取ることができる。 ・実験レポートを作成できる。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」:C-1 ◎
(習得後の展開) 本科目で修得した内容は、2年次の「化学I」「化学II」の履修に役立つほか、薬品を取り扱う様々な科目の履修や卒業研究において重要な役割を果たす。
- <授業計画及び準備学習>
- 実験は各個人で行う(「蒸留水の製造」のみグループ実験)。実験テーマの概要は、
【第2回: 炎色反応】 金属陽イオンの炎色反応を見る。 【第3−7回: 無機定性分析実験】 水溶液中の金属イオンの分離・検出を行う。 【第8回: 分子模型】 分子模型を作成し、分子の形を理解する。 【第9回: 無機合成実験】 硫酸銅の製造および精製を行う。 【第10, 11回: 定量分析実験】 食酢中の酢酸の濃度を決定する。 【第12回: 物理化学実験】 水の精製と、その純度を決定するための測定を行う。 【第13回: 高分子合成実験】 合成繊維ナイロン6,10の合成を行う。
各週のスケジュールは以下の予定。
1. 化学実験の説明(実験ガイダンス・全般的な注意)★ [学習内容] 実験内容、安全に関する注意、予習・レポートの書き方の説明を行う。 化学式および有効数字に関する練習問題を行う。 [準備学習] 化学式および有効数字について復習しておくこと。 2. 炎色反応(Na+, K+, Ca2+, Sr2+, Ba2+)● [学習内容] Na+, K+, Ca2+, Sr2+, Ba2+の炎色反応を見る。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 3. 無機陽イオンの反応(Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+)★ [学習内容] Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+の存在を確認するための化学反応を確認する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 4. 第I属陽イオン(Ag+, Pb2+)の系統的分析● [学習内容] Ag+, Pb2+の混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 5. 第III属陽イオン(Al3+, Fe3+)の系統的分析● [学習内容] Al3+, Fe3+の混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 6. 第I, III属陽イオンの混合試料の分析★ [学習内容] 第4, 5回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 7. 第I, III属陽イオンの未知試料の分析● [学習内容] 第4, 5回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 ただし、どのイオンが含まれているかは、各個人により異なる。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 8. レポート指導と分子模型● [学習内容] 【前半】これまでに提出されたレポートの総評を行う。 【後半】様々な分子の分子模型を作成し、分子の形を理解する。 [準備学習] 【前半】の予習は不要。【後半】については、テキストの該当箇所を熟読し、 実験ノートに予習を行うこと。 9. 硫酸銅の合成と精製★ [学習内容] 硫酸銅を合成し、再結晶法による精製を行う。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 10. アルカリ標準液の調製● [学習内容] 濃度の分かっている酸を用いて、アルカリ標準液の濃度を決定する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 11. 市販食酢中の酢酸の定量★ [学習内容] アルカリ標準液を用いて、市販食酢中の酢酸の濃度を決定する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 12. 蒸留水の製造★ [学習内容] 水道水を蒸留により精製し、比抵抗の測定によりその純度を決定する。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 13. ナイロン6 10の合成● [学習内容] 合成繊維ナイロン6 10の合成を行う。 [準備学習] テキストの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 14. 学習内容の振り返り [学習内容] 第2−13回の実験内容の総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 試験は行わない。予習、実験終了時に提出する課題(●印、7回)、実験レポート(★印、6回)で成績評価し、Grade D以上の者に単位を認める。点数配分は、予習20%、課題20%、レポート60%とする。課題・レポートの提出が無い場合は、不合格となる。
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標(C)(E)(F)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。
- <教科書>
- テキストはPDFファイルで配布する。<参考ホームページアドレス>に書かれている化学実験ホームページにアクセスし、化学実験テキストのPDFファイルを参照しながら、実験ノートに予習すること。初回の授業に関連する部分(「受講のための準備」)は、初回に講義室で配布する。第2回以降のページは、必要であれば、各自で印刷すること。
- <参考書>
- 以下の参考図書・参考DVDは、すべて図書館に置いてある。有効に活用すること。
●化学全般に関する教科書 ・「大学生の化学 Introduction」佐藤 光史 監修、2013年、培風館 ●化学全般に関する演習書 ・「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」佐藤 光史 監修、2015年、培風館 ●化学反応式や沈殿の色・形状 ・「−視覚でとらえる−フォトサイエンス化学図録(新課程改訂版)」数研出版編集部 編、2013年、数研出版 ●酸と塩基 ・「DVD教材 化学:未来をひらくサイエンス CHEMISTRYシリーズ 第10巻 酸と塩基」 ●実験レポートの書き方 ・「改訂 化学のレポートと論文の書き方」泉 美治 他監修、1999年、化学同人 ●安全について ・「実験を安全に行うために(第7版)」化学同人編集部 編、2006年、化学同人 ・「続 実験を安全に行うために(第3版)」化学同人編集部 編、2007年、化学同人
- <オフィスアワー>
- 前期は木曜13:00−15:00、後期は金曜11:00−13:00とする。教員の居室は八王子キャンパス(4号館3階306号室)。予約は不要だが、会議や出張で不在の可能性があるので、事前に連絡を取ることを推奨する。メールで連絡・質問する場合は、ft13309@ns.kogakuin.ac.jpまで。
- <学生へのメッセージ>
- 化学薬品や実験器具の取り扱い方を学ぶ化学実験は、工学において重要な基礎となるものである。実験操作やレポートの書き方を、確実に習得してほしい。また、色の変化や沈殿の生成など、化学変化の多様さに興味を持ちながら実験を行ってほしい。
- <備 考>
- ・2年生以上の再履修、2年生のリピート受講は認める。1年生の再履修・リピート受講は認めない。
・安全かつ手際良く実験を行うため、事前に実験ノートに予習を行うこと。テキストを見ながら実験を行うことは禁止する。 ・全回出席、無遅刻、全レポート提出が原則である。 ・予習を忘れた場合や、遅刻した場合は、実験を禁止する場合がある。
- <参考ホームページアドレス>
- 化学実験ホームページ: http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1077/index.html
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|