2016年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
△材料強度学(Advanced Strength of Materials)[5E02]
2単位 菱田 博俊 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 機械装置や部品の設計や使用に際して、様々な強度を念頭に置く必要がある。とりわけ、材料の不完全性が力学的特性に及ぼす影響は重要である。本講義では、疲労やクリープ等の代表的な破壊現象を理解し、材料の強度的特徴を抑えながら、適材適所に材料を配置し、材料を有効かつ安全に使いこなす知識を習得する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 機械工学科は「金属材料学」や「材料基礎工学」を、機械システム工学科は「材料の基礎」を受講している事が望ましい。
質点力学、剛体力学(ここまで工業力学)、材料力学、弾性力学の次の専門授業である。従って、これらを理解している事が望ましい。 並行して、統計学、信頼性工学を履修すると、相互効果で理解が深まると思われる。
- <具体的な到達目標>
- 1)材料が不完全であるがゆえの強度低下について理解する事。
2)SS曲線を解釈する事。 3)亀裂と切欠の入った場合の応力を計算する事。 4)疲労現象を理解し、SN線図を解釈し、Miner則とParis則を使った計算ができる事。 5)クリープ現象を理解し、破断曲線とマスター曲線を解釈できる事。 6)周囲の機械部品やシステム等について、その強度検討(議論)ができる事。
JABEE学習・教育目標「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎
- <授業計画及び準備学習>
- 第1日目のガイダンスでは、授業の進め方や単位修得方法等の重要な説明をするので、必ず出席されたい。万一欠席した場合には、必ず友人等に内容を確認しておく事。
各授業の後半に、次回までの予習用紙を配布するので、次の講義までにそれを埋めてくる事。(第1日目には提出する必要はない。)次の講義で答え合せをする。また、毎回冒頭で復習問題を解いて貰う。
1日目:ガイダンス、材料強度の考え方 2日目:ミクロな材料強度概論 3日目:金属の材料強度概論 4日目:非金属の材料強度概論 5日目:材料の取捨選択の考え方(ここまでの授業の総まとめ) 6日目;応力とひずみ 7日目:切欠と亀裂 8日目:疲労(1) 9日目:疲労(2) 10日目:クリープ 11日目:様々なグラフの読図(ここまでの授業の総まとめ) 12日目:その他の様々な破壊 13日目:統計的な材料強度の考え方 14日目:学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 最後に提出するレポートと、適宜授業中に実施する確認演習で原則評価するが、毎回の予習復習の演習内容を含めた総合評価とする事もある。レポートと確認演習の比率は40:60程度とするが、詳細な評価方法については初日に説明する。
60点以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- ・菱田博俊:わかりやすい材料学の基礎、成山堂書店.
なお、若干の補足資料を配布する予定である。
- <参考書>
- ・境田彰芳・他5名:材料強度学、コロナ社.
・砂田久吉:演習材料強度学入門、大河出版. ・日本材料学会:材料強度学. ・白鳥正樹・他3:数値破壊力学、実教.
- <オフィスアワー>
- 木曜15:30〜17:00、1714室または人間工学研究室関連各所にいる。メールによる問い合わせは随時受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 材料の変形や破壊に関する特性は、材料の使い方で大きく変化する。どんなに優れた材料でも、知識不足の為に使い方を誤ると、簡単に変形したり、破壊して事故の原因になる事がある。この講義を通じて、材料を安全、安心に使うための基礎知識を身に付けられたし。
なお、自分自身も材料からできています。壊れない様に! 大学院(機械工学専攻・システムデザイン専攻)の「機械材料シミュレーション特論」が関連科目。
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