2016年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
△数値材料力学(Numerical Method in Strength of Materials)[2E01]
2単位 何 建梅 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 一、二年次で皆さんが受けた材料力学関連の授業では、主に一次元の棒や梁などの応力と変形について学んだが、実際の機械や構造物の設計には2次元、3次元の場でより複雑な形状・荷重による応力・変形状態を把握する必要が生じる。そのため、本授業では材料力学から一歩進んで、2次元・3次元応力・変形場に関する弾性力学の基礎的な考え方と基礎方程式の構築方法について深く学習し、より実際のモノづくり設計に必要な専門基礎知識を身に付ける。具体的な講義内容は一般的なフックの法則、平面ひずみ・平面応力場への近似、有限要素解析の基礎となるエネルギー解法から構成され、皆さんは設計計算力学の元となる構造弾性力学理論の基礎知識について学習する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目を履修する前に、「数学I」、「数学II」による微分積分学、「材料力学及演習T」によるひずみ・応力の定義、さらに「工業力学及び演習I」、「工業力学及び演習II」による仕事とエネルギーに関する項目を習得しておく必要がある。本科目の習得と「CAD機械製図設計」の習得で、「CAD/CAM 演習」などの応用的な科目を履修することができる。
- <具体的な到達目標>
- エネルギーおよびデザインをキーワードに体系づけられた教育プログラムの中で、機械工学の基礎を中心に専門領域までの知識と方法論を習得できる。学生はこの科目を履修することによって、実際のものづくり設計に対する基盤知識が得られ、複雑な機械設計にあたって工学的観点から高度な評価能力に関する着想が豊かになる。
<JABEE学習教育到達目標> 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D-2 ◎
- <授業計画及び準備学習>
- <授業計画>
1.ガイダンス、材料力学基礎理論の習得度チェック 材料力学の知識を予習すること。
2. 二次元弾性理論における応力の定義及び演習 荷重による垂直応力、せん断応力の定義から説明する。前回の授業内容を復習すること。
3.二次元弾性論とエアリの応力関数と演習 エアリの応力関数を用いた古典的な二次元弾性論を紹介する。前回の授業内容を復習すること。
4. 二次元弾性理論におけるひずみの定義及び演習 垂直ひずみ、せん断ひずみの定義から説明する。材力のひずみ定義内容を復習すること。
5.変位・ひずみの適合条件式と演習 ひずみは連続な変位から導かれ、適合条件式を満たす必要があり、適合条件式の説明をする。前回の授業内容を復習すること。
6. 二次元弾性理論におけるひずみ・応力の関係式と釣り合いの式及び演習 フックの法則による構造物の応力・ひずみ関係、また応力を用いた微小部分の釣り合い式を講義する。前回の授業内容を復習すること。
7.中間テスト これまでの学習効果を確認する。
8. 仮想仕事の原理とエネルギー原理と演習 力の釣り合いの式と力の境界条件からなるエネルギー原理を講義する。前半の授業内容を復習すること。
9. エネルギー原理とエネルギー解法と演習 エネルギー原理とエネルギー解法の講義と演習を行う。
10. エネルギー原理からなる有限要素法の定式化と演習 近似解法の一種にコンピュータを用いる有限要素法が利用されているが、有限要素法はエネルギー原理から導かれることを示す。前回の授業内容を復習すること。
11. 一次元有限要素法の定式化と演習 一次元バー要素(棒の引張問題を考える)の定式化を説明する。前回の授業内容を復習すること。
12. 一般化した有限要素法の概要 二次元、三次元有限要素法の一般的な考え方を概説する。前回の授業内容を復習すること。
13. 一次連立方程式の解法と演習 コンピュータを用いた有限要素法の一次連立方程式の解法を講義する。前回の授業内容を復習すること。
14. 学習内容の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行うこと。
- <成績評価方法>
- 成績評価は、演習課題30%、中間テスト30%、期末試験40%とし、60点以上の者に単位を認める。「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育到達目標D-2は、上記の評価基準を満たせば達成される。
試験期間に試験を実施する。
- <教科書>
- 指定教科書なし。プリントを毎回配布する
- <参考書>
- 指定参考書なし。配布プリントを参考すること
- <オフィスアワー>
- 火曜日10:30〜11:00、新宿校舎A1718室
- <学生へのメッセージ>
- モノづくりの設計で有限要素法などを用いた構造強度および剛性のシミュレーション解析評価は重要であり、2次元或は3次元構造の弾性力学に関する基礎知識をよく学んでおくことで、実際の設計業務に確実に役立つ技術を身に付けることとなる。
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