2016年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

塑性加工学(Plastic Working of Metals)[1H01]

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2単位
久保木 功 教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
塑性加工は金属材料に強い外力を加えて永久変形させる加工法である。金属材料(工業材料の中でとくに使用割合が大きい)の素形材や最終形状部品の製造に欠かすことのできない加工法で、非常に多くの物が塑性加工によってつくられている。この講義では、金属材料の塑性変形と各種塑性加工の基礎知識を習得する。

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」 D:◎

(JABEEキーワード)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:塑性加工、曲げ、素材製造、弾性と塑性、眞応力と眞ひずみ、転位、降伏条件、トライボロジー、引張・圧縮・せん断応力とひずみ、応力解析(応力状態、応力成分)

<受講にあたっての前提条件>
本科目の履修前に、機械製作法、金属材料工学を履修しておくことが望ましい。本科目の習得後は精密加工法を習得することが望ましい。

<具体的な到達目標>
材料の各種加工方法の中で、塑性加工の位置付け、各種塑性加工法のメリット・デメリットが理解できている。機械やその部品の設計に当たり,どのような塑性加工法が好適か,塑性加工を容易にするにはどのような設計をしたらよいか等について判断できる。

<授業計画及び準備学習>
1.[塑性加工とはなにか?] ■塑性加工のはたらき ■どのようなところ、目的で使われているか?

2.[塑性加工に用いられる材料(1)] ■塑性変形機構 ■弾性と塑性

3.[塑性加工に用いられる材料(2)] ■転位の運動 ■応力とひずみ 

4.[塑性加工の基礎(1)] ■加工硬化 ■異方性

5.[塑性加工の基礎(2)] ■加工温度と塑性 ■加工速度と塑性

6.[塑性加工のトライボロジー] ■摩擦、摩耗、潤滑 ■工具、金型

7.[塑性加工の種類(1)] ■せん断加工 ■曲げ加工

8.[塑性加工の種類(2)] ■深絞り加工 ■張り出し加工 ■スピニング加工

9.[塑性加工の種類(3)] ■鍛造加工(熱間鍛造、温間鍛造)

10.[塑性加工の種類(4)] ■鍛造加工(冷間鍛造) ■転造

11.[塑性加工の種類(5)] ■圧延加工

12.[塑性加工の種類(6)] ■押出し加工 ■引抜き加工 

13.[加工と熱処理の組合せ] ■各種加工熱処理法

14.[学習内容の振り返り]これまでに学習した内容の復習

<成績評価方法>
課題・レポート20%、期末試験80%で評価し、その60%以上で単位を認める。
4回以上の欠席は不可とする。

<教科書>
川並高雄 他著『基礎塑性加工学(第2版)』 森北出版

<参考書>
尾崎龍夫 他著 『機械製作法1-鋳造・変形加工・溶接-』 朝倉書店

<オフィスアワー>
月曜日 14:30〜15:00. 新宿17階居室
それ以外でもメール(at13271@ns.kogakuin.ac.jp)で約束の上,対応可。

<学生へのメッセージ>
「身の回りのものが、どのようにつくられたのか?」を調べてみてください。塑性加工が関係しているものの多さに驚くはずです。それは、塑性加工が「ものづくり」にとって不可欠な加工法だからです。

<備 考>
「機械製作法」を履修していることが望ましい。


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