2016年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース

バイオメカニクス(Biomechanics)[4E01]

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2単位
橋本 成広 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
生体の構造・機能を理解するための材料学、血液流れの力学などの基礎を概観しながら、生体を機械工学的に理解する方法を学び、人工関節・人工心臓などの人工臓器、生体計測などへの工学技術の応用について考察する。

<受講にあたっての前提条件>
本科目を習得する前に、機械工学の基礎に関する科目を復習しておくこと。本科目で得られた知識は、広く工学関連分野の応用科目の修得に役立つ。

<具体的な到達目標>
(1)生体の変形・破壊を理解するための力学の概要を説明でき、人工臓器などの設計への応用に関して例を挙げて説明できる。
(2)血液流れを力学的に説明でき、人工心臓や人工血管の設計への応用に関して例を挙げて説明できる。
(3)生体における力のつり合い・運動などを機械力学的に説明でき、生体計測などの生体への工学技術の応用に関して例を挙げて説明できる。

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D(◎)

<授業計画及び準備学習>
1.生体の特徴・機械の特徴:学習計画全体のガイダンスにより、自主的に学習を進められるようにする。生体と機械とを比較し、生体に関連する工学分野を概観する。
2.単位と生体計測:単位や計測法・統計法について学び、心電図などの生体信号の計測への応用について考察する。準備学習:SI単位、統計学の基礎について学習しておくこと。
3.生体組織の変形:材料の力学的試験法について学び、生体組織変形の力学的特性について考察する。準備学習:材料力学について復習しておくこと。
4.生体組織の破壊:固体結晶や疲労破壊について学び、赤血球破壊や生体組織の破壊について考察する。準備学習:材料力学の基礎的事項を復習しておくこと。
5.流体の性質:流体と固体の違いや粘弾性について学び、血液の流動について考察する。準備学習:流れ学の復習をしておくこと。
6.流れの抵抗と流速分布:ハーゲン・ポアズイユ流やクエット流について学び、血液流れの抵抗、細胞に対する流れ刺激の影響について考察する。準備学習:流れ学の復習をしておくこと。
7.非定常流:拍動流、層流と乱流について学び、血液流れについて考察する。準備学習:流れ学の復習をしておくこと。
8.学習成果の確認(中間試験)。準備学習:前回までの総復習をしておくこと。
9.エネルギー:水素イオン濃度指数、エネルギー変換について学び、生体における熱について考察する。準備学習:工業熱力学の基礎的事項を復習しておくこと。
10.物質輸送:肺におけるガス交換、血液の浸透圧などについて学び、人工肺や血液透析について考察する。準備学習:工業熱力学の基礎的事項を復習しておくこと。
11.運動:力のつり合いや運動の記述について学び、関節に加わる力について考察する。準備学習:工業力学の基礎的事項を復習しておくこと。
12.潤滑・摩耗:摩擦・摩耗・潤滑について学び、血栓形成、人工関節や人工弁について考察する。
13.設計:設計図や表面粗さについて学び、人工心臓の設計および生体反応について考察する。準備学習:機械製図法・機械実習の基礎的事項を復習しておくこと。
14.学習内容の振り返り。

<成績評価方法>
授業の進行と並行した自筆自習レポート(40%)、中間試験(30%)、期末試験(30%)の割合で総合評価し、合計60点以上を合格とする。

<教科書>
生体機械工学入門:橋本成広著(コロナ社)

<参考書>
生体システム工学入門:橋本成広著(東京電機大学出版局)
生体計測工学入門:橋本成広著(コロナ社)
機械工学便覧β8生体工学(日本機械学会編)

<オフィスアワー>
八王子:水曜日5時間目:8号館3階305教員室
新宿:木曜日14:00-15:00:17階1715教員室
その他、授業の前後に教室か教員室で対応。
shashimoto@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
具体例に触れるだけでなく、「力学を中心とした工学を適用して生体の機能を理解する」ための工学基礎の確認を心がけて欲しい。

<参考ホームページアドレス>
http://www.mech.kogakuin.ac.jp/labs/bio/


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