2016年度工学院大学 第1部機械工学科

材料力学及演習I(Exercise of Strength of Materials I)[5G02]

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3単位
立野 昌義 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
“材料力学”とは,材料における力と変形との性質を明らかにし,それらを実際の機械や構造物の設計およびものづくりに応用するための学問と位置付けられる.これらを基礎にすることにより,考えられる多くの材料や構造物の力学的特性が予測でき,適切な設計やものづくりに繋げることができる.
 本講義では,材料を扱う際の基礎的な考え方を知り.さらに材料設計や技術や安全に関連した例題や演習問題に着手し,材料設計の基本的な考え方を身につける.

<受講にあたっての前提条件>
本科目を履修する前に, “工業力学及演習I,II”を履修し,力学の基礎になる考え方を習得しておくことが望ましい.本科目習得後には,“材料力学及演習II”により材料に関する力学的特性および強度の取り扱いを体系的に学習することができ,考えられる多くの機械とそれを構成する材料の応力とひずみ挙動が明らかになる.得られた知識は機械の設計および強度評価に応用することが可能になる.“機械設計総合演習”により,材料力学と実際の機械設計の関連を把握でき,デザイン能力の習得できる.

<具体的な到達目標>
材料を扱う際の基礎的な考え方(公称応力と公称ひずみおよび真応力と真ひずみ,熱応力,はりの曲げなど)を知り,それらを設計や技術の安全に関連した問題に応用することができるようになることを目的とする.設計に関連する例題や演習問題に着手し,材料設計の基本的な考え方を身につけ,技術士の一次試験に出題される材料力学の基本的問題を解けるようになることを到達目標にする.

<授業計画及び準備学習>
(JABEE学習目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎

(JABEEキーワード)
「機械工学プログラム」:引張・圧縮・せん断応力とひずみ(6.0),弾性と塑性(2.0),熱応力(2.0),衝撃応力(0.5),ねじり(3.0), 曲げ(17.0),真応力と真ひずみ(0.5),トラス・ラーメン(2.0),工業材料の性質と機能(1.0),材料試験法(1.0),技術と安全(1.0). 

1.材料力学とは何か?応力とひずみ
材料力学とは“どんな学問”で“何を学ぶ”のかについて述べる.機械や構造物にはどのような力が作用し,どのような変形を生ずるのか,応力やひずみ(引張・圧縮・せん断応力とひずみの関係ひずみの関係および真応力と真ひずみも含む)という概念とこれらの関係について学ぶ.単位についても解説を行う.

[準備学習]工業力学の復習をしておくこと。

2.棒の引張と圧縮
棒に引張力および圧縮力が作用する棒を取り扱い,棒に生ずる応力とひずみの算出方法を学ぶ.

[準備学習]工業力学の復習をしておくこと。

3.変断面棒の引張と圧縮
断面積が連続的に変化する棒に生ずる応力やひずみの算出方法を学ぶ.さらに平等強さの棒・棒の自重など応力が一様ではない棒の材料力学的な取り扱いを学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

4.熱応力
部材に応力が生ずる原因は外力だけではなく熱変形によるものがある.温度変化による物体の変形が拘束されると外力が加わる場合と同様に応力(熱応力)が生じる.熱応力の問題の取り扱い方を学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

5.衝撃応力
機械では,運動しているものが多いため短時間に急激に荷重が作用する場合の応力(衝撃応力)を考慮しなければならない場合も生じる.衝撃応力の取り扱い方を学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

6.はりの曲げモーメントとせん断力1
機械や構造物において重要な部材であるはりについて学ぶ.はりの問題を解く上で必要なせん断力,曲げモーメントについて学ぶ.せん断力,曲げモーメントの定義および片持ちばり,両端支持ばりに集中荷重・分布荷重が作用した場合のせん断力,曲げモーメントの算出方法を学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

7.はりの曲げモーメントとせん断力2
面積モーメント法などについて学び,応用問題に着手する.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

8.学習成果の確認
1〜7までに学んだ事柄に対する学習成果の確認を実施する.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

9.はりの曲げ応力
はりの曲げ応力を求める上で,重要な断面二次モーメントを様々な断面について求めるとともに,はりの単純曲げ状態における幾何学的関係から,曲げモーメントと曲げ応力との関係を学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

10.はりのせん断応力
曲げによって生じるせん断応力について学ぶ.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

11.はりのたわみ1
はりの微小部分が円弧状に変形するとして,幾何学的関係からはりのたわみの基本となる微分方程式を導く.そして片持ちばり,両端支持ばりの代表的な境界条件について具体的にたわみを導く.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

12.はりのたわみ2
重ね合わせの応用について学び,応用問題に着手する.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

13.はりの応用(平等強さのはり)
平等強さ, せん断中心,板ばねなどのはりの応用について学ぶ.
機械や構造物を設計をする上で重要となる技術と安全についてもふれる.
について学ぶ. 機械や構造物を設計をする上で重要となる技術と安全および技術者の倫理についてもふれる.

[準備学習] 教科書の該当する箇所を熟読し,関連する問題を解いておく。

14.学習内容の振り返り
前回までの授業の総復習を行う.

<成績評価方法>
授業に出席することが成績評価の前提となる.授業および演習時間内実施の確認テストや演習問題で平常点を算出するとともに,試験期間に授業内容および演習内容を範囲とする中間試験および学期末試験を実施する.演習課題を主体とする平常点,演習点,中間試験,および期末試験の評価割合は,1:4:5とする.A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする.

<教科書>
“基礎から学ぶ 材料力学”オーム社 ISBN 978-4-274-21446-2 立野昌義、後藤芳樹 編著 武沢英樹,田中克昌,小久保邦雄,瀬戸秀幸

<参考書>
参考書指定なし

<オフィスアワー>
金曜日16:40〜18:00八王子キャンパス8号館-302.それ以外の曜日も相談により対応可.
連絡先: at11831@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
材料力学は機械や構造物の強度設計に必須の学問です.実際の身の回りにある機械や構造物を設計するには材料の応力や変形する性質を良く理解しておく必要があります.与えられた演習以外にも自分で問題を解き、材料力学の考え方をこの機会にぜひ身につけてください.


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