機械製作法（Mechanical Technology）[5A01]

＜学位授与の方針＞

	1. 基礎知識の習得
◎	2. 専門分野知識の習得
	3. 汎用的問題解決技能
	4. 道徳的態度と社会性
	5. 創成能力

＜授業のねらい＞

各種機械やその部品を高精度かつ低コスト、短納期で製造するためには、設計、材料、加工の良否が重要になる。「ものつくり」の基礎となる主要な材料加工の原理と活用について述べ、機械部品製作における加工法選択の指針とする。材料加工法は切りくずを出すかどうかによって大きく二つに分けられる。本科目では切りくずを出さない熱処理、鋳造、塑性加工、接合などの非除去加工について理解する。機械部品の最終仕上げには切削・研削・研磨などの除去加工が施される場合も多いが、本加工法はその前段階というべき方法でもあり、また本加工法だけで最終製品として供される場合も多く、機械部品製作法としての応用範囲は大変広い。

（JABEE学習・教育到達目標）
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」　D：◎

（JABEEキーワード）
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」：鋳造法、塑性加工、素材製造、溶接/接合、粉末加工、金型、加工機械、工作機械、表面加工

＜受講にあたっての前提条件＞

本科目を習得する前に「機械実習」及び「加工工学概論」を習得しておくことが望ましい。本科目習得後は塑性加工学等により，より深く加工法について学ぶことができる。

＜具体的な到達目標＞

機械やその部品の設計に当たり，どのような加工法が好適であるか，加工を容易にするにはどのような設計をしたほうが良いかか等について判断できる。また製品の使用価値を高める価値分析が行える。

＜授業計画及び準備学習＞

１．［機械製作法で何を学ぶか？］■材料加工法の種類とそれらの特徴　■材料加工技術の周辺（見の回りの製品の作り方）

２．［材料の構造と機械的性質］　■材料のミクロ構造　■材料試験から得られる機械的性質　■機械的性質とミクロ構造の関係

３．[温度による材料組織の変化と機械的性質］　■鋼の変態と組織　■加工硬化、回復、再結晶　■高温における金属材料の機械的性質

４．[熱処理と表面改質(1)］　■鋼の熱処理

５．[熱処理と表面改質(2)］　■時効と析出　■各種表面処理　　

６．[鋳造(1)]　■金属の溶融と凝固　■鋳物材料（鋳鉄、鋳鋼、鋳物用非鉄合金）　■鋳造欠陥（偏析、気泡、凝固収縮など）

７．[鋳造(2)]　■鋳造の特質と作業の概要　■溶解方法　■砂型の構造　■模型の製作

８．[鋳造(3)]　■鋳型の製作と鋳造法　■各種鋳造法（シェルモールド、ロストワックス、遠心鋳造、ダイカスト、最近の鋳造法）とその特徴

９．[鋳造(4)]　■鋳造方案　■鋳物の設計と品質保証

１０．[塑性加工(1)]　■塑性加工の特質と分類　■塑性加工法各論１　−薄板成形−

１１．[塑性加工(2)]　■塑性加工法各論２　−バルク材成形、素材加工−　

１２．[溶接(1)]　■接合／複合加工の分類とそれぞれの特徴

１３．[溶接(2)]　■ガス溶接　■アーク溶接　■抵抗溶接　■溶接した製品の特徴

１４．［学習内容の振り返り］定期試験で解けなかった問題を中心にこれまで学習した内容の総復習

＜成績評価方法＞

課題20％、期末試験80％で評価し、Grade D以上のものに単位を認める．4回以上の欠席は不可とする。

＜教科書＞

尾崎龍夫　他著 『機械製作法１-鋳造・変形加工・溶接-』 朝倉書店

＜参考書＞

西谷、柳迫共著：「材料基礎工学」

＜オフィスアワー＞

金曜日　11：00〜11：30.　八王子８−２０４室．
それ以外でもメール（at13271@ns.kogakuin.ac.jp)で約束の上，対応可。

＜学生へのメッセージ＞

教科書、専用のノートをは必ず携行すること。ビデオ、プロジェクターはメモを取ること。

＜備 考＞

教科書で不足のところをビデオ、プロジェクターで補う。随時、演習課題の提出あり。