2016年度工学院大学 第1部機械工学科

線形代数学I(Linear Algebra I)[4A06]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
高木 悟 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
線形代数は微分積分と共に数学及び工学全般の基礎である。「線形代数学I」では高校とのつながりを重視しつつ、さらに発展的な内容を取り扱う。具体的には、ベクトルについてはその基本演算、行列については2行2列から始めて一般の行列まで、様々な行列の性質や基本演算を中心に取り扱い、逆行列までを扱う。また、多くの解をもつ方程式・解をもたない方程式など、様々な性質を持つ連立1次方程式の掃き出し法に基づく解法を学習し、特に多様な応用分野を持つ行列式について、余因子展開など基本的な性質を学ぶとともに、必要な計算力を養い、クラーメルの公式に代表される連立1次方程式との関係についても学習する。本科目の修得後は数学に限らず幅広い応用分野を学ぶことができる。

<受講にあたっての前提条件>
高校であらわれるベクトルの知識。具体的にはベクトルの和、差、実数倍(スカラー倍)、内積等その定義や意味する所および実際の計算。

<具体的な到達目標>
1. ベクトルの和・差・スカラー倍・内積・外積を計算することができる。
2. 行列に基本変形を施して標準形にし、階数を求めることができる。
3. 基本変形を利用して連立1次方程式を解くことができる。
4. 基本変形や余因子展開を利用して行列式を計算することができる。

<JABEE 学習・教育到達目標>
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: D-1 ◎

習得後は「線形代数学II」でさらに線形代数の知識を深めることができる.

<授業計画及び準備学習>
1. ベクトルの演算
  ベクトルの定義,ベクトルの和・差・スカラー倍について解説する。
  準備学習:高校で使用していた「数学II」教科書のベクトルの部分を熟読し、その練習問題を必ず解いておくこと。

2. ベクトルの内積と外積
  ベクトルの内積・外積について解説する。
  準備学習:前回学習したベクトルとその演算について復習し、関連する問題を解いておくこと。

3. 行列とその演算
  行列の定義,行列の和・差・スカラー倍・積について解説する。
  準備学習:前回学習したベクトルの内積と外積について復習し、関連する問題を解いておくこと。

4. 転置行列と逆行列
  転置行列と逆行列について、それらの定義と性質を解説する。
  準備学習:前回学習した行列とその演算について復習し、関連する問題を解いておくこと。

5. 行列の基本変形と階数
  行列の基本変形について解説し、それによって得られる階数について説明する。
  準備学習:前回学習した転置行列と逆行列について復習し、関連する問題を解いておくこと。

6. 逆行列の計算
  基本変形を用いて逆行列を求める方法を解説する。
  準備学習:前回学習した基本変形と階数について復習し、関連する問題を解いておくこと。

7. 行列の総復習
  準備学習:今までに授業で扱った問題のうち、解けなかった問題の解き方を授業プリントで確認すること。

8. 連立1次方程式
  連立1次方程式と行列との関係について解説する。
  準備学習:行列の定義と演算を復習しておくこと.

9. 掃き出し法
 行の基本変形を用いて連立1次方程式を解く掃き出し法について解説する。
 準備学習:行の基本変形について復習し、さらに前回学習した連立1次方程式と行列との関係についても復習し、関連する問題を解いておくこと。

10. 置換と行列式
  置換と,行列式の置換による定義を解説する。
  準備学習:前回学習した掃き出し法について復習し、関連する問題を解いておくこと。

11. 行列式の性質
  行列式の性質について解説する。
  準備学習:前回学習した置換と行列式の定義について復習し、関連する問題を解いておくこと。

12. 行列式の余因子展開
  行列式を余因子展開して計算する方法を解説する。
  準備学習:前回学習した行列式の性質について復習し、関連する問題を解いておくこと。

13. クラーメルの公式
  クラーメルの公式により連立1次方程式を解く方法を解説する。
  準備学習:前回学習した行列式の余因子展開による計算方法を復習し、関連する問題を解いておくこと。

14. 学習内容の振り返り
  準備学習:期末試験で解けなかった問題の解き方を考えておくこと。

<成績評価方法>
試験期間に実施する期末試験100%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。
ただし、2014年度以前入学者については、試験期間に実施する期末試験(1000点満点)の得点が60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし.
プリントを配布する.

<参考書>
高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館
三宅敏恒「入門 線形代数」培風館
大枝和浩「数学基礎プラスγ(線形代数学編)2016」早稲田大学出版部
高木悟 他「理工系のための線形代数」培風館 (2016年6月発行予定)

<オフィスアワー>
水曜日 10:00-11:00 八王子キャンパス 1号館 1E-314 (数学研究室)

<学生へのメッセージ>
毎回の準備学習をしっかりやりましょう.
分からないところがあればどんどん質問してください.
学習支援センターも活用しましょう.

<参考ホームページアドレス>
http://home.att.ne.jp/air/satorut/lec/index.html


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.