2016年度工学院大学 第1部機械工学科

機械実験及演習(Basic Experiments on Mechanical Engineering)[2G04]

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2単位
田中 淳弥 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
小林 潤 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
菱田 博俊 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
山本 崇史 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
後藤 芳樹 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
橋本 成広 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
この授業では,実験を通じて,物事を論理的に考察し,理論に裏付けされた実験手法,技術的な検討が行えるようになることを目標とする.技術者にとって実験は実験装置を決められた方法で動かせるようになることを求められているわけではない.この講義を通じて技術者として要求される論理的な思考と,実験を計画的に遂行するマネージメント能力,レポートを期日までに提出する責任感を身につけることをねらいとしている.

<受講にあたっての前提条件>
数学,物理などの基礎科目および機械工学基礎演習,工業力学及演習などの演習科目の修得が前提となる.

<具体的な到達目標>
1. 実験内容をまとめて実験レポートを書くことができる.
2. 実験結果を図表にまとめることができる.
3. 問題解決にあたってグループ内で議論し,意見をまとめることができる.
4. 明確な解答のない課題に対して多角的にアプローチし課題解決に当たることができる.
5. 実験内容を学術的に理解することができる.
6. 実験目的を理解し,適切な実験を行うことができる.

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」 : (C)◎ (D)○ (E)◎

<授業計画及び準備学習>
機械工学の基礎的なテーマについて以下の実験とレポート演習を行う.レポート演習では,レポートの書き方などを個別に指導し,コミュニケーション能力や機械工学の知識を応用する能力を養う.

(1) ガイダンス,レポートの書き方の解説(科目幹事教員)
本授業の受講方法について説明する.またレポートの書き方について解説し,課題を与える.

(2) レポートおよびグラフの書き方の演習(全教員)
ダンパー開度を変えて実験した管路内の流速のデータを与え,計算式より空気流量を求める.また,数値の取り扱いと単位,どのようなグラフにすれば相手に伝わりやすいか,どのような現象が読み取れるかをレポートにまとめる.

(3) 炭素鋼の引張試験(後藤)
材料試験法の一つである引張試験により材料の強度と許容応力の関係を調べる.炭素鋼の真応力と真ひずみ線図を得ることで材料の弾性と塑性を理解する.

(4) 一次元非定常伝熱(小林(潤)) 
材料内温度の経時変化を実測しさらに簡単な数値計算を行うことで,非定常熱伝導の基本を理解する.

(5) 火花点火機関の構造と基本性能(田中(淳))
内燃機関の一つである火花点火機関の分解・組立てを通して,エネルギーを変換する機構を理解する.

(6) 鋼の組織と機械的性質(菱田)
代表的な工業材料である炭素鋼のFe-C平衡状態図と組織との関連を観察し,硬さ測定から組織の性質について理解する.

(7) ひずみゲージ法による機械材料の弾性係数とポアソン比の計測実験(山本)
ひずみゲージを用いて材料の引張応力とひずみを測定し,最小二乗法を用いて弾性係数とポアソン比を同定する.

(8) 生体医工学実験(橋本)
生体医工学,バイオメカニクスに関連する実験技術を学ぶ.

(9)〜(11) エンジニアリングデザイン課題(全教員)
明確な解を持たない実験課題(デザイン型課題)に対して最適と考えられる手法をグループで考え提案する.

(12)〜(13)レポート演習
実験レポートの点検確認をするとともに内容について質疑する.また,レポートの不備についてフィードバックする.

(14)学習内容の振り返り
前回までの総復習を行う

<成績評価方法>
全課題のレポートが提出されている場合のみ,以下項目に基づき成績評価の対象とする.

(C)コミュニケーション(報告書等)能力を身につけた技術者の育成

(D)エネルギーおよびデザインをキーワードに体系づけられた機械工学の知識と方法論を身につけた技術者の育成

(E)機械工学を応用した問題解決能力およびエンジニアリング・デザイン能力を身につけた技術者の育成の各評価項目においてそれぞれ60%以上の評価を得た者を合格とする.

総合評価は(C)コミュニケーション30%,(D)機械工学の知識40%,(E)エンジニアリング・デザイン能力30%の配分で評価を行い,A+からFの6段階評価でD以上を合格とする.

<教科書>
実験テキスト「機械実験及演習」

<参考書>
なし

<オフィスアワー>
山本:火曜日 12:30〜13:10 (八王子校舎12号館103室,at13358@ns.kogakuin.ac.jp)
ただし,メールでの質問などは随時受け付ける.

<学生へのメッセージ>
機械工学では実験によって様々なことを検証するが,この講義では機械実験の基礎について,実際に実験・演習を通じて習得することを目的としている.あわせて,実験の難しさや面白さも経験していただきたい.


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