2015年度工学院大学 教職課程科目

教育工学(Educational Technology)[9541]

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2単位
豊福 晋平 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
今日の学校教育では、情報社会を生きる児童・生徒が必要な資質(情報活用能力)を身に付けることが求められている。あわせて、学習に新しい情報手段を活用することによって、多様かつ高度な教育効果が期待されており、指導する側もこれら時代の要請に応じた資質能力を高める必要がある。
教育工学には2つの意義がある。一つは工学の科学的合理的手法を教育に適用すること。もう一つは技術の潜在的可能性をもって教育の前提条件を覆し、教育に革新をもたらすことである。古くは学校制度・授業技法の研究に始まったが、現代では広く技術・メディアと教育との接点が議論されている。本講では、教育工学的アプローチへの理解を深めるとともに、いくつかのトピックについて実際に課題に取り組み、その意義や問題点について検討していく。

<受講にあたっての前提条件>
受講の前提条件は特に設定しない。講義内ではノートPCやスマートフォンを用いて個別にインターネットアクセスを要する場面があり、レポート提出作業等にはPCを用いるので、適宜学習に必要な情報環境を整えることが望ましい。

<具体的な到達目標>
達成目標としては次の3点をあげる。
1)教育工学の歴史的背景・主要領域の知見・課題について系統的に理解できること
2)メディアリテラシーの観点から、教育とメディアとの関わりについて考察できること
3)教育情報化の課題を概括し、特に情報機器及び教材の活用に必要な要件を提案できること

<授業計画及び準備学習>
#1[ガイダンス・教育工学とは何か]
 教育工学の目的と意義について、歴史的な背景から解説する
 準備学習:高校までに履修した情報教育、あるいは一般教科学習でコンピュータ・ネットワークを用いた学習経験について簡単にまとめておくこと

#2[教育のシステム観]
 教育工学がフォーカスする適用範囲と規模
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

#3[授業設計]
 授業過程設計の基本的プロセスと技法
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

#4[授業評価]
 授業改善のための評価・観察技法
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

#5[学校建築]
 校舎建築の課題・要件と最近のトレンド
 準備学習:国内外の校舎建築事例を収集し、最近の動向を整理する

#6[情報社会と教育]
 急速な技術革新と社会変化を前提とした教育のありかた
 準備学習:文部科学省「情報化への対応」の文献を参照要約する

#7[メディアリテラシー概論]
 メディアリテラシーの背景と理論
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

#8[映像メディアの分析]
 メディアリテラシーに基づくテレビCMの分析考察
 準備学習:講義で扱う分析シートをもとに、テレビCMの分析を行う

#9[ICTを活用した学び1(効果的な知識伝達・習得)]
 一斉授業での展開を前提とした視聴覚教材提示、ドリル学習
 予備学習:ドリル型教材の作成課題に取り組む

#10[ICTを活用した学び2(課題解決と知的創造)]
 21世紀型スキルと問題解決学習
 予備学習:講義で扱った重要な用語・概念について確認・考察を行う

#11[ICTを活用した学び3(プログラミング学習)]
 教員多忙解消のための校務情報化と学校評価プロセスの技法
 予備学習:プログラミング課題について取り組む

#12[学校広報]
 学校広報の歴史的成立背景と理論
 準備学習:マスメディアでの学校関連の報道についてまとめる

#13[学校サイトの比較評価]
 学校サイトの内容分析と改善点の考察
 準備学習:抽出した比較対象サイトの評価を行いチェック表を完成させる

#14[学校サイトの運用と課題]
 学校サイト運用上の課題と解決方法
 準備学習:サイト運用上の課題点を集約し、提示された観点に基づき考察を行う

#15 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
試験結果30%・講義期間中の提出物・発表70%をもって評価し60点以上を合格とする。いずれも評価ポイントは体裁準拠・論理性・卓越性の3つ。なお、5回以上欠席した場合は履修放棄とみなし成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
講義中に適宜指示する。
「メディア・リテラシー」菅谷明子著(岩波新書)
「教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する」クリステンセン著(翔泳社)
「授業設計マニュアル―教師のためのインストラクショナルデザイン」稲垣忠・鈴木克明著(北大路書房)
 学習指導要領・情報化への対応(文部科学省)

<オフィスアワー>
火曜日5限目講義終了後20分、新宿キャンパス12階講師室にて。メールでも対応可。

<備 考>
講義トピックについては入れ替えが生じる可能性があるので留意のこと

<参考ホームページアドレス>
http://www.i-learn.jp/


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