2015年度工学院大学 教職課程科目

現代教職論(Study on Modern Teaching Profession)[9022]

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2単位
安部 芳絵 准教授  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
この授業は、いわば、教職の入門的な科目である。この授業のテーマは、「教師というしごと」についてその意義と役割への理解を深めると共に、自らの適性を見つめ、これから先の教職課程で何をどう学ぶのかを履修学生が考えることである。具体的な到達目標は、履修学生が@教職の意義及び教員の役割について理解すること、A研修や含む及び身分保障等、教員の職務内容を学ぶこと、B@Aを通して、自らの進路選択の参考とすることができることである。

<受講にあたっての前提条件>
教職課程を履修していること、または履修しようとしていること。

<具体的な到達目標>
わたしたちは、これまでの学校体験・教師体験を土台として、教師について何らかの考え・想いを抱いている。それぞれの抱く教師像は異なり、そのために指導上の問題が生じることもある。
 そこで現代教職論では、教職の意義及び役割、教員の職務内容、教科指導の専門性、生徒指導の専門性、教師のライフコースについて学びながら、専門職としての教師について探っていく。授業は実践力を育むため、グループワーク、スピーチ、発表などを取り入れ参加型学習で進めていく。また、省察をひとつの軸とすることで、学校体験・教師体験を相対化し、自分のなかにある「学校」「教師」についての先入観や偏見に気づく機会としたい。以上を踏まえて、教職に関する自らの適性を見つめ進路選択に資する各種の機会を提供する。
 なお、講義の初回に「教職への想い」「忘れられない教師との出会い」「どんな教師になりたいか」を600-1200字程度にまとめ、ひとりひとりから発表してもらうので、各自準備をしておくこと。

<授業計画及び準備学習>
<授業計画>
1.オリエンテーション:評価方法や授業の進め方についての説明と学生の自己紹介。
 なぜ教職をめざすのかを客観視するために、「教職への想い」についてレポートを書き共有する。
2.教職の意義及び役割1:教育の重要性や教職の魅力
3.教職の意義及び役割2:中学校・高等学校における教育の意義と教師の役割
4.教師になるには:教職課程・教育実習・免許制度等・採用試験
5.教師になるには:教職員の研修・服務等、身分保障、学校組織
6.教師のしごと1:教科指導の専門性
7.教師のしごと2:生徒指導の専門性
8.教師のしごと3:教師と現代的課題
9.教師のしごと4:学校の危機管理
10.教師のしごと5:学校・家庭・地域の連携
11.教師のライフコース1:教職アイデンティティの形成
12.教師のライフコース 2:教職生活とターニングポイント
13.教師と省察―専門職論と学び続ける教師像―
14.教職の意義及び役割3:まとめのディスカッション
 初回に書いた「教職への想い」レポートと比し、現代教職論の授業を通して、どのような自己変容がみられたか
 を言語化し、共有する。あわせて教職への進路について考え自らの課題に気づく機会とする。
15. 学習成果の確認(教場レポート)及び講評
<準備学習>
1−2:「教職への想い」「忘れられない教師との出会い」「どんな教師になりたいか」を600-1200字程度にまとめておく。講義終了後は、他の学生の意見を聴き、自分の考えを再考する機会としたい。
3−8:講義の際に指示する関連法規・資料等に目を通しておくこと。
9−15:子どもに関する新聞記事を読んだり、ニュースを意識して見ておくこと。講義後は、講義で学んだことを踏まえて、家族や友人と意見交換をすること。

<成績評価方法>
講義への出席とディスカッションへの参加を前提とし、授業の最後に実施する教場レポートで6割以上の得点をとった者に単位を認める。

<教科書>
教科書は特に指定しない。授業には毎回作成したレジュメを配布する。

<参考書>
ショーン著・柳沢昌一・三輪健二監訳2007『省察的実践とは何か』鳳書房
山崎準二著2012『教師の発達と力量形成―続・教師のライフコース研究』創風社
山崎準二・榊原禎宏・辻野けんま2012『「考える教師」―省察、創造、実践する教師―』学文社
学習指導要領
その他は授業中に適宜指示する。

<オフィスアワー>
授業の前後に教場もしくは講師室で対応する。

<学生へのメッセージ>
現代教職論は、教職のいわば「入口」です。「教師になりたい!」と強く思っている人も、とりあえず免許を取ろうと考えている人も、「教師の専門性」について考える中で、自分が教職に向いているのかどうか、考えてみてください。ひとりで向き合うのは大変なので、共に考えていければいいなと思います。


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