2015年度工学院大学 第2部建築学科

社会思想A(Social Thoughts A)[3668]

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2単位
小野  一 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
環境思想入門。古典的作品を実際に読み、自らの頭で考えることを重視する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
多様な環境思想を源流にまで遡って検討し、今日の環境政策のあり方を問い直す一助とする。

<授業計画及び準備学習>
【第1部 環境問題の「発見」】 〜〜何が問われているのか
(1) レイチェル・カーソン『沈黙の春』より(I-3)
(2) 「成長の限界」、人口問題(I-1、I-11)
(3) 環境政策のアジェンダ化(II-13)
    〜〜持続可能な発展、地球温暖化対策、等
(4) 新しい社会運動、議会主義、政権参加(IV-2、IV-3)
    〜〜 原理派と現実派の抗争に言及、終極点としてのグリーン・ニューディール
【第2部 環境思想の淵源】 〜〜源流にはテクノロジーに解消されない「深み」がある
(5) ディープ・エコロジー、ホーリズム(V-3、V-6、V-7)
(6) 啓蒙主義の限界(I-9、II-6、V-8)
(7) 人間中心主義かエコ中心主義か(V-1、V-5、IV-10)
【第3部 経済成長・技術とどう向き合うか】 〜〜「豊か」でなければ幸せでないのか
(8) 経済成長および巨大技術への批判的視点(I-4、I-5、II-9、III-3、IV-5)
(9) 新たな価値観・真の豊かさを求めて(II-3、III-4、III-6、IV-7)
(10) 「エコノミーとエコロジー」の緊張関係
    〜〜 エコロジー的近代化路線の意義と限界
【第4部 現代社会と環境思想】 〜〜ポスト・フクシマ時代の展望
(11) なぜ環境問題の解決は難しいのか(I-6)
    〜〜 「共有地の悲劇」の寓話から
(12) ガイア思想と原発問題(V-10)
(13) 脱原発社会と再生可能エネルギー 〜〜ひとつの政治的実践
(14) まとめ:オルターナティブを求めて(II-5)
    〜〜 私たちはどのような社会を望むのか
【期末試験】
(15) 学習成果の確認
※ 準備学習として、前回の授業の復習をした上で各回の授業に臨むこと。具体的な課題が指示されている場合は、それに従うこと。

<成績評価方法>
授業時間中に小レポートを適宜実施する。最終的な成績は学期末の教場試験を主たる評価基準とし、平常点を含む総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする。詳細は初回講義時に説明する。

<教科書>
使用しない。

<参考書>
ドブソン編著『原典で読み解く環境思想入門』(ミネルヴァ書房、1999年)。「授業計画及び準備学習」の各回授業の末尾に括弧で表示したものは、この本の対応章です。

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館1E-310号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:月:11〜12時(前期)、火:11〜12時(後期)
新宿校舎12階講師室:水:19:30〜20時(前期)、19〜19:30(後期)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
今や政策テーマとして定着した環境問題。それがどのようにして現在の姿をとるに至ったのでしょうか。「なぜ」「どのように」「どの程度」環境を保護すべきかという考え方はさまざまで、それらの中には相対立するものもあります。例えば、経済的豊かさを享受しながら環境に優しいライフスタイルを目指すのか、経済成長そのものを問い直すのかは、現代社会の根本問題のひとつです。
この講義では、自ら古典を「読む」という姿勢を大切にしたいと思います。「参考書」の欄に掲げた本は、数々の著作の「さわり」を集めたものです。より本格的な読書を志す人にも、格好の手引き書となるでしょう。


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