2015年度工学院大学 第2部建築学科

美術B(Fine Arts B)[3665]

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2単位
鈴木  淳 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
「美術A」で絵画の材料および構造を学ぶのに対して,本授業では絵画技法の歴史を通じて,絵画材料と技法の発達の関連について基礎的,教養的知識を修得する.

● 美術史には,中学や高等学校で学ぶ「表現の様式史」だけでなく,作品に使われる材料と技法にも発達の歴史,変遷があることを認識する.
● 絵画を中心に,歴史に登場するいろいろな絵具の材質的特長と,それぞれに適した使用方法があることを理解する.

<受講にあたっての前提条件>
● 「美術A」と併せて履修することが望ましい.
● 高等学校までの授業で美術を履修している必要はない.

<具体的な到達目標>
●基本的な絵画表現を知り,画面構成のためのさまざまな効果を理解できる.
●使用される絵具によって絵画の種類が区別されることを理解し,それぞれの絵画の特徴を比較できる.
●油彩画の構造の違いの知識によって作品の外観から17世紀までの油彩画と18世紀以降の油彩画を区別できる.
●絵画およびその材料と受講者各自が専攻分野で扱う「物」を比較して,その物の歴史と今後の展開を分析することができる.

<授業計画及び準備学習>
授業計画:
1.ガイダンス:本授業の流れ
  絵画の歴史:"様式"と"技法"
  光学調査による技法の解明:側光線,X線,赤外線,拡大観察

【絵画様式の流れ】
2.絵画の種類と様式史:絵画の主題による分類と絵具による分類,美術史における様式の種類と時期

【絵画制作の基本】
3.西洋絵画の基本表現:「見る」と「描く」
4.西洋絵画の基本表現:構図,遠近法,明暗表現
5.色:色相,明度,彩度
6.光と色:色の波長域,分光反射率

【絵画技法の発達】
7.絵具の発達と技法:水性絵具と油絵具
8.油彩画以前の絵画:フレスコ画,エンカウスティック,テンペラ画
9.油彩画の誕生と発達:15−17世紀の油彩画の構造
10.15世紀の油彩画:初期フランドル派
11.16世紀の油彩画:ヴェネツィア派
12.17世紀の油彩画:17世紀の画家たち
13.18世紀−20世紀の油彩画:印象派まで
14.日本における西洋画:西洋画の導入と歴史,

【講義総括】
15.絵画材料と技法:歴史が示す油彩画の正しい構造
16.学習成果の確認(試験)
準備学習について:
毎回の授業に共通して次の準備学習を課す.
●本授業はテキストを使用しないので予習の必要はない.ただし,プリント資料を使用する場合は前週の授業で配布するので熟読しておくこと.
●予告なくおこなう小テストで復習の程度を確認する.授業のあとで充分に復習をおこなうこと.復習の要点は毎回の授業で指示する.

<成績評価方法>
定期試験と授業中におこなう小テストによる100点評価で判定する.定期試験結果を80%,小テスト結果を20%で評価して,60点以上を合格とする.
ただし,授業への出席率および小テストの受験率がともに2/3以上であることが必須であり,これに達しない学生は履修放棄とみなし成績評価はおこなわない.
小テストは,学生が授業の要点を確認するためのものとして重視する.不定期に実施するので,きちんと授業に出席しないと単位を取得することは困難.

<教科書>
指定教科書なし.必要に応じて講師が作成するプリント資料を利用する.

<参考書>
指定参考書なし.授業の中で紹介する.

<オフィスアワー>
授業開始前のみ(水曜日,17:40−17:55),新宿校舎12階講師室.

<学生へのメッセージ>
美術作品だけでなく,生活に関わるあらゆる「物」について,それが作られた経緯に関心を持ってもらいたい.
質問は歓迎する.オフィスアワーが短いので,この時間に受ける質問には翌週の授業で回答する場合がある.

<参考ホームページアドレス>
beacon art studio ホームページ: http://www.basjp.com/


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