2015年度工学院大学 第2部建築学科

構造力学II(Structural Mechanics II)[4763]

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2単位
近藤 龍哉 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
実際に建っている建物の多くは「不静定構造物」とよばれるものです。よって、暮らしの安心・安全を確保する安全な建物を設計するには不静定構造物の解析法を習得することが不可欠です。本科目では不静定構造物の構造解析の基礎を学習します。
力のつり合い条件に加えて変形の連続性も注視する構造解析法の原理・原則を学びます。
応力度、歪度、フックの法則、平面保持の仮定などを理解して、断面2次モーメントなどの断面諸係数の計算が出来て、梁の変形、不静定梁の応力解析、オイラー座屈などの基礎的構造解析法の理解を目的とします。

<受講にあたっての前提条件>
・静定構造解析法(構造力学1)を概ね理解していることが受講にあたっての前提です。
 冊子(構造力学1)をKuPortおよび学内PCで配布します。事前に、または、同時進行で静定構造物の解析法を自習することを 勧めます。
・本科目では簡単な積分計算を用います。2次関数の2回積分が容易にできることが前提です。

<具体的な到達目標>
・引っ張られる材(圧縮される材)の変形解析ができるようにする。
・曲げられた材の変形解析ができるようにする。
・両端が固定された梁の応力と変位を求められるようにする。
・梁・柱構造の建物の一部の応力と変位を求められるようにする。
・梁と柱でできた建物の構造解析法の概念がわかるようにする。
・圧縮力を受ける柱が突然湾曲する現象を計算できるようにする。

<授業計画及び準備学習>
1. 安全の確保、安心の保証、一般人に対する専門家の責任と構造力学
2. 吊り床構造の構造設計その1(キーワード:垂直応力度、垂直歪度、ヤング率、フックの法則)
3. 吊り床構造の構造解析その2(キーワード:力のつり合い、鉛直ひずみエネルギーと外力仕事)
4. 細い柱と太い柱の強度比べその1(キーワード:平面保持の仮定、断面2次モーメント、縁応力度、断面係数)
5. 細い柱と太い柱の強度比べその2(キーワード:変形の連続性と荷重分担、曲げ剛性)
6. 傾斜地に建つ建物の柱の設計・長い柱と短い柱(キーワード:荷重分担、曲げ剛性)
7. 丸太橋の構造解析(キーワード:境界条件、曲げひずみエネルギーと外力仕事)
8. 連続梁の構造解析その1(たわみ角法への導入、キーワード:たわみ角法)
9. 連続梁の構造解析その2(たわみ角法の利用、キーワード:モーメントの分担率、到達モーメント)
10. マトリックス法の基礎(キーワード:剛性マトリックス、行列式・安定と不安定)
11. 柱の軸力に対する構造設計(キーワード:中心圧縮材の座屈、座屈荷重、断面2次半径、細長比)
12. 超高層ビルの悲劇(座屈長さと境界条件、キーワード:ワールドトレードセンタービル)
13. 鉄骨型鋼ウエブの設計法(キーワード:せん断応力度分布)
14. 色々な不静定構造物の構造解析法の再考
15. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
期末試験で評価する。期末試験結果が60点以上で合格とする。
試験は「建築士試験」に倣った方法で行う。授業で行った全範囲から出題する。
なお、出席点を評価しない。しかし、出席が不十分な場合はこれを理由に不合格とする。

<教科書>
構造力学2に関わる資料をまとめた冊子(構造力学2)と授業で使用するP.P.を事前に配布する。配布は電子教材の配布(KuPort)および学内設置のPCで行う。
加えて、冊子(構造力学1)も自習用(復習)用に配布する。

<参考書>
「構造力学」と題する諸本を参考書として用いることを勧める。加えて、「建築構造ポケットブック」共立出版の携帯を勧める。

<オフィスアワー>
期末試験前に設ける。また、毎回の講義後にも質問に答える。
なお、下記のメールアドレスへのメールで時間調整後に新宿校舎研究室などを訪ねての質問を受ける。ただし、メールは大学のメールシステムを利用し、「メール題目」には「氏名と用件」を必ず記すこと。加えて、数日前に確認を取ること。

<学生へのメッセージ>
構造力学は継続的な学習によって習得できる科目であるから、毎回の講義の前後の予習・復習を行うことが重要です。まずは、「授業計画準備」に記したカッコ内のキーワードを検索しましょう。
また、構造力学は社会人と成って以後に学ぶことは「なかなに困難」です。今、やっておけば、建築士受験時に慌てないで済みます。

<備 考>
質問、質問にかかわる訪問日時の調整などは下記のアドレスにメールしてください。なお、メールには要件の概要がわかる「用件概要と学籍番号氏名」を「サブジェクト欄」に記してください。記述のないものは迷惑メールとして読まずに削除します。

<参考ホームページアドレス>
dt82143@ns.kogakuin.ac.jp


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