2015年度工学院大学 第2部情報通信メディア工学科
数学II(Mathematics II)[6761]
2単位 片野 修一郎 非常勤講師
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 専門課程で数学が必要になった時、きちんと使えるように、微積分の概念的な理解と実際の運用技術の修得の両方を目標とする。余裕があれば、論理体系の典型としての、また人類が築いた壮大な思想体系としての数学の側面も味わって欲しい。具体的には、(1)偏微分の意味を理解し、いろいろな初等関数の偏導関数を求められること(2)偏微分を関数の極値問題などに応用できること(3)重積分の意味を理解し、累次積分や変数変換を用いて具体的な計算ができること、を主な目標とする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 前期数学Iが十分理解できていること、これに尽きる。もちろんこの中には高校数学や、場合によっては中学数学まで含んでいる。前期の学習内容は前提として授業を進めます。
- <具体的な到達目標>
- 1変数の置換積分・部分積分の計算が確実にできること。
- 偏微分の意味を理解し、いろいろな初等関数の偏導関数を求められること。時間があれば、それを極値判定に応用できること。
- 重積分の意味を理解し、累次積分や変数変換を用いて具体的な計算ができること。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.一変数関数の不定積分の復習
準備学習:前期の不定積分をよく消化しておくこと。手持ちの本やプリントの同様な練習問題を数多く解いてみること。 2. 一変数関数の定積分(主に置換積分) 準備学習:前期の不定積分をよく消化しておくこと。手持ちの本やプリントの同様な練習問題を数多く解いてみること。 3. 一変数関数の定積分(主に部分積分)と演習 準備学習:前期の不定積分をよく消化しておくこと。手持ちの本やプリントの同様な練習問題を数多く解いてみること。 4.二変数関数とは?(概念とその"グラフ"の描き方と極限) 準備学習:今後のために前期の微分法を完全なものにしておくこと。 5.偏微分法(偏導関数の定義とその意味)/演習 準備学習:今後のために前期の微分法を完全なものにしておくこと。 6.高次偏導関数/合成関数の連鎖律/演習 準備学習:前回の授業内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。 7.二変数関数のTaylorの定理と極値問題(偏微分法の応用) 準備学習:編微分全般について消化しておくこと。特にその意味を理解しておくこと。 8.二変数関数の極値問題の演習 準備学習:前回の授業内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。 9.予備日 ここまでで偏微分法が終わりました。 準備学習:偏微分法全般について復習のこと。 10.重積分の定義と意味/累次積分とFubiniの定理 準備学習:一変数関数の積分について復習し、練習問題を解いておくこと。 11.重積分の計算/累次積分とFubiniの定理/演習 準備学習:前回の授業内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。 12.累次積分についての全般的な演習 準備学習:渡してあるプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答すること。 13.重積分の変数変換とJacobianの意味(特に極座標変換) 準備学習:前回の授業内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。 14. 重積分の計算(特に極座標変換)の演習 準備学習:前回の授業内容を消化しておくこと。渡してあるプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答すること。 15. 学習成果の確認(後期末試験) 準備学習:全般に十分に問題練習しておくこと。わからないことを残さないこと。
- <成績評価方法>
- 期末試験100点の他に、授業時に可能な限り演習時間を設け、黒板で解答を発表した者には1回につき5点程度の平常点を与える。また、授業時の質問に答えた場合や少し手間のかかるレポート課題を提出した場合にも適宜平常点を与える。以上を合計し、得点分布を調べ、他に比べて点差の大きく開いた箇所で切って合格点とする。通例、50点取れれば不合格になることはないと思う。ただし、平常点が沢山あって合計点が基準に達していても、期末試験の点数があまりに悪い場合(たとえば1桁)は不合格にすることがある。
- <教科書>
- 昨年まで私のクラスに在籍した人は、そのとき使用した私の教科書を再び使いますので、それを持ってきてください(片野修一郎『微分積分学講義』(DTP出版))。持っていない人には該当部分のコピーを配りますので、わざわざ購入しなくてよい。欲しい人は購入してください。この本には、単に微積分だけでなく、基礎となる数学の解説も書かれています。
- <参考書>
- 必要があれば紹介しますが、なにより前期の数学Iをきちんと理解していることが大前提ですので、高等学校教科書が良い参考書にもなると思います。
- <オフィスアワー>
- 授業の前後の休み時間、新宿校舎12階講師室で。質問歓迎します。
- <学生へのメッセージ>
- 前期数学Iをきちんと理解していることが、当授業の単位を取得できるための絶対必要条件である。近年、前期の数学Iがほとんど理解できないまま当授業を受講するケースが増えていますが、それはいくらなんでも無理です。とにかく数学Iをしっかりわかっておくこと。授業時には演習時間できるだけ沢山とるつもりです。二変数関数の微積分は前期に比べて格段に難しくなるので、自宅学習できちんとフォローしてもらうことが前期に比して強く期待されます。
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