2015年度工学院大学 先進工学部

無機化学I(Inorganic Chemistry I)[5429]

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2単位
大倉 利典 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
化学全般に通用する基礎知識を修得する.具体的には,原子核,原子の電子配置と電子状態,元素の性質の系統的な周期性,化学結合の様式,溶液反応における酸塩基と酸化還元の概念など化学の基礎をしっかり理解する.

<受講にあたっての前提条件>
高等学校で学んだ化学の基礎を理解していること.

<具体的な到達目標>
元素の周期律,化学結合,さらには無機化合物の性質が,原子の電子構造に基づいていること,またその関連性を理解することを目標とする.
(1) 物質の化学的性質の基礎となる分子軌道などの化学結合の概念を理解し,説明することができる.
(2) 無機化合物の構造や性質が,電子状態に関連していることを定性的に理解し,説明することができる.

<授業計画及び準備学習>
第1週 原子レベルでの単位,原子番号,イオンの価数,原子記号,化学式の表し方,質量数,原子量などの定義を復習
第2週 原子核の構造:原子核を構成する素粒子,同位体,放射線に関する単位,核崩壊形式
第3週 原子モデル,波動方程式,原子軌道のエネルギー準位と図的表示の方法,
第4週 量子数,電子軌道,パウリの排他律とフントの規則,
第5週 元素の周期律,原子の電子配置と電子状態(項記号)
第6週 金属結合,イオン結合,イオンの生成,イオン化エネルギー,電子親和力
第7週 電気陰性度,イオン半径,イオン性結晶の原子配置,格子エネルギー,ボルン・ハーバーサイクル
第8週 イオン性結晶の構造,限界半径比と配位数
第9週 共有結合,安定配置の考え方,原子価結合法,s軌道,p軌道
第10週 混成軌道,分子の形,σ結合とπ結合,化学結合様式と一般的性質
第11週 分子軌道法(1):LCAO近似,原子軌道と分子軌道の図表示
第12週 分子軌道法(2):分子軌道のエネルギー準位,結合性軌道,反結合性軌道,結合次数
第13週 溶液中の反応(1):イオン反応,水和,溶解度
第14週 溶液中の反応(2):酸と塩基,アレニウスの定義,ブレンステッド-ローリーの定義,ルイスの定義,溶媒の自己イオン化による定義
第15週 溶液中の反応(3):酸化還元,標準電極電位(ネルンストの式),電極反応
第16週 学習内容の振り返り

準備学習:授業計画に記されたキーワードについて調べておくこと.

<成績評価方法>
全開講数の3分の2以上を出席した上で, 定期試験で最終成績を評価,60点以上の者に単位を認める.

<教科書>
工学のための無機化学 山下・片山・大倉・橋本著(サイエンス社)

<参考書>
基礎無機化学 改定版 一國著(裳華房)

<オフィスアワー>
金曜日 18:15〜19:00(八王子校舎17-202号室)

<学生へのメッセージ>
化学全般に通用する基礎必修知識であり,また物質・材料の物性や化学を理解する上での基礎でもある.そのように意識して取り組むことが大切.


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