2015年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

ロジカルライティングI(Logical Writing through Critical Thinking I)[3335]

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2単位
小野  一 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
キーワード:
論理的な文章を書く・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成

この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要な、批判的に考え論理的に述べる力をつけることを目標としています。また、これらのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力を身につけることことも目指します。

<受講にあたっての前提条件>
高等学校までに身につけるべき国語力があることが必須です。日頃より新聞や文庫本などを積極的に読み、正しい「書き言葉」を意識し、そして漢字の読み書きを身につけるようにしておいてください。

<具体的な到達目標>
1.批判的に考えることに慣れる
2.考えたことを論理的にまとめ、相手に伝わりやすい形で書くことができる
3.説得力のある文章を書くことに慣れる
4.人と話す、人前で話すことに慣れる

様々な議論・討論、レポート作成を繰り返し、論理的な思考力および文章力をつけることを目標とします。お互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、批判的思考力(クリティカル・シンキング)を養い、これまでとは違う考え方ができるようになることも目標とします。

<授業計画及び準備学習>
●第1週 [ガイダンス]
 この科目を通しての目標設定をする(課題1)・「仲間づくり」をする。
  準備学習: シラバスをきちんと読んでおくこと。

●第2週 [ロジカルライティングに挑戦]
 まずは書くことで、その難しさを実感する。
  準備学習: 課題1「あなたはこの授業で何を学びたいですか?
        どのようなスキル・知識を得たいのか、目標を設定
        してください。」

●第3週 [読みやすい文章とは]
 読みやすい文章を書くための「量・構成・書き言葉」を理解する
  準備学習: 課題2「あなたが最も成長したと思う体験を挙げ、
        なぜ成長したと言えるのかを具体的な例を挙げながら
        説明しなさい」 

●第4週 [「ノートテーキングと要約に挑戦]
 先輩(1人目)の経験談を聞き、ノートテーキング&要約する
  準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題2を修正する。

●第5週 [ノートテーキングと要約の基本]
 ノートテーキングと要約のポイントを理解する。
  準備学習: 先輩(ロールモデル1)の経験談を聞き、その内容を
        要約する。

●第6週 [ノートテーキングと要約に再挑戦]
 先輩(2人目)の経験談のノートテーキング&要約
  準備学習:個人の要約をもとに、グループごとの要約をまとめる。

●第7週 [ノートテーキングと要約の自己・他己評価]
 聞いたことをもとに自身の考えを書き、それを評価する
  準備学習: 課題3「あなたはこの4年間、どう成長したいですか?
        自分が4年後にどうなりたいか、そうなるために何を
        するべきかを説明しなさい」

●第8週 [文献からの情報収集]
 技術者の業績と生き方:文献からのノートテーキング。
  準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題3を修正する。

●第9週 [文献から得た情報をもとにしたライティング]
 文献から得た情報をもとに要約をふまえたライティングの練習。
  準備学習: 課題4「資料中の技術者のなかであなたがもっとも関心をもった
        人について、説明しなさい」

●第10週 [講義からの知識の取得]
 講義をうけ、そこで得た知識を整理し、書く。
  準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題4を修正する。

●第11週 [調査した情報と文献からの知識をもとにしたライティング]
 文献を読み、そこで得た知識をもとに自分の意見をまとめ、書く
 準備学習: 課題5「技術をよりよく学ぶうえで、日々の姿勢としてどんなことが大切だと考えますか。
 とくに大切にしたいことをひとつあげ、その根拠とともに説明しなさい」

●第12週 [講義・調査・文献から得た知識をもとにしたライティング]
 複数の資料や情報をもとに、自身の意見をまとめ、書く。
  準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題5の内容を修正する。

●第13週 [学習の総括]
 これまでの授業で学んだことについて、意見をまとめ、書く。
  準備学習: 課題6「あなたはこの授業でどのようなことを学びましたか。また、自分にとって今後の課題は
   何だと思いますか。説明しなさい」

●第14週 [ライティングの自己・他己評価]
 自分が・他人が書いた文章の要約・評価
  準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題6の内容を修正する。

●第15週 [学習成果の確認](試験かレポート)

●第16週 [授業内容の振り返り]

<成績評価方法>
授業に出席をし、積極的に議論に参加する(人と話す)ことは大前提です。
課題レポート、宿題その他の提出物に、授業中の議論における貢献度を加味して総合的に評価します。

<教科書>
・「Logical Writing ―論理的な文章力を鍛える―」(大学生基礎力BOOKシリーズ)(株)ベネッセコーポレーション

他、適宜、プリントを配布します。

<参考書>
特に指定はしないが、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧めます。

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館1E-310号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:月:11〜12時(前期)、火:11〜12時(後期)
新宿校舎12階講師室:水:19:30〜20時(前期)、19〜19:30(後期)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
文章技術の習得が、この授業を受講する人の関心事だと思います。文章の達人(作家など)が一般人(?)と比べて違っているものがもしあるとしたら、圧倒的な読書量の多さでしょう。よい文章を書くためには、その何十倍、何百倍も他人の書いたものを読み、それを自分の頭で考えてみることが必要なのです。映像メディアや情報技術の発達の中、文字で書かれた「暗号」を読み解かなくても、直感的にわかりやすい情報が手軽に得られるご時世。そんな時代だからこそ、「読む」ことと「考える」ことを意識して習慣づけるようにしてください。それがよい文章を書けるようになる早道だと思います。


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