| 2015年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
 
 
○地学(General Earth Science)[6207]
 1単位
 野津 憲治 非常勤講師
 
 
<授業のねらい>「地学」は「地球科学」と呼ばれることも多く,われわれ人類が生活する場である地球や太陽系、さらに宇宙についての理解を深め、そこで過去から現在までに起きている現象の法則性や原因を探り、将来の地球環境を見通す学問である。地学は我々の好奇心を満足させるばかりか,人類が持続的に発展するために必要な知識を提供する学問であり,受講者ひとりひとりが地学の基礎知識を身につけ、自分なりの地球観、宇宙観を持ち、身の回りで起きる地学現象に関わる問題を考えて解決できる能力を養う。<受講にあたっての前提条件>特に前提条件はない。誰でも受講可能。<具体的な到達目標>講義を通して地球や宇宙の成り立ちや仕組みを系統的に理解すると,地球や宇宙についてのより次元の高い見方が出来るようになり、資源、環境,自然災害などの人類の生存に深く関わる問題に対応できるようになる。<授業計画及び準備学習>1.宇宙の広がりと137億年の営み(1)恒星の色々な性質 (2)HR図による恒星の分類 (3)宇宙の階層構造 (4)宇宙の始まりと膨張
 (5)恒星の一生と宇宙の進化
 準備学習:教科書のp.6-15, 36-47を読んでおくこと
 2.太陽系の一員としての地球
 (1)太陽系の構造と構成天体、物質 (2)太陽の姿と活動 (3)8惑星と月の諸性質
 (4)太陽系の形成シナリオ (5)地球型惑星誕生時の層構造形成
 準備学習:教科書のp.16-35, 48-53を読んでおくこと
 3.地球の姿と活動
 (1)物理的な性質 (2)内部構造と構成物質 (3)岩石と鉱物 (4)プレートテクトニクス
 (5)地震活動と火山活動
 準備学習:教科書のp.56-126を読んでおくこと
 4.生物の変遷にもとづく地球の歴史
 (1)地球史の地質時代区分 (2)生命の誕生と進化 (3)先カンブリア時代の地球
 (4)顕生代の地球 (5)人類の進化
 準備学習:教科書のp.132-147を読んでおくこと
 5.地球をとりまく海と空
 (1)地球上の水の分布と化学組成 (2)海水の循環と海の波 (3)大気の鉛直構造と化学組成
 (4)大気の流れと大循環 (5)気象現象
 準備学習:教科書のp.152-181を読んでおくこと
 6.人間活動が変える地球環境
 (1)人口増加に伴う環境負荷の増大 (2)森林減少と砂漠化 (3)地球温暖化
 (4)古環境と将来の気温推定 (5)オゾン層破壊
 準備学習:教科書のp.184-189を読んでおくこと
 7.学習成果の確認(試験)
 準備学習:前回までの総復習を行なう。
 8.授業内容の振り返り
 
 ◯ 毎回の講義では、最後の15〜20分を使ってまとめの小テストを行い、その日の出席の確認も兼ねて講義内容の理解度を確かめる。小テストの解説は翌週の講義の最初に行うとともに、添削してまとめて各自に返却し、学生の復習に役立てる。
 ◯ 毎回の講義内容はKuportの電子教材に掲載し、復習に役立てる。
<成績評価方法>第7回目に行う試験の得点と、試験得点60%+毎回の小テスト結果40%で計算した得点とを比べ、高得点の方をその学生の成績とする。<教科書>ニューステージ「新地学図表」浜島書店(2014) 790円 講義資料を配布する代わりに、この本の図表を講義資料として使用する。<参考書>西村裕二郎ほか「基礎地球科学」(第2版)朝倉書店(2010)尾崎洋二「宇宙科学入門」(第2版)東京大学出版会(2010)
 東京大学地震研究所「地球科学の新展開」朝倉書店(1,2巻:2002, 3巻:2003)
 小倉義光「一般気象学」(第2版)東京大学出版会(1999)
 池谷仙之、北里洋「地球生物学」東京大学出版会(2004)
 ポール・R・ピネ「海洋学」(原著第4版)東海大学出版会(2010)
 不破敬一郎、森田昌敏「地球環境ハンドブック」(第2版)(2002)
 野津憲治「宇宙・地球化学」朝倉書店(2010)
 国立天文台「理科年表」丸善(2014)
<オフィスアワー>講義開始前、終了後、八王子キャンパス非常勤講師室E-mailでのやりとりもできます:notsu@cc.kogakuin.ac.jp
<学生へのメッセージ>地学は、われわれが生活する地球環境の過去から現在の姿を知り、将来を思い描く学問です。われわれの知的好奇心を満足させるだけではなく、人類が持続的に生存していく術を学び取る学問です。皆さんが将来の地球環境についての問題意識を持って勉強することを期待します。夏期集中の地学実験も受講することを勧めます。 
 
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