| 2015年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
 
 
化学実験(Experiments in Chemistry)[4349]
 1単位
 高見 知秀 教授
 
 
<学位授与の方針>| ◎ | 1. 基礎知識の習得 |  |  | 2. 専門分野知識の習得 |  |  | 3. 汎用的問題解決技能 |  |  | 4. 道徳的態度と社会性 |  |  | 5. 創成能力 | 
<授業のねらい>「講義(化学1)」→「実験の予習」→「実験操作」→「実験結果の記録と整理」→「レポート作成」という一連の作業を通じて、理工系学部生にとって必要な化学実験の操作技術と、実験結果を化学的視点から洞察する能力を身につける。<受講にあたっての前提条件>・本授業の実験内容は、化学1の講義内容と密接に関係している。実験の理論・背景を十分に理解するために、化学1を必ず受講すること。・高校レベルの化学の基礎知識を有することが望ましいが、必須ではない。高校で化学を履修しなかった人は、学習支援センターを活用し、化学の知識を補うこと。
 ・安全のため、白衣を購入し、必ず着用すること。
 ・大学生協で販売されているA4実験ノート(オレンジ色の表紙)を購入し,実験の予習を必ず行うこと。
 ・実験ノートの記録用に、黒のボールペン(指定はないが、後から消す機能がないものとする)を用意すること。
<具体的な到達目標>・安全と環境に配慮し、化学実験器具や化学薬品を適切に取り扱うことができる。・実験の全体像を理解し、実験ノートに予習を行うことができる。
 ・実験中に起こる変化を注意深く観察・洞察し、正確にノートに記述することができる。
 ・実験データに基づき、濃度・収率などの量を計算することができる。
 ・実験結果を十分に考察し、実験レポートを作成できる。
 
 (JABEE学習・教育目標)
 「国際工学プログラム」:(C)基礎工学・専門工学知識の習得◎
 JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)◎
 
 (習得後の展開)
 本科目で習得した内容は、「化学1」「化学2」の更なる理解に役立つほか、1年後期に開講される「有機化学I」などの化学関連科目の履修において重要な役割を果たす。
<授業計画及び準備学習>実験は、すべて各個人で行う。白衣・予習を行った実験ノートを忘れた場合、実験を行うことはできない。各週の実験内容は以下の予定。
 
 第1回:概要の説明・基本的な実験操作
 [学習内容]【前半】実験内容、注意事項、予習方法、レポートの書き方の説明を行う。
 化学式・モルに関する演習問題を行う。
 【後半】基本的な実験操作を一通り学ぶ。
 [準備学習] 白衣・実験ノート・関数電卓を購入し、持参すること。
 化学式やモルについて復習しておくこと。
 この回は、実験の予習は不要である。
 
 第2回:基礎実験(ナイロン合成と炎色反応)
 [学習内容]【前半】ナイロン6 10の合成を行う。
 【後半】金属イオンの炎色反応の実験を行う。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第3回:無機定性分析実験1(金属陽イオンの反応)
 [学習内容]【前半】銀、鉛、アルミニウム、鉄の各イオンの性質を調べる。
 【後半】銀、鉛、アルミニウム、鉄混合溶液の系統分離分析を行う。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第4回:レポート指導・無機定性分析実験2(未知試料の分析)
 [学習内容]【前半】第2,3回の実験レポートについて講評および指導を行う。
 【後半】銀、鉛、アルミニウム、鉄のうち数種類のイオンを含む
 未知試料の系統分離分析を行う。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第5回:定量分析実験1(アルカリ標準溶液の調整)
 [学習内容]【前半】指示薬の性質を確認する。NaOH水溶液を調整する。
 【後半】塩酸標準液を用いて、NaOH水溶液の濃度を決定する。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第6回:定量分析実験2(食酢中の酢酸の定量)
 [学習内容]【前半】食酢をNaOH水溶液で滴定する。
 【後半】食酢の濃度を計算する。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第7回:無機合成実験(硫酸銅五水和物の合成と生成)
 [学習内容]【前半】硫酸銅五水和物の合成を行う。
 【後半】硫酸銅五水和物の再結晶、乾燥、収率計算を行う。
 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
 
 第8回:学習成果の確認
 [学習内容] 授業の総合評価・まとめを行う。
 [準備学習] 実験内容やレポートに関する質問があればまとめておく。
<成績評価方法>・試験は行わない。・予習(20%)とレポート(80%)の出来で成績評価し、Grade D以上の者に単位を認める。
 
 「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目および
 この目標に対する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。
<教科書>教科書を購入する必要はない。第1回にテキストを配布する。<参考書>・「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」工学院大学化学基礎教育研究会 編、2014年、J.B.企画・「−視覚でとらえる−フォトサイエンス化学図録(新課程改訂版)」数研出版編集部 編、2013年、数研出版
 ・「実験を安全に行うために(第7版)」化学同人編集部 編、2006年、化学同人
 ・「続 実験を安全に行うために(第3版)」化学同人編集部 編、2007年、化学同人
 ・「改訂 化学のレポートと論文の書き方」泉 美治 他監修、1999年、化学同人
<オフィスアワー>前期・後期ともに金曜日14:00−16:30とする。居室は八王子キャンパス(4号館1階105号室)。出張などで不在の可能性があるので、事前に連絡を取ることを推奨する。メールで連絡・質問する場合は、ft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで。<学生へのメッセージ>高校や大学1年次に学んだ化学の知識を、実験を通じて身近な物質や現象に適用し、化学を実感する授業である。実験直前に初めてプリントや資料を見るようでは、実験中に慌てて事故につながりかねない。安全かつ手際良く実験を行うため、事前に予習を行う必要がある。このため、実験ノートの準備を必須とする。 
 
| このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。 Copyright(c)2015 Kogakuin University. All Rights Reserved.
 |  |