2015年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

重積分(Multiple Integration)[4340]

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1単位
北原 清志 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
多変数関数とくに2変数関数の積分(重積分)について学習する。変数の数が増えると数式が複雑になり難しく感じるが、積分の考え方は1変数の場合と同様である。この点を理解し、積分に対する広い視野を得ることを目指す。具体的な内容は、重積分と累次(繰り返し)積分、積分順序の交換、重積分の変数変換とその応用などである。本科目の習得後は複素関数論、ベクトル解析など幅広い応用数学分野を学ぶことができる。

<受講にあたっての前提条件>
「偏微分」の試験に合格していないと履修できません。

<具体的な到達目標>
1. 重積分を累次積分に書き直して計算することができる。
2. 累次積分の積分順序を交換することができる。
3. 変数変換公式を利用して重積分を計算することができる。
(JABEE学習・教育到達目標)
「国際工学プログラム」:(C)◎

<授業計画及び準備学習>
1. 2重積分と累次積分
  2重積分の概念を理解し、累次積分との関係について学ぶ。
  準備学習:「積分」で学んだ基本公式を十分に復習しておく。

2. 2重積分の計算
  2重積分の具体的な計算が正しく実行できる。
  準備学習:「積分」で学んだ内容に関する計算練習を十分に行なっておく。
  試験結果を踏まえて、講評を行う。

3. 積分順序の交換
  積分の順序交換の意味を理解し,具体的な問題について正しく実行できる。
  準備学習:累次積分の計算方法を具体例に沿って十分に復習しておく。

4. 極座標と変数変換
  極座標を用いた変数変換の意味を理解し具体的な計算ができる。
  準備学習:「積分」で学んだ置換積分について十分に復習しておく。

5. 変数変換公式
  広く用いられている変数変換の意味を理解し具体的な計算ができる。
  準備学習:「積分」で学んだ置換積分について十分に復習しておく。

6. 3重積分
  2重積分の拡張としての3重積分の概念を理解し具体的な計算ができる。
  準備学習:2重積分の意味と計算方法を十分に復習しておく。

7. 学習成果の確認(試験)
  試験により理解度を確認する.
  準備学習:今まで本科目で学習した授業ノート・プリント類をすべて読み返し,理解が不足している単元を
  重点的に復習し,演習問題を解いておくこと.

8. 学習内容の振り返り
  この科目で学習した内容を振り返り,学習した内容がどのように応用されるかを解説する.
  準備学習:今までの授業内容の総復習をしておくこと.

<成績評価方法>
期末試験100%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
「微分積分学の基礎」 吉田・北原・西村 共著(森北出版)

<参考書>
「新訂 微分積分II」 高遠・斎藤 ほか(大日本図書)
「実例で学ぶ 微分積分」 大原一孝著(学術図書出版社)
「理工系の基礎 微分積分 増補版」石原 繁,浅野 重初(裳華房; 増補第7版)

<オフィスアワー>
水曜日4時限目(八王子校舎総合教育棟01E-317室)
それ以外でもメールで約束の上,対応可。

<学生へのメッセージ>
多変数関数の積分は式が複雑で難しそうに見えますが,基本の考え方は1変数の場合と同様です。1変数の場合よりもむしろ基本の考え方が式の上に良く表現されているといえます。あくまでも基本に戻って道を見失わない様にじっくり取り組むことが大切です。


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